１．

強いて言うなら、＜頂上決戦＞という言葉が似合うか……。
薄暗く、まこと冷ややかな雷雨が降りしきる、とある郊外で、二対の巨人が交錯している。
それは、アーマード･コアと呼称される、戦闘を前提に考慮された汎用型戦闘兵器だ。
一機は、脚部がタンクのACで、全身を灰色の塗装を施し、両肩には一門の大型粒子砲＜リニアキャノン＞、
右腕・左腕には、リロード時間を縮めた弐門式榴弾砲、インサイドにはナパームロケットを装備、肩側面部補助装置
――エクステンションにはエネルギーパックを装備している。要となるコアはハンガーユニット搭載のオーバードブーストタイプのコアだ。
見たところ、ＡＣと言うよりは砲台の様だ。それも高速移動できる砲台だ。
象徴となるエンブレムには、＜ trial−fortress/001　＞という二文字しか書かれていない。
もう一機は、同じ中量二脚型で、オーバードブーストタイプのコア。
全身を黒、紅色、白、とメリハリのある塗装を施し、右肩に携行型リニアガン、左肩に最速の弾丸と名高いレールガンを装備し、
右腕のメインウェポンには持久力の高いマシンガンと、左腕には、補助的な、威力は低いが長距離射程のレーザーブレードを装備している。
象徴となるエンブレムは、漆黒の十字架と対角線上に交錯する剣が、純白を背景にして描かれていた……。

――Black Savior――

知る人ぞ知る、名を、そういった。
黒いＡＣは跳躍し、背中から光の翼を生やし、廃ビルの隙間を縫う様にして高速移動する。その動きは、正に華麗であった。
灰色のＡＣは、レーダーとＦＣＳロックオンサイトで巧みに捕捉し、リニアキャノンを発射。
蒼白い超高温の光の軌跡は、廃ビルをブチ壊していくというより、簡単に蒸発させていく。黒いＡＣに肉迫する。
しかし、黒いＡＣはコンマ数秒の差で急上昇し、ソレを難なく避け、リニアガンをすかさず構え、弾丸を降らしながら下降する。
場所が場所である為か、灰色のＡＣは、素早く身動きがとれない。かと言って、そんな攻撃で崩されるほど軟弱ではない。
黒いＡＣのパイロットにも、それは十分解っていた。黒いＡＣは、地に足を着けた途端、またフルスピードで高速移動を始めた。
リニアガンを撃ちながら、灰色のＡＣに迫る。弾丸が直撃し、リニアキャノンの砲身は半ばで折れ、使用不可能にさせた。
至近距離に詰めた途端に、黒いＡＣは左腕を薙ぎ払った。紅色の光剣が無造作にコアを斬る。
しかし、分厚い装甲の前で、それは掠り傷しか作れなかった。だが、黒いＡＣは、そのままマシンガンを連射する。
コアを撃ち続け、撃ち続ける……。
――一体何発撃ち続けただろうか……。次第に装甲は剥がれ、内部の機構が顔をだし、紅色が一閃。レーザーブレードは、コアを切断した。
鬱陶しい程に火花を咲かせ、だが爆発はしない。灰色のＡＣは、その場で機能を停止させていく。
プログラムに支障をきたしたのか、全身に施した武装を一気に解除した。
黒いＡＣのレーダーから、ＡＣを表す反応が消えた。
デリート完了だ。
黒いＡＣは踵を返し、何も言わずブースターを吹かして去っていった。



２．

……とあるマンションの一室、茶髪の青年は、椅子に凭れながら、烈々となぞられた文字を読み上げていく。
「CrestIndustrial unknown fact disclosure……」
青年は、そこで新聞を放った。新聞は、小さなガラステーブル当たって、情けなく床に落ちた。
青年は、一息吐くと、目を瞑り、眠りに耽っていった。なんともまぁ脱力した、やる気のない姿勢だ。
だが、そんな彼でも一応は、“レイヴン”のはしくれだ。
名を、クロヴィスという。



[Postscript]
しんみりと、ゆったり書けていけたら良いなぁ、と思っています。媒体としているのは、＜ARMORED CORE NEXUS＞です。
ですが、出来るだけオリジナルでやっていきたいと思っていますので、社名やパーツなど、多々違う箇所があります。
“いきなり”オリジナルパーツが出ていますが、某機動戦士の設定をモチーフにしたりはしませんし、
アーマード・コアの世界観を崩したりはしないので、絶対に。オリジナルにしろ、美点・欠点を十分に考慮していきたいと思っております
（たぶん主役の敵側かＭＴが装備すると思います）。


[今週の機体]

＜ trial−fortress/001　＞
頭部：H10-CICADA2（0/0/0/0/0）
コア：C04-ATLAS（0/0/0/0/0）
腕部：CR-A80S3（0/0/0/0/0）
脚部：CR-LHT92（0/0/0/0/0）
ブースター：No Equip（0/0/0）
ジェネレータ：CR-G84P（0/0/0）
ラジエータ：ANANDA（0/0/0）
ＦＣＳ：MF02-VOLUTE
インサイド：No Equip
エクステンション：JIREN
右肩武装：CR-WBW98LX
左肩武装：CR-WBW98LX
右手武装：CR-WR84HNR
左手武装：CR-WL88HNR
右手格納：No Equip
左手格納：No Equip

オプション：
　O01-ANIMO
　CR-O69ES
　CR-O69SS
　CR-O79L+
　O03-CODON
　MARISHI

ASMコード：
　&NC00050001w003c0000010060087841j60ea0w#

※両腕がロケットですが、ストーリー上は小型榴弾砲になっております。


＜漆黒色のＡＣ＞
頭部：H11-QUEEN（0/0/0/0/10）
コア：CR-C840/UL（0/0/5/5/0）
腕部：CR-A80S3（0/0/5/5/0）
脚部：LH04-DINGO（0/0/5/5/0）
ブースター：CR-B83TP（4/6/0）
ジェネレータ：CR-G91（0/10/0）
ラジエータ：ANANDA（0/10/0）
ＦＣＳ：MF04-COWRY
インサイド：I05D-MEDUSA
エクステンション：No Equip
右肩武装：CR-WB91LGL
左肩武装：No Equip
右手武装：WR07M-PIXIE3
左手武装：WL14LB-ELF2
右手格納：No Equip
左手格納：No Equip

オプション：
　O01-ANIMO
　CR-O69ES
　CR-O69SS
　CR-O79L+
　O03-CODON
　CR-O86R+
　MARISHI
　KANGI

ASMコード：
　&NG005a05k1w1l0g0lgl61gE62wto4w0Cc0ea1E#

※両者共々、強化人間機体です、はい……。チューニングに至っては適当です、はい……。