サイドストーリー

第二章   第七話 市街地A-29
「市街地に行く道は、危険だそうですので、気を付けていきましょう。」
「そんなに構えなくっても大丈夫だよ、刹那ちゃん。」
「そうそう。気楽に行こうよ。せっかく御飯食べに行くんだからさ。」
そして、バスに乗って市街地へと向かっていった。
 
そのころ男子たちも市街地で遊んでいた。
「なぁなぁ、次このゲームやろうぜ!」
「もう、いいよ。俺たちあの出店に入ってるからジャックたちも終わったら入って来いよ。」
「おう!わかった。じゃあ後から行くから。」
「じゃあ、行くか。って、あれ?ハルジオン?」
「ねぇねぇ、俺さぁ、レイヴンなんだ。だからさぁ、俺と遊ばね?」
「ごめんねぇ、今日彼氏と待ち合わせがあるんだ。またね!」
「ああ、がっくし・・・。」
「って、何してんだ?ハルジオン。」
「何ってナンパに決まってるじゃないか!せっかく市街地に来たんだから女をひかっけとこうと思ってな。」
「もういいから。出店行ってるぞ。」
「うい〜っす。」
男子たちは、バラバラに遊んでいた。
 
バスは、ぐるっと回って25分でやっと市街地に着いた。
「やっと着いた。さて、じゃあ一気に目当ての店まで行きますか。」
「うん、お腹空いてきたし。」
イリスたちは、その目当ての店に入った。
「おじさん!来たよ〜。」
「おお、イリスちゃんじゃないか。いつものやつでいいのか?」
「もち!それ4つね!」
「あいよ。」
「いつものって、ここ行きつけなの?」
「よく、ここに食べに来てたから顔覚えられたの。」
「ふ〜ん、そうなんだ。」
4人は、わいわい言いながら食事が来るのを待った。
 
男子も全員出店に入って、食事をしていた。
「あ、醤油とって。」
「ほい。」
「塩とって。」
「あい。」
「こしょうとって。」
「はいって、一回で全部言えって!!」
「分かった分かった。次、七味とって。」
「もう、自分で取れ!」
「なんだよ〜、取ってくれてもいいのに。」
「ケンカは、やめろよ。後でまた、シリウスさんにいろいろ言われるぞ。」
「そうだな。で?メシ食ったらどうするよ。」
「そうだなぁ、みんなでボーリングかカラオケにでも行く?」
「俺は、ビリヤードがいいな。って、エド。どこ行くんだ?」
「俺は、先に帰ってる。」
「あっそう。じゃあ気をつけて帰れよ。」
エドは、何も言わずに店を出て行った。
「エドって無口だよなぁ。なんで喋んないんだろ。」
「さぁ、なんか昔いろいろあったっぽいよ。」
「ふ〜ん、で?どうする?」
「ここは、やっぱ体動かすボーリングっしょ!」
「そうだな。じゃあやりに行きますか。」
男子たちは、近くのボーリング場に向かった。
 
「昇運よ。無人ACを今から市街地に5機向けろ。レイヴンどもの出方を調べるんだ。」
「はい。了解しました。では、無人ACを市街地に向けます。」
「データは、明日にまとめて提出してくれ。では、頼んだぞ。」
「はい!無人AC5機を市街地に向けて出撃させろ!ヘリの準備をするんだ!」
昇運は、放送でそう叫んだ。
 
それから1時間後。イリスたちは、御飯を食べたあとカラオケに行っていた。ただ刹那は、歌っては、いなかったが・・・。
「刹那ちゃんも一緒に歌おうよ!」
「いえ、私は、結構ですので、みなさんで歌ってください。」
「ノリ悪いよ。一緒に歌おうよ!ね?」
「・・・。分かりました。では、一曲一緒に歌いましょう。」
「わーい、やった!」
男子たちは、となりの店でボーリングをしていた。
「よっしゃー!!ストライク!」
「うまいなぁ、ジャックって。それに負けず劣らずルーキスもすごいけど。」
「まぁな。結構やり込んだからな、学生時代のときに。」
「ふ〜ん、にしてツヴァイってこういうの全然ダメなんだな。」
「う、うるさいなぁ。難しいんだよ。こんなの・・・。ゲームなら負けないのに・・・。」
「はっはっはっ。人それぞれ、得意不得意があるって。」
ドカーン    ドゥーン
「なんだなんだ!?」
「緊急事態発生、緊急事態発生。ACによる攻撃が発生しています。
 お客様は、係員の指示に従って非難してください。繰り返します、・・・・・・。」
「ACによる攻撃だと?いったい誰が?」
「とりあえず外に出てみよう!」
外に出ると5機のACがいた。明らかにグローバルのレイヴンでは、なかった。
「あ、ネネたちもあそこにいるぜ。おーい、ネネ!!」
「あ、ジャック。どうしたの?みんなそろって。」
「遊びに来てたんだけどいきなりあれが、な。ネネもそうだろ?」
「うん、そうなんだけど・・・。どうしよう。マークさんたち呼ぶ?」
「そうしかないけど、ただで出撃するの?レイヴンって・・・。」
「あ、そうか。中立的立場に立ってるから、報酬を得て動いてるんだった。どうしよう・・・。」
 
そのころマークとロジャーは、市街地A-29にACが来るという情報を得た市街地A-29の市長からの依頼が来た。もちろん二人は、受けた。そして、
「作戦領域に到達。これより機体を投下する。」
「あ、マークさんとロジャーさんだ!」
「もう、来たの!?」
「多分市長が依頼したんだと思うよ。ここの市長昔から手を打つの早かったし・・・。」
「ふ〜ん。そうなんだ。」
そう言ってる間に無人ACとマーク、ロジャーとの戦いが始まった。
「ロジャー、空中からの援護頼むよ!」
「あいあいさぁー!空中は、任せとけって!」
二人の戦い方は、絶妙なコンビプレーで敵ACを撃破していった。しかし、なにぶん数が不利なため徐徐に押されつつあった。
「このままじゃあ・・・。どうする、ロジャー。援護を呼ぶ?」
「くっ。そうしないと間違いなく殺られる。」
「南東の方角より新たな敵増援を確認しました。ACのようです。」
「まずい、この状況でさらて敵が増えたら・・・。急いで、増援を呼ぼう!」
「わかった。こちらマーク、現在緊急の状態にあるので至急増援をよこしてください!
 ・・・だ、ダメだ。夜間部隊や、オペレーターも出ない。どうしよう・・・。」
「こちら、インフェルノ、了解した。至急援護に向かう。」
マークとロジャーは、一瞬なにが起こったのか分からなかったが、
「あ、ありがとう。インフェルノ!至急着てくれ。敵援護部隊まで来たんだ。時間がない。」
「わかっている。もうヘリは、出ているからあと5分ぐらいで到着する。それまで耐えてくれ。」
「わかった。その間は、耐えておく。それからは、頼む。」
「あわわわわ。なんかマークさんたち押されぎみじゃない?」
「うん、なんか、やばそうな雰囲気。大丈夫かなぁ・・・。」
「あ、なんか向こうからヘリが来たよ。」
「でもあれって、敵の増援じゃん!!」
「ま、まずいよ。このままじゃ絶対に負けちゃう!」
そして、マークたちの機体が大破寸前になった。そこへ追い討ちをかけるようにミサイルが飛んできた。
「も、もうだめだ!!」
バシュッバシュッ
いきなりミサイルがマークの眼前で打ち落とされた。
「???」
「待たせたな。マーク。」
「イ、インフェルノ!」
「あそこに補給車を用意してあるから使え。ロジャーも使った方がいいぞ。」
「ありがとう。助かった。補給してくる。」
「あ、あれって、インフェルノさんじゃん!そうでしょ、シャナ。」
「う、うん。」
「どんな戦い方するんだろう?じっくり見とこっと!」
そしてインフェルノが前に出て行った。
「ザコが集まりやがって・・・。」
その時横からミサイルが飛んできた。しかし、インフェルノは、何事もなかったようにそれを回避して見せた。
「す、すごい。あんな軽がるとミサイルを避けるなんて・・・。」
そう言ってる間に一機撃破していた。そして残っていた無人ACを難なく倒していった。
「つ、強い・・・。」
シャナは、知らずに口からそう言葉が出た。
マークたちが補給している間に無人ACは、撃破された。
「さすがだな、インフェルノ。」
「いや、まだ後一機残っているはずだ。増援部隊をまだ見ていない。」
「撤退したんじゃないの?レーダーにも反応がないし。」
「そうかもな。一応この市街地A-29を一周してから帰還しよう。俺は、こっちからを回るからマークたちは、向こうから回ってくれ。」
「了解!」
インフェルノたちは、一周して、何も異常がなかったので帰還した。
 
「いいデータが、取れた。にしてもあの増援機。一体何者なんだ・・・。」
昇運は、ヘリの中でそう呟いた。
作者:テロメラーゼさん