サイドストーリー

第二話 選ばれた運命が示すもの
「しっかし、力なんて言うから武装かな?なんて思ってたけど、OPとはねぇ……」
オレの元に届けられた差出人不明のオプショナル・パーツ。データ確認をしてみると、どうやら市販のものではない。
普通ならそれだけでこのパーツを使ってみようなどと思う奴はいない。
レイブンは皆、ACに命を預け、それが己の棺桶になるかもしれないことを知っているからだ。
しかし、このときのオレは普通じゃなかった。
「力」
この言葉に持ってはならない欲が疼きだしたのだ。
「内容によっちゃ、借金返せるかも、、、うし!!試してみよう!えーと、OSのプログラミング補正能力に、
各パーツのエネルギー効率の最適化?それによる余剰エネルギーのブレードからの発散!?
ラジエーターの冷却能力の強化に、射撃補正プログラムの追加だぁ!?な、なんなんだよこりゃ!?
何でこんないいモンが市場に出回ってねーんだよ!?試作型か?ならもっとましなレイブンに回すはずだし、
そもそも身分を隠す必要がねえ。いわくつきのシロモノってわけか、、、。
だが、これだけの力さえあれば、エースの野郎を見返せるかもしれねえ。上等だよ。やってやろうじゃねえか。」
『エース』、同期でありながらいまや自分とは全く違う世界の住人。アリーナのトップランカーにして、
以来達成率100%を誇る、その名の通り正真正銘のエースである。
彼、パラサイト・エッヂとエースはレイブン適性試験時の同期であり、全てにおいて彼を上回っていた。
『ナゼアイツダケ?』
人間なら誰しも一度は抱くであろう、嫉妬の感情が最悪のタイミングで発露してしまったのだった。
『戦闘システム、テストモードを起動します。』
嫌な自分の存在に気づきながら、オレは『プレゼント』をACに組み込み、テストモードを起動していた。
他のオプショナル・パーツを全て外さなければならないのには驚いたが、
規格外なんだ、と勝手に納得し、特に疑問は抱かなかった。
「まずは、OSの調子でも試して見ますか。」
オレは何がどう変わったのかを把握するために、さまざまな動作を試してみた。
そして、キャノンの発射体制に移行しようとしたとき―
「は?(汗)」
キャノンのバレルを展開したのに一向に発射体制をとる気配が無い。
「まさか、、、」
カチ ドン!!ドゴーーン!!!
「こいつはランカーが時たま見せる、、、!!そうゆうことか。あいつらの超人的な強さは全て!!
 エース、待ってろよ、、、すぐにそこまで行ってやる!!」



『さぁ!!チャンピオンの入場です!!!アリーナが誇る以来達成率100%の無敗の王者!!チャンピオン、エーーース!!!』
「いつものことだが、何とかならないのか、あの司会は?耳障りな、、、」
『エース、我慢してください。これがアリーナのルールなのですから。』
「わかっている。相手のデータを見せてくれ。」
『了解。今データを送信します。妙ですね?新人というわけでもないのにランク外から一ヶ月でここまで、、』
「才能の開花というやつか?レイブンネームは、、、!!」
『パラサイト・エッヂ?聞いたことがありませんね。エース?』
「なぜ、あいつが、、、」

『さぁ、満を持して挑戦者の入場だ!!このアリーナに名を連ね始めたのはなんとわずか一ヶ月前!!
 破竹の勢いさながらに、並み居る強豪をことごとく叩き伏せてきた期待のホープ!!
パラサイト・エッヂと、AC、ペインチェーンの入場だ!!!」
「クククククク」
「久しぶりだな?パラサイト・エッヂ、、、、、いったい何があった!?」
「ククク、エースゥ会いたかったぜぇ?」
「質問に答えろ、、、」
「ハハハ、簡単な話さ?お前と、同じ力を手に入れたのさ!!     た す け て」
「!!」
「これさえあれば、、、これさえあればーーー!!」
「オペレーター!奴のコアのオプショナルパーツの位置を検索してくれ!!早く!!!」
『は!?ハイ!!』
「く、間に合わんか!?」
――READY?  GO!!――
「ヒャハハハ!!」
ペインチェーンから容赦なく弾丸が浴びせられる。両手のライフルに実弾系イクシード・オービットまでも動員しての四点同時射撃だ。
さすがに全てをかわすのは不可能なのか、エースのAC、アルカディアが何発か被弾する。
「グヌウウウ!!『エース!!検索が終了しました!!コクピットより右へ10、角度130です!!』
「了解した!!いま、解き放ってやる、、、」
「ヒャハハハハハ!!ハハハハ!?」
アルカディアがチェインガンを掃射し、それから逃れるためにペインチェーンが空を飛ぶ。
しかし、そこにはすでにアルカディアが待ち受けていた。
「おとなしくするんだな!!」
直上からグレネードをくらい、地面に叩き落されるペインチェーン。
そして、アルカディアのレーザーブレードが静かにペインチェーンの胸を貫いた、、、
「ぐあ、あ、エ、エース?ゴボ!!」
「しっかりしろ!!パラサイト・エッヂ!!!」
「オレは、力を、、ただ、借金返して、、リアに、いいトコ、を、、、」
「いまは喋るな!!くそ!!力に飲まれやがって!!」
『エース、医療チームが到着しました。後は彼らに任せましょう。』
「、、、了解だ。」
『それと彼のオペレーターですが二週間ほど前、ミッション終了後に彼が突然暴れだし、その際に負傷、
入院していることがわかりました。』
「前線までついてゆく仲の良さが災いしたのか、、」
『しかし、彼はいったい?』
「誤ったのさ。選択を。」
『選択?』
「管理者、、、」
                         第三話へ続く




あとがき
やっとそれらしくなったかのう?
お気づきの方いらっしゃるかと思いますが、ライフルの二丁拳銃はサイレントラインからです。
何で今あるの?ときかれても困るので聞かないでください。おねがいします。
さらに、主人公交代!?と言われても反論できません。
ただ主人公の悲惨なトコをかきたかったのですが、、、修行が足りなさ過ぎるようです。
それでも山にはこもらずにやっていきたいとおもいます。
こんなのエースじゃない!!と、いう方達へ、ごめんなさい。



オリジナルAC設定(以下 OAC)

ACネーム『ペインチェーン』
一応主人公の機体です。未だいいトコなしですが(汗)
率直に言えば器用貧乏。ある程度なんでもできるがずば抜けたものが無い。
まああの主人公にはちょうどいいんじゃないでしょうか?
FCSとか内装は個人の趣味で。サイレントラインのパーツが多分に混じってますが許して。

頭部        CHD−MISTEYE
コア                CCM−0V−AXE
腕部                CAL−44−EAS
脚部                CLM−55−RVE
ブースター     MBT−NI/MARE
インサイド     MWI−DD/10
エクステンション    CWEM−R10
肩武装 右          MWM−DM24/1
    左          MWC−LQ/15
右手武器            CWG−RF−160
左手武器            MWG−RFL/150
作者:ミストさん