閑話1 リア・クリスティーの独白
「はぁ、、、いったい何がどうなってるわけ?」
白に統一された飾り気のまったく無い部屋で彼女、リア・クリスティーは考え事にふけっていた。
自分が病院にいることはわかっている。自分のパートナーに襲われたことも、、。
だが何故こんな事になったのかがわからない。
何故彼が自分に銃を向けたのか?
この三日ほどの間ずっとそれだけを考えていた。不思議と怒りはおきなかった。
明らかに彼の様子が違ったから。普段の少し間の抜けた、取り方によっては飄々としていた彼とはまったく想像できない姿。
『獣』この表現が最も適切だった。
「依頼内容はたいしたことなかったんだけどな、、」
あの時受けた依頼は実に簡単なもので、作業員の暴動を鎮圧して欲しいというものだった。
「考えてもみればそれ以前からおかしかったのよね。突然やけに強くなっちゃったし、言葉使いが冷たくなったし、、それに、
私の名前呼んでくれなくなったし、、、、」
どうにも納得がいかない。ミッション中にひどいめに会って性格が変わったのならわかる。
だが妙に突然すぎるのだ。無口になり、冷酷になり、感情の波が消えていった。そして突然の暴走。
「まるで、機械みたいだった、、。彼と出会った頃とそっくり、、、、」
「初めまして。あなたの専属オペレーターになりました、リア・クリスティーです。よろしく。」
『、、、、、、、、、、、パラサイト・エッヂだ。』
「あの、不躾で済みませんがあなたの本名を教えていただけませんか?オペレーターになって日が浅いもので、、、」
『知らん。』
「へ?」
『自分の名前を知らないんだ。』
「ご、ごめんなさい!!」
『気にしてない。、、、、初めて会った奴に名前が無いなどと、誰も思わん。』
不器用なやさしさだけははじめから持ってたっけ。
一緒に仕事をしていくうちにかれはだんだん喋ってくれるようになって、、まるで会話を学んでるみたいだったな、、、
「レイブン、敵機残存数3です。」
『了解。リア、サポートは任せた。』
「了解!」
.........
「敵機の全滅を確認。レイブン、作戦成功です。お疲れ様でした。」
『ああ。お前もな。』
いつからだろう、彼に惹かれていったのは。仕事以上にあの人の力になりたいって思うようになってた。
彼はどんどん変わっていった。軽くなった。纏っていた重苦しさが消えた。そんな彼を見ているのが、好きだった。
コンコン
「!!は、はい!」
「失礼する。」
「あ、あのーどちら様でしょうか?」
「エース、といえばわかってもらえるだろうか?」
「ええ!?エ、エース!?ナンバー1ランカーの!?」
「肩書き上はな。」
「そ、そんな人がどうして私のところに?」
「あいつの、パラサイト・エッヂのことについて話がある。」
あとがき
今回主人公未登場(滝汗)
影の薄い主人公には悲惨な過去を用意してます。
他の作者様と比べるとどうしても文が短めですが、就職活動で時間がありません。恒例の、ごめんなさい。
作者:ミストさん
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