Wiil be saga
闇の中、ここは何処なのか?
(なんだろう、この胸の高鳴りは?)
あれは、何? 地球?
(何故沸いてきたのだろう、この興奮は?)
それは、しばらくの後にわかることだった・・・
例の未踏査地区へ向かう一つの調査機。
ヘルメットを被り、なにやらいろいろなパネルを操作する操縦士。
「―こちらファルコン。 目標地点へまもなく到達する」
〜POINT MS10〜
モニター上に、微かに確認できる、その文字。
男は、回線を入れる。
「よし、そのまま上空から写真を送ってくれ。 ファルコン下部についているカメラだ。
周辺には敵戦力も予測される。 十分に注意してくれ。
また、【デッドポイント】には――――」
「ん、ジャミングか。 ・・・デッドポイント?」
不安が彼の脳裏をよぎる。
その時だった―
二つの青い閃光が走り、輸送機を貫いたのは・・・
何故なら、そこは【サイレント・ライン】――
魔のデッドポイント、POINT MS10――
・・・悪夢にうなされながら、俺は目覚めた。
夢は、酷く恐ろしかった。
輸送機、黒い地球、赤い・・・目?
1,2時間ほど時が経った。
そこから先の記憶は、何故か、妙にはっきりとしている――
俺は、作戦領域・・・後になって解った事だが、そこは【サイレント・ライン】
そう、例の未踏査地区に到達した。
何故だろう? ここから、少し記憶が飛んでいる。
気が付けば、飛びかう銃弾―
轟音と共に飛んでくるミサイル。
我に返った俺は、ACを旋回させ、振り向かせた。
「くそ――メ―だ! ――ヴンは何をやっている」
ジャミング混じりの音声。その声は悔しさにあふれている。
そこに見えた光景。爆発、炎上する【ミラージュ社】の戦闘機。
自分は何をしているのか、それにやっと気付いた。
死の瀬戸際―
そうだ、今俺はミラージュ社に雇われた傭兵。 【レイヴン】なんだ。
危険分子がいる―
俺は、直ぐにそれに目を向けた。
未だミサイルポットを大きく開けているAC。クレストか? キサラギか?
大型戦闘機を落とした犯人。
他の戦闘機のバルカン砲弾を、シールドで防御している。
・・・ACは、これだけか?
結論は直ぐに出た。
カタカタという音と共に聞こえてくる銃声。
あれは・・・チェインガン?
銃口は、俺のACに向けられている。そして、回転し始める両肩の砲身。
避けるしかない―
「ヤバイ―」
直ぐ目の前まで迫っている銃弾。
何とか避けようとしたが、10数発被弾してしまった。
気が付けば、目の前に銃口を突きつけているロボット、MTがいる。
「非力な―」
ブレードから赤い光が出る。
左腕を下から上へ振り上げさせると、MTは胴から上が飛び、真二つになった。
一瞬の静寂―
はっとする俺。
またガトリングガンが飛んできた。
さっきの様にはいかない―
機体を後退させて集弾率を下げ、回避行動をとる。
「今度はこちらが―」
反撃しようとした俺に、容赦なく攻撃が浴びせられる。
武器腕小型グレネード弾。
その程度の弾速、当たる方が難しい―
僅かな間を置いて、機体を左へ振る。
案の定、そいつは工事、建設用のビルに当たった。
とりあえずこいつは相手にせず、他を当たろう―
「そうだ、まずは雑魚からだ・・・」
上空へあがり、敵の戦闘機に狙いをつけた。
4機・・・
狙いは十分だ、ここは、撃つしかない
そう思った、その時―
ミサイルが飛んでくるのが、レーダーで確認できる。
直ぐ後ろ―
「・・・っ」
慌てて振り向いた。
モニターには数発のミサイルと、チェインガン砲弾の列が確認できる。
ブーストをフルパワーにし、振り切ろうとする。
しかし、ぐんぐん迫ってくるミサイル。
振り切れない―
「こうなったら」
俺は両肩のブースターを切り離し、囮にすると、さらに上へ上昇した。
真後ろでミサイルに啄ばまれ、砕けるブースター。
だが、機体へのダメージはない。
今は、安全第一だ―
うかつな事は出来ない。
ステルスを発動すると、先程の獲物を狙う。
「後ろか―」
相手の戦闘機に合わせ、機体を後退させる。
ロックオンサイトに入った瞬間、体制が崩れようとも、俺はかまわず放った。
一機目、先頭の飛行機を、下から強力なエネルギー弾が貫通する。
【MWG−KARASAWA】
ようやく、こいつが使える余裕が出来た。
何かが吹っ切れた―
気が付けば、トリガーは汗でじっとりと湿っている。それを引く、手も、だ。
そのまま二機目との距離をとり、撃ち込む。
正面から直撃、いい当たり。
と、そこへ機体が大きく揺れた。
「チッ、さがりすぎた」
後ろにある何かでかい物に当たったようだ
「バリケード、か・・・」
止まっていると後がまずい
ブーストを吹かし、とりあえず右斜め前へと脱出した。
直後に聞こえてくる銃声、マシンガン。
何処に当たったかは、確信は持てない。
だが、音がばらばらなので、おそらくバリケードの多い先程の地点だろう。
こういうときは勘がものを言う。
銃声が聞こえ続ける―
一瞬だけ、黄色い断続的な線が見える。
マシンガンの弾。
程なく撃った主がわかった。
ミサイルの二脚AC、危険分子第一号。
ステルスがそろそろ切れる。
直ぐに決めなければなるまい―
ブーストを一気に吹かし、奴の正面へと踊り出る。
まだ気付いていない、在らぬ方向にマシンガンを撃っている。
「どこを狙っている、俺はここにいるぞ・・・」
無気味に揺れる、ACの黄色い目―
奴のカメラアイを、慎重に狙う。
直撃は、確実だ。
撃った直後、轟音に気付きこちらを向く、奴の青い眼。
光線はカメラアイを貫通し、完全に破壊した。
「・・・やったか?」
俺は思わずガッツポーズをした。
顔からは、笑みがこぼれる。
「もらったな」
ブレードを大きく振りかぶり、斬る。
奴の胴と脚が完全に離れる。
サーチライトの光がまぶしい。
その後、ゆっくりとやつのコアに銃口を近づけ、止めを刺した。
そこから先は・・・何故だろう、よく覚えていない。
この後の事で記憶にあるのは。
銃弾の雨の中を、かいくぐる自分。
四脚ACのコアに、直撃を食らわせた瞬間。
MTに包囲され、無理やり突破した時の緊張感。
・・・それぐらいだ。
気が付くと、朝になっていた――
相棒は、すぐそばでたたずんでいる。
俺は、昨日の戦場をじっくりと見ていた。
朝日がまぶしい―
「仕事も、終わったな」
ゆっくりと伸びをする若者。長髪が風になびき、朝日にさらに増す金色。
ステルス、両肩ブースター、カラサワ搭載の派手な軽量級二脚。
それは、やがて伝説となる
Will Be Saga
激しい、戦火と共に
And In Fire
新境地を切り拓き―
・・・Maybe
まずは登場キャラの解説から。
ミラージュサイド
・ 最初の調査機
・ 戦闘機、数機
・ 主人公らしき青年の乗るAC
クレストサイド
・ マシンガン、ミサイル装備の中量ニ脚AC
・ 武器腕グレネードの四脚AC
・ 戦闘機、数機
タイトルの由来
某ゲームのBGM中のフレーズより
何のゲームか? 秘密ですw
ヒント、音ゲーじゃない(それだけ
ゲンズィ流初投稿小説、読んで戴いて有り難うございます。
このサイドストーリーは(いわなくても解るとは思いますが)3サイレントラインのオープニングムービーを題材としています。
オープニングムービーを題材にするに当たっては、NXのアーカイヴのムービーを10数回ほどみてメモをとりました。
また、書いている途中もフロムさんの公式サイトからDLしたムービーで確認しまくりました(笑
夜中だったから、眠いw
また、E&Iさん、アーヴァニックさん両氏の作品を参考にしながら(似てないし、こちらの方がよっぽど下手だが)
書かせていただきました・・・勝手に、ですv
いやぁ、お二方のような良い例があると、こちらも書きやすい書きやすい♪(何
で、まぁ、それなりの時間をかけた割には、ページ数も短く、内容もしょぼいので文句を言われてしまいそうです(汗
お許しいただけると幸いです。
PS
続編は作るかも知れませんが、基本的にはこれは読みきりということで。
現在はオリジナルのアフターストーリーを製作中。
嗚呼。もう2004年か
作者:ACCACさん
|
|