サイレントライン:ダークマター
「(ディードリット ・・・ やはり俺達は戦わなくては
ならないのか・・・) 」
「先生、さっきから様子がおかしいですけど・・・
何かあったんですか?」
「ああ、ちょっと疲れがな・・・ ほら、ここの所
気が張りつめてからな。それで少し疲れたのさ。」
「そうですね、でもD機関もまだ動きがないみたいですよね。」
「ああ、ここまで来るとかえって不気味だ・・・」
「シャウシュッツの旦那、そろそろ社につきますぜ。」
「ああ、ありがとう ・・・」
二人が輸送機から降りて格納庫に向かったとき、
そこは戦場と化していた・・・
「三番ハンガー開けて!!」
「ハンクさんのACの被弾状況は!!」
「修理パーツのE−X0A取って!!」
「ミガキさん、何かあったんですか?」
「ああ、シャウシュッツさんですか!!
大変ですよ、一気に4体のACが中破
したんですから!!」
「なんだって!!誰に!?」
「・・・ D機関のやつらさ ・・ 」
「その声は ・・ ハンクか!!」
「ああ、すまない ・・ しくじった ・・ 」
「一体何があったんだ!!」
「取り敢えず、ここを出よう。
話はオレの個室でいいか?」
「ああ、かまわん・・リリスは部屋に戻ってろ、
詳しいことは後で話す。 」
「分かりました。」
ハンクとシャウシュッツが個室に向かい、
部屋にはいると、ハンクが奥の冷蔵庫から
冷たい飲み物を持ってきた ・・・
「炭酸物だが、飲んでくれ。」
「ああ・・・ それで、どういうことが起きたんだ?」
「事の始まりは、コアが襲撃されたと言うのが発端になったんだ。」
「それで、当のコアは?」
「戦闘時に負傷して、今は病院で治療している . . .
まぁ、怪我の程度は軽いそうだが . . . 」
「ならいいが・・・だが、とうとう
動き出したな、奴ら。」
「それと、奴らの通信を聞いていたら
RAYとかアスタロスという名前みたいなのが
聞こえたんだが・・・」
「RAYとアスタロスだって!!」
「知ってるのか?」
「ああ、RAYとアスタロスのコンビは
D機関内でも特に有名、なかでもアスタロスは
D機関でも屈指の残忍な性格の持ち主としても
有名なヤツだ。」
「よく生き残れたな、俺達 ・・・ 」
「確かにな ・・・ それで、他に参加したやつは?」
「オレとコア以外は、斬鬼とラスカーだ。」
「なるほど・・ 皆、あの時のメンバーか ・・ 」
「そう言われればそうだな ・・
そう言えば奴ら、最後に俺達に対して
挑戦するとか言ってたな ・・ 」
「なるほど ・・・ と言うことは、今後
こういうことが頻繁に起きると言うことだな・・・」
「ああ、管理者の時よりひどいぜ・・・」
「・・・ハンク、これはまだリリスには話してないんだが
おれもD機関の人間に出会ったよ・・」
「なに!!それで交戦したのか!!」
「いや ・・ もしそうなら今頃オレはこの世には
居なかっただろうな・・・」
「どういうことだ?」
「やつの名はディードリッド、D機関の中でも
屈指の実力を持つ天才パイロットだ。」
「名前から察して、女か?」
「ああ、かつて恋人でもあったがな・・ 」
「・・ 戦いづらい相手だな。」
「いや、やるのであれば遠慮はしない。
今は敵同士だからな・・・ 」
シャウシュッツが個室を抜けて、自室に戻ったときには
既に午前1時を回っていた
「 ・・・ もうこんな時間か。今日は寝よう・・・ 」
その頃、依頼を受けていたレイブンはD機関からの
攻撃を受けていた・・・
「うわっ!!コイツめぇ!!」
ダダダダダダッ!!
「・・・この程度か・・・ 」
バガァァン!!・・・ ガシャァァン!!
「うわぁぁぁぁ・・・」
「・・・攻撃目標の沈黙を確認した、
これより帰還します・・・ 」
その日の朝、シャウシュッツはD機関による
被害者が出たことに憤りを感じていた・・・
「くそっ!!D機関めっ!!」
「・・・ シャウシュッツ、居るかしら?」
「レインか?ああ、入ってくれ ・・・ 」
「・・・ シャウシュッツ、さっきの事件のことだけど . . 」
「ああ、D機関の奴らだ。とうとう牙を向きやがった!!」
「一応、D機関の事は私のところで止めて置いてはいるけど
所詮、時間の問題ね・・・ 」
「ああ ・・ それで依頼か?」
「ええ、キサラギからよ。」
持ってきた資料をシャウシュッツに見せると、
シャウシュッツは無言でうなずいた
「分かったわ、企業にサインを出して置くわ。」
「ああ、頼む。」
シャウシュッツがいつもの格納庫に向かうと
そこには二人のレイブンが居た・・・
「フライレにメグじゃないか、二人も仕事か?」
「ああ、さっきキサラギから依頼が来たんだ。」
フライレが答えると・・
「えっ、フライレもなのか?」
更にシャウシュッツも・・・
「実はオレもキサラギから依頼が来たんだが・・・」
「と言うことは、共同で依頼を遂行しろ。と言うことだな?」
「多分、間違いないね、フライレ。」
「じゃあ、出撃しますか ・・・」
三人が輸送機に乗ると、お互いに依頼のことについて確認を取った
「輸送車の護衛か・・・ 」
「相手の戦力は不明か ・・・ いい所だったらイラストの
材料になるんだけどな〜」
「イラスト?」
「なんだシャウシュッツ、コイツの趣味知らなかったのか?」
「ああ。イラストが趣味なんてのは初耳だが・・・ 」
「そうそう、シャウシュッツ。あとでリリスちゃんを書かせてくれない?」
「何で?」
「いやぁ〜、あの娘って結構萌えなんですよね〜」
「・・・そう言うことか・・・まぁ、いいだろう。」
「ありがと、シャウシュッツ。・・・ ついでにあなたも書いてみる?」
「・・・ ああ、頼む。」
「旦那、つきましたぜ・・・ 殺風景な所ですねぇ、
あっしはやな感じがしやすぜ。」
「ああ、それでもいつも通りに戻ってくるさ。」
「じゃあ、降りるとしますか。」
「・・・このポイントならいい絵が描けそう ・・・ 」
「メグ、早く降りてくれ。後がつっかえてるんだ ・・・」
3人が降りてみると、そこには岩肌が目立つ殺風景な
景色しかなく、問題の輸送車の陰も見えなかった・・・
「どういうことだ?」
「ポイント間違えたか?」
「いや、ここのはずだが・・・しまった!!罠か!!」
「おい、シャウシュッツ!!どういうこった!!」
「・・・ それはこういう事よ ・・ シャウシュッツ・・ 」
「・・・その声、ディードリットか!!」
「えっ?誰?」
「あのエルフのこと?」
「・・・ブレイブガンナー・・・今回もソリッドランサー
じゃないのね。ちょっとがっかりだけど、この
ダークマター隊長、ディードリット・ヴァイスリッターが
やらせてもらうわ!!」
「くっ!!みんな、気を付けろ。コイツはただの敵じゃない!!」
「どういう事!?」
「ちっ!!ややこしいことになってきたな・・・ 」
ガシュシュン!!
「くっ!!ニードルランチャーか!!」
「まだまだいくわよ!!」
チャ・・・バシュシュシュシュン!!
「きゃ!!ミサイルが!!」
「これくらいなら!!」
「これで決める!!ムーンライトォ・・・」
ガシュ!!・・・キュワァァァン・・・
「甘いわよ・・・ シャウシュッツ・・ 」
ガシュン!!・・・ ブワァアン!!
「なにあのブレードは!!」
「いくら何でもでかすぎだろ!!」
「くっ!!オーバーリミットォ!!」
「受けなさい・・グランセイバー!!」
ズガァァァァン!!
「くっ!!なんて光だ ・・ 」
「目も開けてられないぜ・・っておい!!
敵がいねぇぞ!!」
「どこにいったの!!」
「・・・ここよ・・」
「何!!」
ガシャァァン!!
「ぐぅ!!」
「フライレェー!!」
「次はあなたよ・・ 」
バシュシュシュシュン!!
「くっ!!・・そう簡単に当たるもんですか!!」
「ふふっ、やるわね・・でも、これはどうかしら?」
「えっ!!・・ 機体が・・ 消えた!!」
「・・ 気を付けろ、ヤツは・・ミラージュステルス、
目に見えない装置を持っている・・ 」
「シャウシュッツ!!無事だったのね!!」
「ああ、なんとかな・・ 」
「こっちも無事だ。」
「フライレ・・ 良かった・・ 」
「油断してる暇があるのかしら?」
「しまった!!後ろか!?」
「いや、前だっ!!」
ズガガガガッ!!
「くっ!!さすがね、シャウシュッツ・・」
「うぉぉぉぉ!!」
バガガガガガッ!!
「メグ!!よし、オレも!!」
バシュシュシュ・・・ガガガガ!!
「オービットにマシンガン・・・
そう簡単に回避させてくれないわね・・ 」
「今だ!!」
ガシュ!!・・ ズバワァァァァン!!
「うぅ、接近された!?いつの間に!!」
「やるな!!メグ!!」
「接近はオレの十八番なんでね!!」
「よし、ここで足を止める!!」
バゴォォーン!!
「ほらほら、もっと良く狙いなさいな 。」
「それはどっちかな?」
ガシュ!!・・ ブオォン!!
「ムーンライト・・ あくまで接近戦にこだわるのね ・・」
「メグ!!同時攻撃だ!!」
「了解!!・・墜ちろぉー!!」
ガシュン・・ブワァアン!!
「くっ!!こうなったらステルスで!!」
「やらせん!!」
ガシュシュシュ・・ バシュシュシュシュン!!
「連動ミサイルですって!!」
「もらったぞぉー!!」
「これで決めるぞ!!ディードリット!!」
「そう簡単に!!」
ズシャァァァン!!
「くっ!!なんてパワーだ!!」
「力押しなら!!・・オーバーリミットォ!!」
「しまった・・避けきれな・・・」
ズガァァァァン!!
「やったか!!」
「・・・さすがにこのシールドが無かったら
あぶなかったわね ・・ 」
「耐えやがった!?」
「いや、ダメージはある!!」
「そうはいっても、この程度じゃあねぇ・・」
シュウウゥゥゥ・・・
「なんだ!!傷が復元していく!?」
「ナノマシンか!!」
「ご名答。さすがはシャウシュッツね・・」
「くっ!!やられるのか?」
「いや、もう一発オーバーリミットだよ、
シャウシュッツ!!」
「メグ、それがだめなんだ ・・」
「どうして!!」
「オーバーリミットはブレードに過負荷をかけて
威力を急激に上げるんだが、その構造故
一回の戦闘で3回までしか使えないんだ・・・ 」
「おいおい、それじゃあ後一発じゃねえか!!」
「そう、だからやばいんだよ・・・ 」
「万策尽きたようね ・・ もう少しはやると思ったけど、
やっぱりソリッドランサーに乗らないシャウシュッツじゃあ
物足りないわね ・・・ 」
「そうだ、オレがオーバーリミットを使えば!!」
「いや、あれは扱いが難しい ・・・
下手をすれば機体が吹っ飛ぶぞ!!」
「だが、やらないよりはマシだろうが!!」
「・・・コツは直撃の瞬間に出力を最大にするのが
ポイントだ・・」
「わかった!!それならダブルオーバーリミットだ!!」
「よし、ここでありったけの武器を使い込む!!
後は頼んだぞ!!」
「・・・やっぱりただじゃ起きないわね、あなたは・・
でも、そう言うところが好きなんだけどね ・・」
「ディードリット!!覚悟ぉ!!」
バシュゥーン!!ダダダダダダッ!!
「・・・まだまだ楽しめそうね、いいわ
こっちも全力で迎え撃ってあげるわ!!」
「望むところだ!!」
「行くぜ、シャウシュッツ!!」
「ダァブル・・・」
「墜ちなさい!!」
ガガガガガッ!!
「オーバァーリミットォ!!」
ギュワァァァン・・・ バシュゥゥゥン!!
「やったか!!」
「これで決まらなかったら終わりだな・・・ 」
「・・・ 仕留め損なったか!!」
「くそ!!」
「・・・ 被弾状況 ・・・ 50%突破か ・・
仕方ないわ、今日はこれで引く事にするわ。
また会いましょう ・・レイブン達 ・・・」
「また消えるぞ!!」
「 ・・・消えちゃったね ・・ 」
「ああ、だが生き残ったのは事実だ・・ 」
「そうだな、帰還しようか・・ みんな ・・」
「ええ、これでまたイラストが描けるからね!」
「最後にそれかよ・・・ メグ ・・・」
サイレントライン:ダークマター 完
作者:ハンクさん
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