閑話2「カラードネイルの誕生」
「―――――――」
「―――――――」
「―――――――」
「―――――――」
「――――――?」
「――――――?」
「―――――!」
「―――――!」
「―――――!!」
「―――――!!」
「―――――――!!?」
「―――――――!??」
●※●△▽!! ◯◇□★■!!
●▲◎※◯ーーーーー!!
「―――――――!!」
▲▼■★◯◯◯◯◯ーーーーーーーーーー!!!
様々な不思議な声、意味不明の音のようなもの、言葉のようなものが頭に流れ込んで来てくる中、
カラードネイルは昨日と同じような夢を見た。
(うるさい・・・うるさい――――)
ここはどこだ?
一体、何が?
わたしは、何をしているんだ?
ドドドドドドドドド・・・・ドドドドドドドド・・・・
何処かで銃声が響く。
なんだ?
燃え盛る炎。
そこに、1体の黒い影が浮かぶ。
あれは・・・いったい・・・
わたしは、その影に向かって歩いてみた。
そこでみたものは・・・
いくつかの死体。
燃え盛る家。
壊された車。
グチャグチャに飛び散った血と肉。
滴る血。
そして、バラバラの目玉と手首、腕と足。
なんだ、これは・・・
いったいここで・・・なにが?
もっと奥へ近づいてみた。
だが、その時、何かに蹴躓いた。
みてみると・・・
裸の少女の体が、ころんと転がっていた。見てみると、気を失っているようだ。
ど、どうしたんだ!! 大丈夫か!! だめだ、ぴくりともうごかない・・・
わたしは、この少女の家に連れて行こう、と少女をかかえて奥へ探しに走った。
やがて、今度は火災の発生源に近づいた。
だがそこで、わたしは信じられない光景を見た。
目の前にボロボロになった看板がある。
その看板には、見覚えのある名前が書いてあった。
わたしは、こう呟いた。
わたしの・・・家・・・
そこは、わたしの家のマンションだった。
燃え盛る16階建ての高層マンション。
15階に、わたしの家がある。
家族は、いったいどこにいるんだ?
父上は、どこにいるんだ?
母上は、どこにいるんだ?
お祖母様はどこにいるんだ?
お祖父様はどこにいるんだ?
兄上は、どこにいるんだ?
弟は、どこにいるんだ?
妹は、どこにいるんだ?
わたしの家族は、どこにいるんだ?
わたしは少女をかかえて走った。マンションの入り口近くへ来た所、階段が崩れ落ちて、エレベーターも止まっていた。
もう、15階には行けない。
15階の、わたしの部屋のベランダの所を見てみた。
そこでわたしはさらに、信じられない光景を見た。
ベランダのフェンスに項垂れる、母上。
その下に倒れた、父上。
2人とも、死んでいたに違い無かった。
中のほうから火が出ていた。
中には家族がいるはず。やはり、死んでいた、と、思った。
嘘だ。
嘘だ・・。
嘘だ・・・。
嘘だ・・・・。
嘘だ・・・・・。
嘘だ・・・・・・。
嘘だ・・・・・・・!!
嘘だあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
気がつけば、わたしは泣叫んでいた。
わたしは空に向かって泣叫んでいた。
紅蓮の炎の色に染まった、広い大空に・・・
わたしの叫び声が、大空に掻き消えた。
そして、炎に浮かんでいた黒い影が、正体を現わした。
AC・・・アーマード・コア。「レイヴン」が操る人形の兵器・・・。
そのACは、赤いカラーリングが施されていた。
右肩に、「0」を両腕で握った天使のエンブレム・・・
あいつだ。
あいつが、わたしの家族を殺した。
あいつが、皆殺しにしたんだ・・・
あいつだ、あいつだ、あいつが・・・・・
怒りが流れ込む中、その、赤いACは姿を消した。
そしてわたしは、怒りと悲しみが入り交じった顔で、空を睨んでいた。
そして、涙を流した。
わたしは、気づかなかったのだろうか、裸の少女が意識を取り戻して、わたしに声をかけた。
助けて・・・くれたの・・・?
助けてくれたのに、私に気づいてくれないの・・・
お兄ちゃん・・・
お兄ちゃん、何で泣いてるの?
そのまま、わたしの意識が遠のいて行った。
目の前が、真っ暗になった。
「彼奴がわたしの家族を・・・彼奴が、彼奴が、彼奴が・・・」
「彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、
彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、
彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、
彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が、彼奴が・・・・・・」
彼奴が・・・
そしてわたしは、今度は「架空の悪夢」を見た。
ピリリリリリ、ピリリリリリ・・・
その惨禍の日から何日か経ったあと、わたしの家に電話が掛かって来た。
「もしもし?」
電話に出てみた。
『うう・・・』
電話に出てみると、苦しそうな男の呻き声が響いて来た。
「誰だ?」
呻く声は続ける。
『うう・・・駄目だ・・・俺は、もう駄目だ・・・』
『夢に出るんだ・・・毎晩毎晩・・・・「人殺シ〜〜〜〜」「金返セ〜金返セ〜」
「殺シテヤル〜〜〜」って言うんだよ・・・』
「お前は一体誰なんだ?」
『もう耐えられねぇ・・・俺、人を殺しちゃったから・・・もう自首したいよ・・・』
「何でそーなるんだよ!! それにお前は一体誰だと言うんだ・・・オイもしもし!?
もしもし!?」
そこで電話は切れた。
「架空の悪夢」の2つ目を見た。
コン、コン、コン、コン、コン・・・
コン、コン、コン、コン、コン・・・
外で誰かがドアを叩いている。
出ようとして椅子から立ち上がると、いきなりバタン、ドタドタドタという音が響く。
「!?」
と、驚くと、スーツを着た男、警察の制服姿の男が何人かドタドタドタと押し入ってくるのを見た。
それで唖然としていると、背後から何人がかりで押さえ込まれた。
「カラードネイル・・・だな。我々は警察の関係者だ。そしてこれは逮捕状だ、容疑は殺人、放火、器物破損の容疑で逮捕する。
警察署まで同行願いたい」
スーツを着た刑事が逮捕状を掲げて立っている。
「あっ!!」
刑事の傍らにはわたしの家族を殺した張本人のレイヴンが・・・
「ゼロッ、貴様ーーーーーー!!!!」
わたしはそのレイヴンの名を叫んでいた。
わたしの家族を殺し、濡れ衣を着させようとする「奴」の汚い手口に、怒りに駆られたわたしは吠えた。
「奴」の冷たい高笑いが響く中、巡査がわたしを強く押さえ付けながら叫び上がるわたしを怒鳴る中。
「畜生!! 畜生!! クソおおおおおおおおおお!!」
「フフフ・・・ウフフフフ・・・ウッフッフッフッフッフッフッ」
「動くな!!」
「ウッフッフッフッハァッ・・・・フッハッハッハッハッ・・・ハッハッハッハッハッ、ハッハッハッハッハッハッハッハッハッ・・・・」
「離せーーわたしにそいつを殺させろ!!! 懲役でもムショに投獄されるでも何でもいい!!
わたしにそいつを殺させろーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「フッハッハッハッハッハッハッハッハッ・・・グッハハハハハハハハハハ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
「畜生!! 畜生!! クソおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「ハッハッハッハッハッハッハッハッ・・・・ウヒャッ、ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、
ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャアアアアアーーーーーーーーーーーッ!!!!」
「くそおおおおおおおおおおぉぉぉぁぁぁ・・・ああああああああああああああ!!!」
「ハッハッハッハッ・・・ウヒャッ・・ウヒャヒャヒャヒャヒャァァーーーーーッ!!」
処で「架空の悪夢」は終わった。
そして今度は、わたしがグローバルコーテックスに入る前に、自分が引き起こした昼間の惨劇を見た。
わたしはある日の午後、新中央区の「ランケット中央公園」で遅い昼食をとっていた。
その昼食は、買った「モノ」だ。「コンビニエンスストア」という場所で・・。
おにぎりの「紅鮭」。
おにぎりの「おかか」。
おにぎりの「シーチキン」。
そして調理パンの「コロッケ焼きそばパン」、飲み物にコーラのボトル。
ピッ・・・ピーーーッ、クシャ。
わたしはまず、おかかのおにぎりを一口齧る。
ハグ、モシャモシャ・・・
耳元につけたMDプレーヤーのヘッドホンから、わたしの耳の中に音楽が流れる。
シンシキシン♪
シンシキシン♪
シャカシャカシャカ♪
シャカシャカシャカシンシキシン♪
音楽が流れる中、わたしは口の中でモシャモシャ言いながら、音楽に酔いしれる。
その間におかかのおにぎりを平らげた。そして次に、紅鮭のおにぎりにかぶりつく。
シンシキシン♪
ハグッ、モシャモシャモシャモシャ・・・
シャカシャカシャカシャカ♪
シャカシャカシャカシャカ♪
シンシンシキシキシンシンシキシキ・・・
シンシキシンシキシンシキシンシキシン♪
ハグッ、モシャモシャモシャモシャ・・・
ああ、美しい。
「食品」を頬張りながら、
「音楽」に酔いしれながら、
この広い青空を見上げてゆっくりと食べる事、音楽を聴く事ができるとは・・・
わたしはそう思いながら、紅鮭を食べ終えた。そこで、コーラのボトルに手を取り、栓を回す。
クイッ、プシューーーッ・・・
栓が回った。そして、栓をそばに置くと、コーラのボトルに口をつけた。
ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ・・・
シュワーーーッ、シュワァァァァーーー・・・
「・・・!!」
わたしの身体の中で、コーラに含まれる炭酸が弾け飛ぶ。
身体の芯の隅々に、強烈な爽快感が伝わってくる。
コーラを手にしながら、今度は最後のおにぎり「シーチキン」に手をかけた。
袋から開放させたおにぎりの「本体」に、かぶりつく。
ハグッ、モシャモシャモシャモシャ・・・
シンシキシンシン♪
シンシキシンシンシンシキシンシン♪
シャカシャカシャカシャカ♪♪
シンシンシャカシャカシンシンシャカシャカ♪♪
ハグッ、モシャモシャモシャモシャ・・・
ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ・・・シュワーーー、シャアアアアア・・・・
シンシンシキシキ、シンシキシンシキシンシンシン♪
シンシンシンシン、シンシキシンシン♪♪
シンシャカシンシャカシンシンシャカシャカ、シンシャカシン♪♪
気分を酔いしれる中、わたしは「シーチキン」を食い終わった。
そして、「コロッケ焼きそばパン」の封を解いた。
コロッケパンと焼きそばパンをミックスさせたように、パンの具は上に牛肉が確り詰まったコロッケ2つ、
下にはソースが確りかけて、具も満載の焼きそば。これが、ミックスしたパンとも言える代物だろう。
わたしはパンにかぶりつく。
ハグッ、ズルズルファッファッ、モシャモシャモシャモシャ・・・
一口齧ると、焼きそばのドロッとしたソース、コロッケの中身が口の中にマッタリとした感じを伝わらせてくる。
そこへ、コーラを流し込むと。
ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ・・・
シュワーッ、シュワアアアアア・・・・
旨い。
旨い、旨すぎると言えるほど・・旨い。
焼きそば、コロッケの中身が口がまったりした所を、コーラがシュワーッと流れて行く。
これが、美味しい。
これを・・・食感のオノマトペというべきだ。
わたしはそう思いながら、かぶりつづけ、音楽を聴き続けた。
ハグッ、ハグッ、ズルズルファッファッズルズルファッファッ、モシャモシャ・・・
ハグッ、ハグッ、ハグッ。モシャモシャファッファッ・・・
ゴクゴク、ゴクッ、シュワアアアーーーーッ・・・
ゴクゴク、ゴクッ、シュワアアアーーーーッ・・・
シンシンシンシンシキシキシキシキ、シンシンシンシンシキシキシキシキ♪♪♪
シャカシン♪シャカシン♪シャカシン♪
シャカシン♪シャカシン♪シャカシン♪
シンシキシャカシャカ♪シンシキシャカシャカ♪
シャカシャカシャカシャカシャン♪♪♪
やがて、わたしの食事も終わった。
「フーーー、生き返ったな・・・」
わたしは腹をポンポン叩いて、空に向かって呟く。
「さてと・・・」
わたしはベンチから立ち上がった。そのとき、
カサッ。カサッ。
と、近くから足音が響いて、聞こえて来た。
「・・・・・」
わたしはそれは、どうせ誰かがこの公園で遊びに来たか、休みに来たかのどっちかだろう、と、ソロソロと歩き出した。
カサッ。カサッ。
カサッ。カサッ。
カサッ。カサッ。
カサッ。カサッ。
公園を出ても足音は後ろでわたしをつけるように響いてくる。
「・・・・・」
わたしはスッ、と足音を捲くように、走り出した。
カサカサカサカサ、
カサカサカサカサ、
カカカカカカカカカカ、
カカカカカカカカカカ、
速さをあげて走ると、足音も一段的と速くなり出した。
カカカカカカカカカカ、
カカカカカカカカカカ、
カカカカカカカカカカ、
カカカカカカカカカカ、
どれくらい走ったのだろうか、後ろで「ハァ、ハァ」と息が漏れる音が響く。
そこである汚く、ドブ臭い路地裏にわざと走り込み、足音を誘い込むと、
「ホラ其処だああああああ!!!」
と、わたしは急に振り返ると後ろに回転蹴りをかました。その時、ドガッ、と何かに当たり、「がっ!!」と男の小さい呻き声が響く。
よく見ると、後ろには6人くらいの男がいた。
どうやらストーカー集団らしく、尾行してはその行き先で尾行している人を殺してはお金を奪い、
食い物や所持品、装備品を奪う悪いやつらだ。わたしが蹴ったのは、その1人の、白いシャツのゴツそうな顔つきの男だった。
「何だぁ貴様ーーー、何だぁ貴様ーーー、
何だぁ貴様何だぁ貴様何だァ貴様何だぁ貴様あああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
わたしは勢いが止められず、ゴツ顔の男を何度も蹴っ飛ばした。ドガ、ガッ、ガッ、ガッという音が響くうちに、男が泥塗れになって行く。
そして、フィニッシュに、いきなり男の脹ら脛に足払いをかけると、
「こぉんのぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
と、ゴツ顔の男を持ち上げた。
「ぐほっ」
「ストーカーがぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーー!!!」
と、ゴツ顔の男を壁に叩き付けた。ゴツ顔の男は壁に激しく身体を打ち付けて、バターンと地面に落っこちた。ドサッ、と鈍い音が響く。
「あっ!! 仲間をやりやがった!!」
「やっちまえ!! 公僕めっ!!」
残りの5人ぐらいの男が襲い掛かって来た。
先ず最初に赤のジャケット男が包丁を振り上げて襲って来たが、わたしは攻撃を焦らずに躱すと、
「あぐっ!!!」
と、赤ジャケットの男の腕の肉に食らい付く。そしてわたしの歯を奥深くまで食い込ませ、相手の肉を存分に削りまくる。
「いてえええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ジャケット男は悲鳴を挙げた。そして、
「てってめーーーー放せコラ!! 放せッつってンだよ!!!」
ジャケット男はわたしを殴ろうと何度も拳を振り上げるが、わたしはそれを避けまくる。そして、わたしはもっと奥まで歯を食い込ませる。
ガブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブ・・・ブチッ、ブチッ、バジュッ!!いやな音が響き、血と肉が飛び散る。
「あいでででででででででででででででででででででででででででででででででででででででででででで〜〜〜〜〜っ!!!
・・・・・こんのクソ野郎ぉーーーー!!!」
ジャケット男は痛みに悶絶しながら、包丁をわたしに突き刺そうとした。
だがわたしはその一撃を躱す。包丁は、わたしが食らい付いていた腕に、ブスリと突き刺さる。無事ェ、バジュッ、と大量の血が噴出した。
「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!」
ジャケット男が悲鳴を挙げた。他の4人の男が、ジャケット男の腕を見て、
「うわっ、マジかよ!」
「肉が無ぇ!!」
「この野郎、ギタギタのボロボロにしてやる!!
手前のグチャグチャのブシャブシャの脳味噌を口に入れて死ねーーーーーーーーーー!!!!」
4人は逆上して襲い掛かって来た。そのときわたしは懐から刀とマシンガンを取り出すと、その1人のボサボサ頭の黒シャツ男に向ける。
「!!?」
黒シャツはぎょろりと目を飛び出させる。だがその途端、わたしはトリガーを引いていた。
ドガガガガガガガガガガガガガガ・・・ブチッ、ガチッ、バシャァァァ・・・!!!
「ギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「うわーーーー目がぁーーーー!! 俺の目がぁーーーーーーーーーーーー!!!
ギャアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァ!!!!!」
悲鳴を挙げて悶絶する黒シャツ。
そしてわたしは、その黒シャツの頭をグイ、と踏み付けて其処でもう1発。
ガガガガガガガガガガガガガガ、という立て続けに続く音とともに血と脳髄が飛び散った。
「・・・・・・」
「・・・あとは、貴様らだけだな・・・」
わたしはマシンガンの銃口を残った5人に向けた。
「ひ、人殺し!!!」
残った5人は悲鳴を挙げた。
「貴様らの中では、わたしは人殺しで極悪人ってか? ふざけるな、お前等だって似
たようなモノだろうが!!!」
わたしは壁にへばりついているゴツ顔の男の横ッ面にマシンガンの銃弾を連射した。
横ッ面を撃ち抜かれたゴツ顔の男は、大量の血を噴出しながら息絶えた。
それを見た残った4人は、狼狽えて、パニック状態になった。
だがその時、わたしは4人の内の1人、ジャケットを着た眼鏡の、丸坊主頭の小太り男に斬り掛かった。
「ひっ・・・」
どしゅううううううううううう・・・・・
どさっ。
坊主頭の小太り男の首が地面に落ちて、首のないそいつの身体が地面に崩れ落ちる。
その途端に、そいつのポケットから財布が落ちて、バラバラバラバラと万札が飛び散る。
わたしは生首を拾い上げると、壁にへばりついていた赤ジャケットの男に投げ付けた。
「ひっ・・・ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!」
そいつは悲鳴を挙げた。
あとの3人が逃げようとしたのを見て、わたしはマシンガンを連射した。
その3人の身体に銃弾が次々と撃ち込まれ、ドサ、ドサ、ドサ、と地面に倒れる。
そしてわたしはその3人の首をも斬り落とした。そしてわたしは、最後に残った赤ジャケットの男を向いた。
「あっ、わっ・・・あががぁっ・・」
トッ・・・トッ・・・トッ・・・
「後をつけて来て、わたしを殺して、金を奪い取ろうとするとはな・・・」
トッ・・・トッ・・・トッ・・・
「う・・お・・やめろ・・・やめ・・ろぉぉ・・・」
トッ・・・トッ・・・トッ・・・
「貴様らもう許さない・・・」
トッ・・・トッ・・・トッ・・・
「や、やめろぉぉぉぉぉおおああああああ・・・
おおおおわわわわああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!」
ドン、ドン、ドン、ドン!!!
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
次の日の朝。
わたしは朝早く起きて、目覚まし時計を見た。見ると今の時刻は、5:28だ。
「あれあれ、今日は少し早く起き過ぎてしまったか・・・」
昨日寝た時刻は、22:58だ。わたしは、今日は休日だったから、2度寝しようと思ったが、もう眠気は消えて、目が冴えてしまっていた。
「・・・・・」
わたしは起きて着替えると、早い朝食を取る為にとある早朝喫茶店に行った。
わたしはソファに座ると、ウエイトレスにサンドイッチとアイスコーヒーを頼んだ。
そこで、わたしは喫茶店の窓ガラスから見える風景を見た。
「はあ・・・」
わたしは溜息をつく。その時、目の前にコトッ、とサンドイッチとアイスコーヒーが置かれた。
ウエイトレスが「お待たせしました、サンドイッチとアイスコーヒーです」
と、ニコニコ笑いながら言う。
わたしはアイスコーヒーに、添付の砂糖を5杯入れる。
わたしはいくらアイスコーヒーでも、砂糖を5杯入れなきゃ好みの甘い味が出ないからだ。
「はぁ〜〜〜〜」
甘口のコーヒーを飲みながら、持って来たノートパソコンを起動させる。
「プァーン・・・・
カーーーーーカリカリカリ、
カーーーッカリカリカリカリッ、カリカリカリカリカリ」
パソコンの起動音が響き、カリカリカリカリカリという謎の音が暫く聞こえて、システムが立ち上がった。
わたしはメールボックスを開く。その時、ピロン♪ という音が聞こえて、新着メールが届いた音が響く。
・New レイヴン試験合格者へ/グローバルコーテックス
・New 新製品の御案内/ミラージュ
・新規登録/グローバルコーテックス
・挑戦状/フィクサー
・警告に従う事だ/ロイヤルミスト
わたしは「レイヴン試験合格者へ」という通知を開く。
「Re:レイヴン試験合格者へ
差出人:グローバルコーテックス
レイヴン試験合格者へ・・・試験合格御目出度うございます。
試験合格者は、グローバルコーテックス内部でACの使用の許可を出します。
それから、明日の午前8:00に、グローバルコーテックス本部へ集合して下さい。
あなたの名前とAC名を登録します。
なお、集合時刻に遅れる事は赦されません、時間厳守と心得て下さい」
「とうとう来たか・・・」
わたしはコーヒーを啜り続けた。そこで、空になったカップをテーブルへ置くと、近くを通りかかったウエイトレスに呼び掛ける。
「あー、其処の君」
「はい?」
「コーヒー、おかわり。あと、砂糖も頼む」
「かしこまりました」
街をふらふらと出歩き続け、帰って来た時は時刻はもう夜の22:00になっていた。
外は雨が激しくふり続けていて、外の近くにある繁華街のネオンが煌めいている。
「・・・・もう寝よう」
わたしはする事がないと判断して、そのまま今日はもう寝る事にした。
ピピピピピピッ、ピピピピピピッ。
目覚まし時計が鳴り響く。わたしは目覚まし時計のアラームのスイッチを押した。
カチッ、という音と共に目覚まし時計が止まる。
時刻を見た。朝の午前5:00となっている。
「そろそろ時間が来るな・・・行くか」
わたしは着替えると、早速ガレージに入って車を発進させた。
目的地は、グローバルコーテックス本部。
グローバルコーテックス本部へは、2時間ぐらいで到着した。
「ここか・・・グローバルコーテックスの本部は」
わたしは車を駐車場に停めると、グローバルコーテックス本部の中へ入る。
本部の集合場所は、グローバルコーテックスの宿舎の3階の応接室にある。
わたしは其処まで行くと受付の鶯嬢に「応接室前のラウンジで待っていて下さい」と指示を出された。
わたしの他の集合者は、ジュースやコーヒーとかを飲んだり、鼻毛の処理をのんきそうにしたり、欠伸したりしている。
「全く、暇なモノだ・・・」
わたしは溜息をつく。と、その時。
ピンポンパンポ〜ン♪
『レイヴン試験合格者、レイヴン試験合格者の皆様は、至急応接室へ起こし下さいませ。
レイヴン試験合格者たちの名前とAC名を登録します。繰り返します、レイヴン試験合格者の皆様は至急応接室へ―――』
ピンポンパンポ〜ン♪
呼び出しのチャイムが2回鳴り、その合間に館内放送が流れる。来た。
とうとう来た。
わたしにとっての「未来」に繋がる「門」を開ける為の「鍵」を手に入れる時が・・・。
自分のコードネームは、「カラードネイル」。
AC名は「グラッジ」。
時はいつか来る。
あの家族を皆殺しにしたレイヴン「ゼロ」を倒し、家族の恨みを晴らす時が。
「わたしはゼロを倒し、家族の恨みを晴らすまでは、誰にも負ける訳にもいかない。
それが例え、どんな相手でも」
わたしは今日、自分にこう誓った。
ゼロを倒すまでは、誰にも負ける訳にはいかない、と。
そして今度は、自分の中にいる「ゼロ」に言った。
「フン・・・見てるがいい、バカめ。今度はこのわたしが貴様の人生を狂わせ、本当の正 義はどう言う恐ろしさを持っているかを、
とくと貴様に味わわせてやる。それまでは、 雑魚を相手に楽しみ、いい気になっていろ」と。
後書きです。
自分也にカラードネイルの過去を考えてみました。
次回は「新型兵器破壊」の予定です。
それから、HN(ハンドルネーム)を変えました。
以降、この名前でいきますので、宜しくお願いします。
作者:しじみ汁(元武田 慎)さん
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