サイドストーリー

〜第12章〜目的地
−ファル・スティズ 治療室−
ファル『レイン、敵小型宇宙船を捕捉しました。コックピットまで来てください』
レイン「く〜〜…く〜〜…く〜〜…」
ファル『レイン、敵小型宇宙船を捕捉しました。コックピットまで来てください』
レイン「く〜〜…く〜〜…く〜〜…」
ファル『レイン?』
紫雷龍「寝させてやれ、緊張しっぱなしで疲れているみたいだからな」
ファル『紫雷龍、もう大丈夫なのですか?』
紫雷龍「まぁな…」
ファル『では紫雷龍、コックピットまで来てください。現状報告致します』
紫雷龍「OKすぐ行く」
スタスタスタ…シュィィン

−ファル・スティズ コックピット−
シュィィン
紫雷龍「現状報告を」
ファル「了解、現在惑星ゾグルデから3572万km離れている所を光速にて移動中、敵小型宇宙船との距離は約1000万kmです、
到着時間はこちらが少々遅れて到着する程度です」
紫雷龍「了解、現状維持。ゾグルデ到着5分前にもう一度連絡を」
ファル「了解」
紫雷龍「んじゃ俺は紫翔龍のグレードアップの状況を確認をしてくる」
ファル「了解」
スタスタスタ…シュィィン…スタスタスタ…ドサッ…
紫雷龍「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…く…!!ここまで痛みが出るとは…それに『あれ』の調子も…くそ…!!」
スタ…スタ…スタ…スタ…

−惑星ゾグルデ グローバルコーテックス本社 社長室−
社長「どうです?状況は」
社員「はっ、現在敵勢力を5分の1程度まで減らしました。しかしこちらもAC、MT共に厳しい状態にあります…」
社長「そうですか…しかし彼らが帰還するまでにはこちらも終わらせなければね…」
ピーピーピー
オペレーター『社長!!ファル・スティズから通信です!!』
社長「ここに繋いで」
オペレーター『はっ!!』
ヴォン…
紫雷龍『こちらファル・スティズ。そちらの状況は?』
社長「苦戦、といった所ね…予想以上に敵の量が多くてね…」
紫雷龍『そうですか…こちらも残念な連絡です、敵総司令官「マスター」と呼ばれていた人物に逃げられました、そちらへ向かっています』
社長「こっちに…ですか、ここに何があるというのでしょうか?」
紫雷龍『さぁ…それともう一つ…』
社長「まだあるのですか?」
紫雷龍『…フォグシャドウ、G、シルバーフォックス、レボリューション、メビウスリング以上の乗組員が全員死亡致しまし
た…』
社長「なんですって!?」
紫雷龍『生き残ったのは俺とイーグルのみです…』
社長「…そう、ですか…わかりました。帰還し次第詳しい報告を」
紫雷龍『了解』
ヴツゥン…
社長「6人も…アリーナ上位の者達が…」
社員「これではこちらの戦力の半分以上を失ったことになりますね…」
社長「…」

−40分後 ファル・スティズ コックピット−
紫雷龍「暇…だな…」
ファル「仕方ありません、ところで紫翔龍MKUの強化状態はどうでした?」
紫雷龍「まぁまぁだな…耐久性を考えて全面バリヤーを張れるようにしたが…まだ足りない気がする…」
ファル「…いつのも余裕が見えませんね」
紫雷龍「…」
ファル「なにか…隠し事がありますね。脳波が乱れていますよ」
紫雷龍「ちっ…お前にはなんでもお見通しなんだな…そうだよ…俺は今隠していることがある…」
ファル「なんですか?それは」
紫雷龍「…レインには絶対言うなよ…」
ファル「了解」
紫雷龍「…俺の…命はあともって1,2日だ…実を言うとな…弾丸を喰らったとき肺どころか心臓まで貫通していやがった…
背筋近くの肋骨に弾が当たりまた傷口の近くまで跳ね返ってきた…そのせいで気付かなかった…傷がこんなにも深いとはな…
そして奴らの治療ポッドで心臓を取り…バイタルへ変えたんだ…しかしそれでも応急処置程度…だから…俺は…」
ファル「そうですか、分かりました」
紫雷龍「…ん、すまねぇななんか暗い話しちまって」
ファル「いえ」
ビービービー!!!
紫雷龍「なんだ!?」
ファル「敵小型宇宙船見失いました」
紫雷龍「なんだと!?」

−小型宇宙船内 マスター室−
マスター「どうだ?奴らは我々を見失ったか?」
イグナス「はい、この宇宙船の特性『カモフラージュ』にて完全に」
マスター「ふふふ…奴らも気付くまい…我々の科学がここまで進歩しているとは」
イグナス「ダミー宇宙船、射出します」
ドゥゥン!!!

−ファル・スティズ コックピット−
ファル「小型宇宙船再度捕捉、ゾグルデから離れていきます」
紫雷龍「なんだと!?どういうことだ?」
ファル「どこか他の小惑星に着陸し、体制を立て直すのではないでしょうか?」
紫雷龍「…まぁいい、俺らはゾグルデへ向かう。フォグさんの家へ向かってくれ」
ファル「グローバルへ行かないのですか?」
紫雷龍「フォグさんを埋葬する…」
ファル「了解」
紫雷龍「通信を、グローバルへもう一回…」
ファル「了解、繋ぎます」

−グローバルコーテックス オペレーター室−
オペレーター「こちらグローバル、どうした?」
紫雷龍『こちらはファル・スティズ、頼み事があるのですが…』
オペレーター「なんだ?」
紫雷龍『…死亡したフォグシャドウの埋葬のため一度フォグシャドウの実家へ行きます、
家族への報告と残りの死んだレイヴン達の墓標を…頼みたいのです、遺体はフォグシャドウのみですが…お願いします』
オペレーター「…ちょっと待て」
紫雷龍『はい』
ピッ
オペレーター「社長、紫雷龍からの連絡があり一度フォグシャドウの実家へ行きフォグシャドウを埋葬したいとのことです」
社長『いいでしょう、許可致します』
オペレーター「それと、他に死んだレイヴン達の墓標も作って欲しいとのことです。遺体はフォグシャドウのしかないそうな
んですが…」
社長『…分かりました、いいでしょう作ってあげなさい』
オペレーター「ありがとうございます、社長。紫雷龍聞こえるか?」
紫雷龍『はい、聞こえます』
オペレーター「許可が下りた、到着し次第フォグシャドウの実家に向かえ」
紫雷龍『ありがとうございます!!では通信を切断します』
ヴツゥン…

−惑星ゾグルデ フォグシャドウ家−
ギュゥゥゥン…バシュゥゥゥ…
ファル「ファル・スティズ着陸システム待機モードへ移行」
レイン「了解、じゃぁ紫雷龍行ってらっしゃい」
紫雷龍『おう、てか早くここ開けてくれよ。出れねぇって』
レイン「あ、ごめん。今開ける」
ピッ…シュィィン
紫雷龍『じゃぁ行ってくるな、紫翔龍。お前の体なんだからどこをどう強化したらいいかとかわかるだろ?そこを重点的に強化していってくれ』
紫翔龍MkU『了解』

−フォグシャドウ実家内−
紫雷龍「…………………………と言う訳なんです」
シャル(フォグシャドウの弟です)「そうですか…本当にご苦労様です…」
紫雷龍「いえ…ところでご両親は?」
シャル「両親は…兄と同じ所にいます…」
紫雷龍「すみません…知らなかったとはいえとんだご無礼を…」
シャル「いえいえ」
紫雷龍「さて…と、フォグさんを埋葬しに行きましょう…」
シャル「…はい…」

−墓地−
紫雷龍「ここが…」
シャル「そうです、父と母もこの中にいます…」
紫雷龍「…うぐぉ!!」
ドサッ
シャル「どうしました!?」
紫雷龍「はぁ…はぁ…はぁ…なんでも…無い…」
シャル「なんでも無いって…顔色真っ青ですよ?」
紫雷龍「大丈夫です…持病なんですよ…」
シャル「そこまでひどい持病って一体…」
紫雷龍「まぁ…俺のことはいいですから…ほっときゃすぐ回復するんで」
シャル「…分かりました、じゃぁ始めましょうか…」
ザッザッザッザッザッザッ…スルスルスル…ストン…ザッザッザッザッザッザッ…

−フォグシャドウ実家−
シャル「紫雷龍さん、大丈夫ですか?」
紫雷龍「大丈夫ですよ」
シャル「では私はこれで…本当にありがとうございました」
紫雷龍「いえいえ、では」
タッタッタッタッタッタッタッタッ…バシュゥゥ…ギュィィィィィィ…ドゴォォォォォーーー!!

−グローバルコーテックス本社−
ギュゥゥゥン…バシュゥゥゥ…スタスタスタ…シュィィン
紫雷龍「紫雷龍帰還致しました」
オペレーター「ご苦労、社長室まで来てくれ」
紫雷龍「了解、で社長室はどこに?」
オペレーター「安心しろ、俺が案内してやるからな。迷子になることなどないぞ(笑)」
紫雷龍「う…」
オペレーター「ん?どうした?」
紫雷龍「なんでも無いッスよ〜〜だ…ちょっとすねただけですよ〜〜だ…」
オペレーター「まぁいい、では行くぞ」
スタスタスタスタスタスタ…

−グローバルコーテックス本社 社長室−
シュィィン
オペレーター「来ました」
社長「ご苦労様、下がって」
オペレーター「はっ」
シュィィン…
社長「お疲れ様です、紫雷龍」
紫雷龍「いえ、しかし社長が女性だとは…」
社長「なにか不服でもあるのですか?」
紫雷龍「あ、いえ!!ゾグルデの総指揮官みたいな人が女性なんてちょっと以外だな〜〜って」
社長「よく言われます。まぁその話は置いておいて…早速報告を」
紫雷龍「はい、レイン。データを」
レイン「はいは〜〜い、え〜〜っとまずこれから。
これはイーグルとシルバーフォックス、カノンドライブの戦闘データ、搭乗者の心理状況、ACに設置してあるカメラからの映像。
などなど色々な情報が盛りだくさんなものなのです、はい。ではこれを再生しますね〜〜」
ヴォン…
30分後
レイン「………って感じです」
社長「わかりました、少々気持ちが悪くなるモノもありましたが…」
紫雷龍「…」
社長「では話を切り替えましょう。敵総司令官、マスターと言いましたか。
それでマスターはこの惑星の『何か』を手に入れるためここへ来た。そこまではわかりました。
しかしその『何か』というのはなんでしょうか?」
紫雷龍「さぁ…フォグシャドウがマスターから聞き出そうとしていたのですが…あのような結果になってしまいまして…
イーグル曰くこの星の緑じゃないかとのことです」
社長「それにしては理由が単純すぎませんか?それに緑が欲しいだけならわざわざACでの戦闘も必要無いですし」
紫雷龍「そうなんですよ…そこがわからないんですよね…」
社長「ここには我々が知らない他の『何か』があるのでしょうね…」
紫雷龍「『何か』ってなんなんでしょう?」
社長「さぁ…」
紫雷龍「…社長俺はフォグシャドウから一度こんなことを聞いたことがあります。軌道衛星の内部に行きレーザー砲を破壊し
てこい。
というミッションで久しぶりにフォグシャドウと会い少々雑談をしていたのです。
そしてフォグシャドウはこんなこ
とを言っていました。『グローバルコーテックスは色々隠していることが多い。
別に信用するなとは言わないが俺たち一般人に隠していることがかなりあるはずだ』と」
社長「…確かにありますね…」
紫雷龍「今回のこととその隠し事、俺の考えでは関連性があると思うのです」
社長「いいでしょう…貴方には話します。しかし、これだけは約束してください。他言は一切しない。と」
紫雷龍「もし言ってしまったら?」
社長「…我々の体には細胞等で出来ています、しかし、血液中に『ナノマシン』が入っています。生まれながらにしてそれが
存在する。
その『ナノマシン』を利用し脳や心臓、人間の急所と呼ばれる部分を爆破します」
紫雷龍「…分かりました、条件を飲みましょう」
社長「ではお話致しましょう。この惑星『ゾグルデ』は人工惑星なのです。人の手により造られた、星。
そして人工惑星を造ったのが『地球』と呼ばれる人々です」
紫雷龍「それの何がいけないのですか?」
社長「これからお話します…ここでは『地球』人が『何か』を建造しそれを外殻で包み込み惑星を作り上げたのです。
『何か』と言うのはすごく強大な破壊力を持った兵器だそうです」
紫雷龍「?それをなぜ全国民に言わないのです?別にそれなら言ってもかまわないでしょう?」
社長「確かに混乱の種にならないようなことではありますが…このことを知りそれを使い世界を破滅へ導こうとする者が出たら…」
紫雷龍「そうか…それを知っても『自分には全く関係が無いからどうでもいい』という奴と
『その強力な兵器を盗り、俺がこの星の支配者になる』とか馬鹿なことを考える奴がいるってことですね?」
社長「そういうことです。ですから発表をしていないのです。
しかしグローバルコーテックスの社員でそのことを知り、同じく馬鹿な考えを起こした者達もいます」
紫雷龍「その兵器とは一体どのような攻撃方法を?」
社長「そこまでは分かりません…それどころかまだ兵器が動いているかどうかも分かりません…」
紫翔龍MkU「それならまだ動いてるだろ、紫雷龍。忘れたか?俺らの家の電力がマザーエネルギーだってこと」
紫雷龍「あぁ、覚えてる。で、それが何の関係があんだ?」
紫翔龍MkU「よく考えろよ。その電力は星の核から電力を拝借している。
ってことはその兵器に繋いでそこから電力を貰っていることになる。てことはまだ兵器には電力が残っていることから起動しているってことだ。
多分待機モードでずーっと待機してたんじゃね?」
紫雷龍「なるほどな…」
社長「誰です!?」
紫雷龍「あぁ、こいつ?こいつはフォア、俺の相棒だ」
社長「?」
紫雷龍「詳しく言うと…こいつはACだ。自立型戦闘支援タイプのAIだ。1000年前の産物だ」
社長「そんなものがどうして?」
紫雷龍「まぁ色々あってね…それでこいつのおかげで今のランクまで来れたって訳。今まで発表してなかったけどな。
あとゲイルとイーグルの機体にも精神系のプログラムは別物だけど同じ自立型戦闘支援タイプのAIが組み込まれている、
過去の戦争でこんなモノまで開発してたってわけ」
社長「…そうですか…分かりました」
紫雷龍「ま、それはいいとして俺らはそろそろ行くぜ」
社長「どこへ?」
紫雷龍「この星の核の部分にある兵器を破壊しに」
社長「分かりました」
紫雷龍「そこで、その核へ通じるルートをファル・スティズに送っておいてくんないかな?場所わかんないからさ」
社長「了解しました」
紫雷龍「んじゃ行ってくるぜぃ、またな〜〜」
スタスタスタスタスタ…シュィィン

−1時間後 ファル・スティズコックピット−
レイン「ほんとにこっちであってるの〜〜?」
ファル「グローバルコーテックスから送られてきた情報によると未開地区の巨大クレーターの中央部に入り口があるそうです」
レイン「けど未開地区って家があるところじゃん。けどなんか久々な感じ〜〜」
ファル「時間にすると56時間19分ぶりです」
レイン「大体2日かぁ…ちょっとしか立ってないのにね〜〜」
ファル「クレーターに到着」
レイン「了解っと」
ギュォォォン…
ファル「クレーター中央部上空に待機」
レイン「着陸してみよ〜〜」
ファル「了解、ファル・スティズ着陸態勢に入ります」
ギュォォォ…ズズゥゥン…
ファル「ファル・スティズエネルギー切れ」
レイン「えぇぇぇ〜〜!?なにそれ」
ファル「シールドを展開しつつ高速での移動を繰り返していたので…どうやらエネルギーの消費量が高かったようです」
レイン「エネルギーが回復するまでどれぐらいかかる?」
ファル「1時間もあれば完全に戻ります」
レイン「じゃぁ、このまま待機モードへ移行。必要ない電力は落としておいてね。私と紫雷龍は降りて何かないか調べてくるよ」
ファル「了解、エネルギーが回復し次第通信をいれます」
レイン「了解〜〜」

−未開地区 巨大クレーター中央部−
紫雷龍「な〜〜んもねぇな」
レイン「う〜〜ん…何かの機械の残骸ならあるんだけどね〜〜」
紫雷龍「それも重点的に調べてみるか。確かあのあたりだよな?」
レイン「うん、けど原型とどめてないよ?」
紫雷龍「まぁ行くだけ行こうぜ、何か分かるかも知れないし」
レイン「そだね、んじゃレッツラゴ〜〜!!」
紫雷龍「レッツラゴ〜〜って…ふる…」
レイン「いいからいいから、ほら行くよ」
紫雷龍「へいへい…」
ザクザクザクザクザクザクザク…
レイン「と〜〜ちゃく〜〜」
紫雷龍「ん〜〜、なんか情報を入手出来る残骸を見つけなきゃ。俺はあっちを見てくる」
レイン「りょ〜かいです隊長!!」
紫雷龍「なんだよ…隊長って…」
レイン「なんとな〜〜く」
紫雷龍「まぁいいや、んじゃ何か見つけたらコールで呼んでくれ」
レイン「了解!!」
ザクザクザクザクザクザクザク…
紫雷龍「ここなら…レインから…見えねぇな…はぁ…はぁ…はぁ…くそ…!!
苦しくなる周期が短くなってきたな…まぁいい…とにかく調べなきゃ…」
ザッザッザッザッザッザッザッ
紫雷龍「ん?これは…なんか書いてあんな…なんて書いてあんだ?」
『我ここに眠る、目覚めを待つ者よ。我の面前まで来たれり。暗闇の中で唯一の光が照らされる時、我への道が開くであろう』
紫雷龍「どういうことだ?っとレインにコールしなきゃな…(ピピッ)こちら紫雷龍聞こえるか?」
レイン『聞こえるよ〜〜、なんかあったの?』
紫雷龍「おう、文字だけどなちょっとこっちに来いよ」
数分後…
レイン「やっほ、で文字ってどれ?」
紫雷龍「これだ、俺にはさっぱり」
レイン「『我ここに眠る、目覚めを待つ者よ。我の面前まで来たれり。
暗闇の中で唯一の光が照らされる時、我への道が開くであろう』か…なんだ簡単じゃん」
紫雷龍「へ?」
レイン「『暗闇の中で唯一の光が照らされる時』これって夜に出る月のことだよ。
その光がこのクレーターのどこかにあるセンサーに反応して道が開くんだよ」
紫雷龍「な〜〜る、そゆことか。けどそれじゃ夜まで待たなきゃな」
レイン「そゆことだね〜〜、んじゃ帰ろっか」
紫雷龍「んだな」
ザクザクザクザクザクザクザク…

−ファル・スティズコックピット−
シュィィン
ファル「どうでした?」
紫雷龍「情報GET!!夜までひとまず待機だ」
ファル「了解」
紫雷龍「んじゃ俺寝てくる」
ファル「了解、ところで紫雷龍」
紫雷龍「ん?」
ファル「寝過ぎでは?」
紫雷龍「いいじゃんか!!寝る子は育つって言うだろ?」
ファル「もう子供という年齢では…」
紫雷龍「外見は大人!!心は少年だ!!」
ファル「…」
紫雷龍「…」
………………………………
シュィィン
レイン「やっほ〜〜。ん?どしたの?」
紫雷龍「あぁ、なんでもねぇよ。んじゃ俺は寝るから」
ファル「了解」
レイン「私も寝よっかな?なんか疲れたし…」
ファル「では適当な時間になったら起こしますので」
レイン「はいは〜〜い」

−小型宇宙船『カムフラージュ』内 マスター室−
マスター「首尾はどうだ?」
イグナス「はっ、順調であります。兵器の位置も確認致しました。ただ今そこへ通じる道を探しております」
ナリム「マスターの機体の状態も良好です。いつでも行けます」
マスター「そうか…ご苦労。下がれ」
イグナス&ナリム『はっ』
シュィィン…

−夜AM1:50 ファル・スティズ内−
ファル「レイン、紫雷龍。コックピットまで来てください。入り口が開きました」
紫雷龍「開いたか…さ〜〜てとマスターの野望ももうこれでお終いだな〜〜」
レイン「そだね、んじゃまずコックピット行かなきゃね」
紫雷龍「んじゃ行くか」
スタスタスタ…シュィィン…
数分後
シュィィン
レイン「やっほ〜〜、ファル。早速だけど入り口ってどこ?」
ファル「あそこです。丁度前方の」
紫雷龍「…ライトを付けてくれ。見えない」
ガシャンガシャンガシャンガシャン
紫雷龍「あれか…真っ暗な闇の穴」
レイン「なんか地獄への入り口みたいな雰囲気だね…」
紫雷龍「見た目で判断しない。とにかく行くぞ。レイン穴に突っ込め」
レイン「りょ〜〜かい!!」
ギュィィィィィィィィ!!!
ファル「入り口上空へ到着」
レイン「降下開始」
ギュゥゥゥゥゥ
ピーピーピー
レイン「なに!?」
紫雷龍「あぁ〜、わりい紫翔龍から連絡入ったら今の音がなるようにファルに頼んだんだ。ちょっと行ってくる」
レイン「分かった、下に着いたらコールいれるから」
紫雷龍「はいよ〜〜」
スタスタスタ…シュィィン

−AC格納庫−
紫雷龍「なんか用か?」
紫翔龍MkU「…たいした用じゃねぇ…いつもの余裕が見えないからだけど…後ろを見るな。前へ進め。それが彼らへの唯一の弔いだ」
紫雷龍「そう…だな…」
紫翔龍MkU「あと勝手にオリジナルパーツの『ニホントウ』って言ったか?あれを片手持ち出来るようにした。
両腰に付けて2刀攻撃を出来るようにした。
あとパイルバンカーのレンジを伸ばした奴を右腕に、左腕には月光を5本平行に並べたブレード。
肩には左右にリニア型グレネード2丁、違反だがその上グレネードの下にKARASAWAを4丁、
エクステンションにはACの機動能力を封じるための連動ミサイル。こいつはグレネードを撃った時に連動してミサイルを撃つように調節してある。
インサイドは無しだ。コレでも重量超過では無いんだぜ」
紫雷龍「OK」
紫翔龍MkU「ふふん、ざっとこんなもんよ」
紫雷龍「うし!!俺も気合い入れなきゃな!!やるぞ〜〜!!!」
紫翔龍MkU「おぉぉ〜〜!!!」
紫雷龍「うし!!コックピットまでダッシュだ!!」
紫翔龍MkU「あ、おい!!待て待て!!そんなスピード出して行ったら自動ドアが開けきる前に…」
ゴン!!
紫雷龍「いってぇぇ〜〜!!!」
紫翔龍MkU「だから言ったのに…」
レイン『紫雷龍〜〜下に着いたよ〜〜』
紫雷龍「ててて…了解…すぐ行く…んじゃ」
紫翔龍MkU「おう!!」
タッタッタッタッタッタッタッタッタッゴン
紫雷龍「いってぇぇ〜〜〜!!!」
紫翔龍MkU「…あいつには学習っていう言葉を知らないのかね…?」

−ファル・スティズ コックピット−
シュィィン
紫雷龍「おまた〜〜」
レイン「遅い!!」
ガスッ
紫雷龍「いってぇぇ〜〜〜!!!!なにすんだレイン!!」
レイン「罰!!」
紫雷龍「なんでやねん!!」
レイン「意味が通ってないよ!!」
紫雷龍「あぁ〜〜もうどうでもいい!!とにかく進もう!!」
レイン「はいはい…んじゃ行くよ」
ギュィィィィィィィィ!!!!

−カムフラージュ マスター室−
ナリム「敵が核への道へ侵入、移動しています」
マスター「よし、では1万kmほど進んだら攻撃開始」
イグナス「了解しました」

−ファル・スティズ コックピット−
レイン「な〜〜んにもないね…」
紫雷龍「ただの…真っ平らな天井、壁…さすがにここまで同じだとなぁ…」
ファル「レーダーにはなにも映っていません」
紫雷龍「俺ちょっと紫翔龍とACの調整してくるわ」
レイン「はいは〜い」
紫雷龍「レイン、なにかあったらコール入れろよ」
シュィィン…

−ファル・スティズ ACアリーナ−
紫翔龍MkU「よう、遅かったな」
紫雷龍「ん、ちょっとお前の調子を確認したかったんでな」
紫翔龍MkU「そうか、まぁいいや。はよ乗れ」
紫雷龍「おう」
ドウッ!!スタッ
紫雷龍「ん〜〜、すげぇ脚力だな。簡単に上れた。さすがは激レアパーツ」
紫翔龍MkU「…この高さを普通跳んで上るか…おぃ…」
紫雷龍「まぁまぁ、フォグさんの形見のおかげだからな。ま、それはいいとして今回の機体の操作説明をしてくれ。色々増えたんだろ?」
紫翔龍MkU「あぁ、結構な。基本操作は同じだけどウェポンの使い方が変わる。
特殊な付け方をしているKARASAWA4丁、コア内部に付けてあるエクステンションの使用方法。この2個は今までとは全く別の操作を必要とする」
紫雷龍「ふ〜〜ん…」
紫翔龍MkU「あと『グラビティ・コントロール』と『ネオリミットジャンクション』も別操作だ」
紫雷龍「OK、あと追加エネルギータンクを軽い素材で作ってくれ。装甲は弱くてもいいからな。なるべく軽くな」
紫翔龍MkU「ほいほい、んじゃ早速作っとく」
紫雷龍「よろしくな〜〜」
ヒュォッダン!!
紫雷龍「んじゃな〜〜」
タッタッタッタッタッタッタッ…
紫翔龍MkU「…あの高さを普通跳ぶかね…」

−ファル・スティズコックピット−
シュィィン
紫雷龍「なんか変化あったか?」
レイン「な〜〜んにも」
紫雷龍「了解」
レイン「紫翔龍の調子は?」
紫雷龍「上々、違反的なぐらいすごいぞ」
レイン「へぇ〜〜、アリーナってなんか御法度のようなモノあったんだ」
紫雷龍「一応な、武器の最大積載数やらオリジナルのパーツを作ったらグローバルに申請書を提出しろやら…色々あんのよ」
レイン「グローバルに申請書って出してた?」
紫雷龍「ん?んなもんグローバルのメインコンピューターにハックしてちょちょい、とな」
レイン「えぇ〜〜いけないじゃん、ばれたらレイヴンの仕事無くなるよ〜〜?」
紫雷龍「ダイジョブだっつ〜の」
ファル「お話の所失礼します、後方より熱源接近。マスターの宇宙船のようです」
紫雷龍「なんだと!?レイン!!ここ狭いんだから狙いやすいだろ?集中砲火だ!!」
レイン「了解!!ファル・スティズ後部全砲門スタンバイ!!目標敵宇宙船!!」
紫雷龍「撃て〜〜!!!!!」
バシュゥゥゥゥ!!!バシュゥゥゥゥ!!!ドゥン!!ドゥン!!ドゥン!!ガガガガガガガガガ!!!
紫雷龍「当たったか?」
レイン「わかんない…時期が乱れて敵が捕捉出来ない…」
ヒュォッ…ドゴォォン!!!
レイン「きゃっ!!」
ファル「中央部の上層部大破」
紫雷龍「ちっ!!きついのもらっちまったな!!」
ガガッ…ビー
マスター『ふふふ…どうかな?我が主砲の威力は』
紫雷龍「!!マスター!!こんにゃろ!!」
マスター『おっと、お前の相手はこいつらだ』
イグナス『カランバリス隊、大総統イグナスだ』
ナリム『同じくカランバリス隊、総司令官ナリム』
紫雷龍「あんま俺らをなめんなよな…紫翔龍、出撃準備!!レイン先に行っててくれ!!」
レイン「え?でも…」
紫雷龍「俺なら大丈夫だ、行け」
レイン「でも…」
紫雷龍「いいから行け!!」
レイン「…!分かった、行くよ。けど約束。絶対死んじゃダメだよ!!約束だからね!!」
紫雷龍「…おぅ」
紫翔龍MkU『出撃準備OK!!いつでも行ける!!』
紫雷龍「了解!!すぐ向かう!!」
ダダダダダダダダダダ!!!

−ファル・スティズ AC格納庫−
紫翔龍MkU「早く!!」
紫雷龍「分かってる!!」
ドゥッ!!スタッ…シュィィン
紫雷龍「スタンバイ完了!!行くぞ!!」
紫翔龍MkU「おう!!」
ギュィィ…ドゴォォォォォォォ!!!!!
紫雷龍「ぐぉ…!!オーバーブースト…強烈じゃ…ない…か?」
紫翔龍MkU「ブースト能力を上げた!!音速まで行けるぞ!!」
紫雷龍「少しは…おれのこと…考えろ!!」
ドゴォォォ!!!

−中枢 通路内−
ギュォォン…
紫雷龍「はぁ…はぁ…はぁ…きつかった…」
紫翔龍MkU「わりぃ、お前のこと考えずに強化しちった」
紫雷龍「『グラビティ・コントロール』で音速出せるだろ!!」
紫翔龍MkU「…あ」
紫雷龍「あ、じゃねぇ!!この馬鹿!!!」
紫翔龍MkU「あ!!」
紫雷龍「あ、しか言えねぇのか!!固羅!!」
ビュォ!!ドゴォォン!!
紫雷龍「な、なんだ?」
紫翔龍MkU「馬鹿!!敵のことすぐ忘れやがって!!来ぞ!!」
紫雷龍「わりぃな、お前らと戦ってる暇なんてないんでな…発動!!『グラビティ・コントロール』!!1000G!!」
イグナス『ぐぉぁ!!!』
ナリム『なに!?これは!!』
紫雷龍「重力変化だ!!わりぃが…死んでもらう…重力UP!!10000G!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!ズォンズォンズォンズォン!!!!
イグナス『ぐぁぁぁぁぁ!!!!!』
ナリム『くっ!!うぅぅぁぁぁぁぁ!!!!』
ドゴォドゴォ!!!
紫雷龍「やべ!!ブラックホール出来ちった」
紫翔龍MkU「早く解除しろ!!」
紫雷龍「分かってる!!」
ズォンズォンズォン…シュゥゥゥ…
紫雷龍「あぶねぇ…間一髪だな…」
紫翔龍MkU「もっと頭使え!!この馬鹿!!」
紫雷龍「うるせ〜〜!!先に進むぞ!!」
ヒュィィィィ…ビュォォォォォォ!!!!!
紫雷龍「今度は『グラビティ・コントロール』での音速突破だ!!衝撃が無くなるようにしたから快適だ」
ビュォォォォォォ!!!!

−同時刻 ファル・スティズコックピット−
レイン「どう!?」
ファル「敵との距離離れています」
レイン「よかった…」
ピーピー
紫雷龍『こちら紫雷龍聞こえるか?』
レイン「聞こえるよ!!」
紫雷龍『イグナスとナリムって奴らは殺した、今そっちに向かっているから』
レイン「了解!!」
紫雷龍『んじゃな!!』
ブツゥン…
レイン「倒すの早いな〜〜、弱かったのかな?」
ファル「レイン、前方に開けた空間があります」
レイン「この星の中枢?」
ファル「そのようです」
レイン「んじゃ、マスターとかいう人とやり合いますか!!」
ファル「了解、ファル・スティズ戦闘モード機動」
レイン「行くよ!!ファル!!」

−続く−



朱雀です、いやぁ〜〜この頃ご無沙汰でした…
次回、最終章です。さぁ、作者本人まだ最終章の内容を決めてないんで…ちょっと長くなりそうです…
作者:朱雀さん