THE FINAL CHAPTER 〜DELETE&REVIVAL〜
−惑星イゾルデ 中枢−
レイン「全砲門解放!!出力MAX!!照準通路全域!!」
ファル「了解」
レイン「発射!!!」
バシュゥゥン!!!バシュゥゥン!!!ドゥンドゥンドゥン!
!!ドドドドドドドドドド!!!!!
レイン「これで少しは当たるでしょ…シールドに何十発も弾丸ぶちこんだからね」
マスター「ふふふ…効かんな…」
レイン「げぇ…マジでぇ?」
マスター「では…こちらから行くとしよう…」
バシュゥゥ!!!…ドゥゥン…
レイン「なんの音?弾が飛んでくる訳じゃないのに…」
シュィィィ…ドゥン!!!ドォォン!!
レイン「きゃっ!!なに!?」
ファル「AC反応、下です」
マスター『ふふふ…どうだね?我が機体は』
レイン「うわぁ…デコデコのゴツゴツだ…」
マスター『…意味が理解出来ん…まぁいい。ここで死んでもらおうか…』
ドゥンドゥン!!!ガガン!!
レイン「まだシールドがもつね、なんとか紫雷龍達が来るまで持ちこたえて!!」
ピタッ
マスター『紫雷龍?あの小僧のことか?』
レイン「そうだぃ!!」
マスター『奴は命のタイムリミットが迫っているぞ。保ってあと1時間程度…』
レイン「へ〜んだ!!あんたになんか紫雷龍はやられないよ〜〜だ!!」
マスター『私が殺すのなら30分もかからぬと言うぞ。奴は今心臓が無い』
レイン「…あんた頭おかしいんじゃない?心臓無かったら死んじゃうじゃん」
マスター『バイタルだ…緊急時用のな…故に永久に保つというものではないのだよ。仮の心臓、電力は数日分しかチャージしていない』
レイン「…嘘だ…」
マスター『嘘ではない、事実だ』
レイン「嘘よ…だって…約束…したもん…」
マスター『どうやら知らされていなかったようだな…』
レイン「ファルは…知ってた?」
ファル「…はい、口止めされていましたが…」
レイン「…うぅ…知らなかったの…私だけ?私だけなの?」
ファル「知っている人の方が少ないはずです」
レイン「…なんで…私には言わないのよ…何で!?」
ピーピー
紫雷龍『こちら紫雷龍、聞こえるか?』
レイン「ガイス…ねぇ…ガイスの命があとわずかだってこと…
ほんと?嘘だよね?」
紫雷龍『……………』
レイン「何で黙ってるの!?ねぇ!!」
紫雷龍『これはどうにも出来ない…仕方が無いんだ…だから…お前を悲しませないよう…黙っていたんだ…』
レイン「そんなの…いやだよ…ガイス…」
紫雷龍『仕方がないんだ…レイン、人間は誰だっていずれ死ぬ。それが遅いか早いかの違いだよ…』
レイン「そんな…理屈はどうでもいいの!!」
紫雷龍『俺のことはもういい、決まってしまったことだ。もう後戻りもやめることも出来ない。
だからこの命がある限り、俺は戦う。兄貴もそう思うだろ?」
ゲイル『あぁ…』
レイン「ゲイル!?なんでここに…」
ゲイル『マスターを追うのなら自然と会ってしまうのも道理だ』
レイン「そっか…てことは他のメンバーも?」
ゲイル『あぁ、エース、BB、ロイヤルミスト、イーグル、その他多数だ』
ゼロ『その他多数とはひどい言いようじゃのう、ゲイル』
ゲイル『呼び方などどうでもよかろう、ゼロ』
レイン「ゼロって元アリーナA-2のゼロさん!?」
ゼロ『いかにも、儂だ』
ゲイル『まぁ、今そんな話をしている暇は無かろう、始めるぞ』
シャドウアサシン部隊一同『了解』
ゲイル『行くぞ、マスター!!』
マスター『前置きが長いな…まぁよい』
ドゴォン!!ドゴォン!!!
レイン「…ガイス〜〜」
紫雷龍『ん?』
レイン「あんた…戻ってきたら…ぶん殴る!!!」
紫雷龍『何故!?』
レイン「そういう気分なの!!」
紫雷龍『…なんだかな〜〜…まぁいいや通信を切断する』
ブツゥン…
ゲイル『攻めろ!!攻めて攻めて奴の隙を作るのだ!!』
ドドドドドド!!!!ドンドンドンドンドンドン!!!!
−中枢への通路内−
紫雷龍「ぐぅぉ…ぁ…」
紫翔龍MkU「大丈夫か!?」
紫雷龍「大丈夫なわけ…ある…か…形見の…痛みと…不定心拍数…で…呼吸…が…」
紫翔龍MkU「まだ死ぬな!!まだやり残していることがあるだろう!!」
紫雷龍「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…ったりめぇだ…まだ…死ねねぇ…んだよ…ぐぅ…!!」
紫翔龍MkU「!!着いた!!中枢だ!!」
紫雷龍「OK…んじゃ…このまま…マスターの機体の真横を通過してくれ…」
紫翔龍MkU「は?なんで?」
紫雷龍「いいから…」
−中枢−
ビービービー
ゲイル「ガルラ、何事だ?」
ガルラ「すげぇ速度でこっちに向かってくるACがある。音速は出ている。まぁ多分フォアの奴だろうけどな」
ピーピー
紫雷龍『兄貴、聞こえるか?』
ゲイル「聞こえる」
紫雷龍『今すぐシャドウアサシンの奴らをマスターから遠ざけてくれ…ソニックブームで攻撃する…』
ゲイル「なるほど…いいだろう…全機攻撃中止!!マスターと距離を取れ!!」
ガルラ「来る!!」
ギュォォォォ!!!!!グォォン!!!ドゴォォン!!!
マスター「ぐぉ!!これは!?」
紫雷龍「知ってるか?圧縮された空気は刃とかす。それをぶつけられたんだ、ただじゃすむまい…」
マスター「く…!!シールドが完全に破壊された…AC自体にもダメージが」
紫雷龍「おいおい、まだ死んでもらっちゃ困るぜ。まだこの機体の一部の能力しか使ってねぇんだぜ?」
チャキチャキッ
紫雷龍「まずは『ニホントウ』からだ…」
ビュオッ!!ザンザン!!ドドン…
マスター「ぐぉ!!く!!腕が…!!」
紫雷龍「おいおい…装甲弱すぎじゃねぇのか?まぁいい…コレで終いだ…SHOULDER PARTS ALL SHOTモード起動、目標マスター。
エネルギーチャージ開始…」
ギュィィィ…
マスター「(私が負けるのか?私が?この私が?否!!『これ』を使えば…!!)」
シュィィ…ガン!!
コンピューター『システム起動…待機モードから戦闘モードへ移行…A.B.A起動…エネルギー充電開始』
マスター「ふふふ…間に合った…これで貴様らも終わりだ!!」
紫雷龍「紫翔龍MkU、撃て!!」
紫翔龍MkU「了解!!!」
ズドォォォォン!!!!!!ドゴォォォン!!!
マスター「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ドゴォォン!!!
紫雷龍「ふぅ…終わった…兄貴…あれ止めてくれ…」
ゲイル「…無理だ…」
紫雷龍「は?なに言ってんだよ」
ゲイル「あれは…一度起動したら止められん…破壊しない限り無理だ」
紫雷龍「そうか…まぁいい、紫翔龍。もういっちょだ」
紫翔龍MkU「OK、起動!!」
ギュィィィ…
紫翔龍MkU「OK、撃つぞ!!」
紫雷龍「撃て!!!」
ズドォォォォン!!!!!!ドゴォォォン!!!!
紫雷龍「これでOKだろ…」
ゲイル「…どうやら駄目のようだ…外殻に少々傷がついたが…」
紫雷龍「…紫翔龍ちょっと『ニホントウ』1本置いてファル・スティズに戻るぞ」
紫翔龍MkU「分かった」
ズドン
紫雷龍「兄貴達も乗れ」
ゲイル「ガイス、お前は何をしようとしている?」
紫雷龍「あれの破壊、ただし俺ひとりでな」
シュィィィ
−ファル・スティズ AC格納庫−
シュィィ…ドゴォン…シュィィ…ヒュッダン!!
紫雷龍「さてと…出来れば使いたくなかったんだがな…仕方ないな…」
紫翔龍MkU「おい、それってフォグシャドウの機体だろ?」
紫雷龍「あぁ…フォグさんのだ。しかしこれはもうフォグさん使用の機体じゃない、核搭載の自爆用のACだ」
紫翔龍MkU「は?」
紫雷龍「もう俺の命なんて残りわずか…それならこの命、ただ死を待つのでは無く、意味のある死を」
紫翔龍MkU「…なぜ俺に付けないんだ?俺に付ければ俺がACを操りあそこで自爆することも出来るぞ!?」
紫雷龍「あのな〜〜、お前はまだ生きれるだろ?まぁ寿命なんかあるのかしらんけど…
未来がある奴が死ぬより未来が無い奴が死んだ方がいいだろ?どちらにしろ俺はあと少しでなんにもしないでも死ぬ。
それなら別に死にに行ったってかわらんだろ?」
紫翔龍MkU「…どうしてもか?」
紫雷龍「…あぁ…」
紫翔龍MkU「わかった…俺はもうお前を止めねぇよ…相棒」
紫雷龍「じゃぁな、フォア。達者でな…」
ギュィィ…ドゴォォ!!!
−中枢−
紫雷龍「よっと」
ズポ
紫雷龍「よし、じゃぁこの『ニホントウ』でここの壁を壊してっと…」
ビュォッ!!ドォォン!!
紫雷龍「よし…じゃぁ壊すかな…こういうもんは内部からの爆発に弱いもんなんだよな〜〜」
ピーピー
紫雷龍「レインか?」
レイン『うん…』
紫雷龍「早く行け、爆発に巻き込まれるぞ」
レイン『ガイス、核をセットしてから逃げてタイマーで爆発させるってことは駄目なの?』
紫雷龍「…もうこの『兵器』が起動するまで時間が無い…早く行け…」
レイン『ガイス!!一緒に逃げようよ!!逃げれればまた一緒に…』
紫雷龍「レイン無理なんだ…この『兵器』は自爆型だ。円形の爆発を起こす。
しかもその円の半径は…この星はおろか、他の星まで巻き込むぐらいの威力がある…逃げ切れない」
レイン『ガイス…』
紫雷龍「行け…」
レイン『いや…』
紫雷龍「行けって言ってんだ!!!行け!!!!」
レイン『…分かった…じゃぁね…ガイス…』
ギュィィィィィィ…ドゴォォォォォォ!!!!!!
紫雷龍「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…もう…限界だな…俺も…バイタルも…まぁ…いい…コレを起爆させよう…」
ピピッ…ピー、ピーピーピーピードゴォォォ!!!!!
紫雷龍「(じゃぁな…みんな…今まで…ありがとな…)」
−ファル・スティズ コックピット−
ファル「中枢で核爆発を確認」
レイン「急いで出なきゃ!!ファル・スティズが壊れてもいい!!ブーストの出力を最大に!!」
ファル「了解」
ギュィィィィィイイイイイイイ!!!!!!!!ブワァ!!!
レイン「出た!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!!
レイン「離脱!!急いで!!!」
ドゴォォォォ!!!!!
1時間後
レイン「どうファル?動けそう?」
ファル「現段階では無理です。反重力装置と推進用のブースターが壊れてしまったので」
レイン「分かった」
シュィィン…
ゲイル「お疲れ様…」
レイン「…」
ゲイル「ガイスのことはしょうがない…あいつが決めたことだ…」
レイン「…」
ゲイル「…レイン、受け入れられないのは分かる。俺だって受け入れたくないさ…自分の…弟が死んだなんて…思いたくもない…」
レイン「…分かってる…分かってるけど…うぅ…」
ゲイル「…レイン、ガイスから伝言を預かっている…」
レイン「!!」
ゲイル「これだ…」
ピッ
ガイス『よぅレイン、こんな形で最後の言葉を伝えるのも何だけど…まぁ、気にしねぇでくれ。
ほんと俺みたいな馬鹿に今までついてきてくれてありがとな…伝えたいことはたくさんある、けど…伝えきれない…
だけどこれだけは伝えようと思う…レイン、俺はレインのことが好きだ…前々から言おうとは思ってたんだけど…色々あったからな…
まぁ、伝えたいことは以上だ。それじゃ達者でな。レイン、俺は一足先に逝かせてもらうな…』
ブツゥン…
レイン「ガイス…私も…ガイスのこと、好きだよ…けど…こんな形でお別れっていうのはつらいよ…」
ゲイル「レイン…」
レイン「…けど、いつまでもウジウジしてられないよね…」
−1年後 グローバルコーテックス本社−
オペレーター「ではこれでよろしいので?」
レイン「うん!!これで決定!!」
オペレーター「ではレイン、貴方をただ今から正式にレイヴンとして登録致します。
レイヴン名『レイン』、登録AC名『フォアMkU』でよろしいでしょうか?」
レイン「オッケー!!!」
オペレーター「では、登録します」
−さらに1ヶ月後…−
レイン「(ガイス、見てる?私オペレーターやめてレイヴンになったよ。ガイスと同じ道を通ってみよう。
そう思ったから…理由は単純かもしれないけど…けどマジだよ。これから…ガイスと共に戦ってきた相棒『フォア』と一緒にね…)」
フォアMkU「んじゃ行こうぜ!!レイン!!」
レイン「りょ〜かい!!相棒!!」
フォアMkU「お、言うねぇ!!んじゃ、ゲイルを倒しに行くか!!」
レイン「勝ったるぞ〜〜!!!」
解説者『さぁ本日の最終アリーナ!!Aランクトップのゲイルに挑むは1ヶ月前にレイヴンになったばかりの新人だ!!
しかしなめちゃぁいけないよ!!その強さはAランクに匹敵する!!だからこそこんなにも早くAランクまで来れたのだ!!
お〜〜っと前置きが長くなってしまったな!!ではAC入場だ!!A-1の座に君臨するゲイルの登場だ〜〜〜!!!』
ゲイル「レインか、例えお前でも手加減せんぞ!!」
解説者『さぁそしてアリーナトップに挑むレイヴンは…レインだ〜〜!!!」
レイン「よし!!ゲイル〜〜、そのトップの座から引きずり落としちゃうからね〜〜!!!」
解説者『ではACアリーナバトル開始だ!!!」
READY…GO!!!!
レイン「行くよ!!!」
ゲイル「来い!!!」
−END−
作者:朱雀さん