第三話(セシル編)「DEAD OR KILL」
そこには弾切れの銃が多々転がっており多くの血が流れていた。
上を見上げれば大きな人の形をした鉄の塊があり俺を見下ろしている。
六年前俺の横には死体が転がっていた。
俺の家族、友達、そしてその家族、そして・・・心のそこから殺したいと思った奴
殺された?殺した奴が憎い?違う・・・
―俺が殺したんだー
そしてその鉄の塊を見て俺は初めてこう思った。
「―死ぬのか?−」
しかし鉄の塊はこういった。
「生きて・・・罪を償え。」
最悪だ・・・それこそが俺がもっとも恐れた罰であり絶望だった。
「夢か・・・ん?母さん・・・?」
久しぶりに自力で起きた。なんとも心地がいい。
枕もとに置手紙がおかれておりこう書かれていた
圭佑、レイブン受験がんばってね。
お姉ちゃんみたいになれとはいわないけど死なないようにがんばってね。
それから先輩レイブン達にちゃんと挨拶してね。
朝飯机においたるから食べなさい。
携帯を見ると何通もメールがきていた。
「ふむ・・・香錬が二通・・・その他三通」
・ ・・後一時間・・・45分後にタクシーで出れば間にあうか・・・
着替えて銃を腰にしまう瞬間ふと思った。
「軽い・・・まさか」
明らかに軽かった。それもそのはず愛銃オートマグ3の弾が全て抜かれていた。
「・・・・甘いぜ」
机の中にかくしておいた弾があったのを思い出したが・・・
「げ・・・」
全部抜かれていた。仕方なく装弾されている玉一発のみで我慢した。
よくみると紙が置かれておりそこにはこうかかれていた
暴発厳禁
「帰り買っとくか・・・」
そう思いながら携帯をいじりつつ朝飯を食べ始めた。
1時間後・・・
「やっぱりね。」
香錬がため息をつきながらあきれた口調で愚痴っていた、
1時間ジャスト!
そう思いながら圭佑は到着した。
自動ドアが開いて香錬と目が合った。
「あんたね〜・・・」
香錬は右手で頭を抱えた。
「普通試験受けるときって10分前にこない?」
「結果オーライ、結果オーライそれよりさ。」
リュックから受験書をだして受け付けに走った。
「あのこれ・・・」
「はい、わかりました。では試験開始までそこでおまちください。」
「え?あの〜試験開始は10時からじゃ・・・」
「はい?いえいえ10時半からが一次試験で13時からが面接21時からが二次試験です。」
「な〜るほどわかった・・・」
雑誌を読みながらMDを聞いている香錬向けて歩いていった。
ちょいちょいと香錬の背中を叩く。
するとおもむろにMDを取り外し話し掛けてきた。
「時間遅らせといて正解だったでしょ?」
「やっぱりな・・・。」
「ヒューヒュー熱いねぇ。」
柄の悪い男が話し掛けてきた。金髪のモヒカン・・・今のセンスじゃありえないな。
こういうときはスルーするべきか?
「お二人方何してるの?」
「・・・・・」
「ねぇってばさぁ・・・」
「レイブン試験・・・用はすみましたか?」
「・・・・・へぇやっぱりねぇ」
するといきなり銃をこちらに向けてきた。
「むかつくんだよ、てめぇみてえな餓鬼が受けれてなんで俺が受けられねぇんだ?」
この男に負けず劣らずの柄の悪い連中(おそらく受験者だろう)がこちらを見てきた・・・見るだけじゃなく助けろ
「前に犯罪犯している場合受けられませんね。」
冷静に香錬が不良に向かってに言う。
「そんなんはどうでもいいんだよ!受験書渡せばいいんだよ。」
「俺の写真がはいってるが?」
「いいからよこせ!」
「それはともかくお前何秒俺の頭に銃向ければ気がすむんだ?」
ドゥン!
圭佑のオートマグ3が火を噴く。相手の銃に見事命中しあいての銃は吹っ飛んだ。
その瞬間のどを蹴り飛ばし圭佑はモヒカン野郎を押し倒した。
弾の入っていないオートマグを突きつける。
なまじ姉がレイブンだったせいか実戦訓練も無理やり付き合わされている。
ためこういうシチュエーションはなんどもシュミレートを行った。
「てめぇみたいなチンピラがレイブンになろうと言っているだけでむかつくんだよ。帰れ」
ピーンポーンパーンポーンとアナウンスがなった。
{試験開始です。受験者は至急中央会議室に集まってください。}
圭佑は銃をしまい会議室に向かおうとした。
「ふざけんなぁぁぁぁ!」
―ドゥンー
「調子に乗るな。」
他の受験者も銃を抜こうとしていたがそれより先に奥の試験官が早くチンピラの頭をうった。
「騒ぎはしまいだ。全員会議室へいけ。」
その言葉につられ皆は一斉に歩き出した。
「ちょっとこわかったね・・・」
「いやぁ本物のレイブンはかっこいいなぁ・・・」
「圭佑も今日からレイブンね。」
にかっと香錬が笑う。
今はどんなアイドルよりも香錬がかわいいと思った。
「じゃ、いってらっしゃい。」
「ほーい。」
作者:バビロンさん
|
|