これが、アリーナか・・・。

目の前で煙を出しながら崩れ落ちるＡＣを見て、そう思った。

アリーナも所詮、『ごっこ』でしかなかった。
小さい頃にやった、色々な遊びの一つ。

それがただ、
『少し』大きくなっただけ。
『少し』痛くなっただけ。
『少し』揺れるようになっただけ。
全てが『少し』リアルになっただけだった。


これが、アリーナか・・・。

こんなものか、と思った。


どうやら、もっと高いランクに行けばもっと強いやつと戦えるらしい。
どんなやつかは知らない。ＡＣはもちろん、パイロットさえも。

ただ、そいつらは自分より強いかもしれない。
ならば、確かめてやろう。そう思った。

それだけで、アリーナに入り浸る理由は十分だった。
実際、上には強いやつがいた。それが楽しかった。

ただ、どいつも自分を満足させるまでには至らなかった。

これが、アリーナか・・・。

最後に、声に出して言ってみた。
最後まで、トップランカーの名前は覚えられなかった。

目の前には煙を出しながら崩れ落ちる『アルカディア』というＡＣがいた。