第二章 第十話 アリーナ・アリーナ
ドルミカムとツワイスロンの戦いが始まる時が迫ってきた。それぞれのチームは、すでに機体に乗り込み準備を整えていた。
「いやぁ、なんか緊張するなぁ。俺たちが初めての戦いだろ?」
「そうだけど実質普通のアリーナと変わんないよ。そうだろ?オメガ。」
「そうかなぁ。チームバトルって感じで戦いがいつもよりシビアになると思うけど・・・。」
「まぁいつも通り戦えば問題ないだろ。それともなんか策ある?サカタインダストリィー。」
「いや、なんにもないさ。今日は、模擬戦だし。気楽に行こうぜ、気楽に。」
「今日のこの戦いは、どのようなものなのかというのを観客等にわかってもらうための戦いだ。
だが、中途半端な戦いじゃあ面白くない。一応相手もAA−2だから気を抜かずに真剣にやろう。」
「了解、インフェルノ。」
「対戦時刻になりました。両チームは、出撃準備に入ってください。出撃準備が整った後カウントを開始します。
・・・・・・・・・・・。両チーム出撃準備完了。カウント開始します。10秒前。9!8!7!6!5!4!3!2!1!スタートォー!!」
「チーム、ドルミカム出る!!」
「チーム、ツワイスロン出る!!」
両チームが出撃したとたん会場は、盛り上がった。今回のステージは、最大級のドームである。高さから奥行きまでかなりの距離がある。
「よし!早速攻めよう!!」
「おう!」
ツワイスロンは、一斉に前に出て行った。楚良は、軽量機体。サカタインダストリィ−は、タンク。
オルテガは、重量ニ脚。オメガも、重量ニ脚。エクレールは、中量二脚とバランスの取れたチーム編成である。一方ドルミカムは、
「じゃあ行ってくるぜ、インフェルノ。」
「ああ。よろしく頼む。」
なんとインフェルノがスタート地点で留まって他の4機が前に出てきた。
「あいつら余裕ってか?4機で俺たちの相手は十分ってことかよ!!なめられたもんだぜ。」
「そう言うなってオメガ。あっちの作戦だろ?よくわかんないけどさ。」
ちょうど中央で激しいバトルが繰り広げられた。
ツワイスロンは、サカタインダストリィーがチェインガンをばら撒き、その間にオルテガ、オメガがカラサワを射出。
楚良、エクレールは、接近して攻撃を行った。しかしそれを難なく回避しているのはシリウスである。
ギリギリの距離で弾をかわし必要最小限のダメージで押さえつつ攻撃を加えているのである。
ガンナー、イオは、中距離から射撃を行い、ナタラージャは、一気にサカタインダストリィーを潰すために、一斉放射を行っている。
「っく。まずい。タンクだからといってこれだけの種類の攻撃が一気に来ると・・・。」
「楚良!サカタインダストリィーの援護に回ってくれ!」
「了解。」
「っく。このー!!」 バシューン バシューン バシューン
「このままじゃ・・・。」 タタタタタタタタタタタタタ
徐徐にツワイスロンが押されてきていた。
「俺がインフェルノに攻撃を仕掛けてくる!!」
オメガがそう言ってインフェルノに近づいて行った。しかし、
「そうは、させるか!」
ガンナーが精密射撃で遠距離から攻撃を仕掛けてきた。
「っち!!」
「っち、チャージング・・・。楚良、離脱する。」
楚良が戦闘不能になった。
「ここでの戦力低下は、痛いな・・・。しかし、無いものねだりしてもしょうがない。
ここは、俺が道を開くからエクレール、サカタインダストリィーは、一気にインフェルノとの間合いを詰めて攻撃を仕掛けてくれ!」
「わかった!」
「邪魔だぁー!!!」 バシューン バシュ バシュ
エクレールがインフェルノ攻撃を仕掛けた。しかしインフェルノは、当然のように回避した。
「さて、遊びはここまでだ。もう十分楽しめただろう?悪いけどここで終わりにしよう。」
インフェルノは、そう言うと近距離なのに精密にライフルを撃ってきていた。
戦いのバラエティが豊富で、エクレールは、苦戦を強いられていた。そこに後ろからイオがカラサワをぶっ放してき、一気に撃破されていった。
「残り、3機・・・。」
そしてあっという間にツワイスロンは、全滅した。
「チーム、ドルミカムの勝利!!」
「あ〜あ。やっぱAA−1には、勝てないか・・・。」
「まぁ気を落とさずに次頑張ろうぜ!!」
「これでアリーナ・アリーナの模擬戦闘を終了します。」
「インフェルノ。どうしたんだ?戦闘の時に急におまえたちで戦ってくれって・・・。」
「いや、今日は、ちょっとした周期でな。」
「周期?なんの周期だよ。」
「いや、まぁ気にすんなって。じゃあな。」
「お、おい!インフェルノ!!」
インフェルノは、シリウスの呼びかけを無視して部屋に戻った。
「まさか、こんなに強くリンクするとは・・・。このままじゃ1年前と一緒になっちまうかもな・・・。」
「インフェルノ。あまり無茶をされては、困ります。これからの戦いがあるというのに・・・。」
「サクラか。・・・そうだな。いい加減自分の力を制御出来るようにしないとな。」
「でもあのリンクは、あなたの身体への負担がゴットフート並に掛かります。
長期間のリンクは、危険です。たとえリンクしている状態が本当の貴方だとしても・・・。」
「調べたのか。さすがは、俺のオペレーターだな。だがこのことは、一切喋るな。無用な心配をされたくない。」
「わかりました。仰せのままに・・・。」
作者:テロメラーゼさん
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