閑話2 エースの戦い
エース「ふう、、」
アイ 「どうしました?エース。」
エース「最近ヒマだなと思ってな。」
アイ 「このところ立て続けに依頼が入ってましたが?」
エース「仕事は、な。だがアリーナに関してはパラサイト・エッヂ、、、ラゴウとの一戦以来誰も挑戦してこない。」
アイ 「一番近くにいたBBも彼に負けたことであなたへの挑戦を見送ったそうですね。知ってますか?BBがまた負けたそうです。」
エース「ほう、、相手は誰だ?」
アイ 「アンチロウというレイブンです。聞いたことは?」
エース「無いな、、、」
アイ 「フラジャイルと共に実働部隊を倒したというレイブンです。」
エース「名無しか、、、?」
アイ 「はい。レイブンネームを最近登録したばかりのようです。」
エース「そうか、、あの男がもうここまで来たか、、、」
アイ 「出したのでしょう?メールを。」
エース「ああ。どうやら本物だったようだ。」
アイ 「嬉しそうですね。」
エース「否定はしないさ。」
アイ 「?メールが、、、エース、どうやらヒマはここまでのようです。」
エース「きたか、、、」
アイ 「はい。グローバルコーテックスのアリーナ運営委員会が正式に挑戦状を受諾したそうです。
彼との戦いは明日、1900より開催されます。」
エース「わかった。データを集めておいてくれ。」
アイ 「了解しました。」
『ラゴウ!!レイブンネームの登録を解除し、あまつさえアリーナへの登録まで取り消したのはどうゆうつもりだ!?』
『珍しく熱くなってるな?』
『ふざけるな!!貴様との再戦を心待ちにしていたというのに!!』
『INTENSIFYの無いオレにお前の相手が勤まると思っているのか?』
『本気で言っているのか、、、?』
『、、、すまん。だが、今のオレには名前を捨ててでもやらなきゃならないことがある。それまでは依頼も受けないつもりだ。』
『何故そこまで過去にこだわる!?レイブンをやめるといっているのと同じようなものだぞ!?』
『俺にもよくわからない。だが、忘れちゃいけないことがあったような気がするんだ。確信、といってもいい。』
『変わったな、、、いや、元に戻ったというべきか。』
『そんなかっこいいもんじゃない。マジにならざるを得ないだけさ、、、』
エース「未練、だな。代わりにしたいわけでもないだろうに、、、」
誰もいない空間、アルカディアの中でエースは一人呟いた。再び戦うことができなかった友への未練を断ち切らんがために。
アイ 『エース、データが集まりました。ACネームは『アキレア』、重装タイプの逆間接に高出力ブースターを装備、機動性は中量級並です。
レーザーライフルとブレード、ミサイル、軽量の超射程レーザーキャノンを搭載し、エクステンションに連動ミサイルを装備しています。
全距離に対応し、重装タイプの脚部で防御力を強化、強敵ですね。』
エース「おそらく、ジェネレーターやラジエーターもそれなりのものを搭載しているんだろう、厄介な戦いになりそうだな、、、」
アイ 『楽に勝てはしないでしょう。ですがそれこそがあなたの望んだ戦いでは?』
エース「そのとうりだ。」
アイ 『いい趣味とは思えませんが、一応、気をつけてください。』
エース「ああ、、、」
『ご来場の皆様、待たせたね!!とうとう始まる戦いは約一ヶ月ぶりのあのエースの戦いだ!!はたしてどんな戦いを見せてくれるのか!?
それは今にわかるだろう!!チャンピオン・エーーーース!!!』
エース「フ、懐かしいな。あのけたたましさも。」
『そしてそんな彼に挑むのは、『法への対抗』という不吉な名前の新人レイブン期待の星!!チャレンジャー・アンチロウ!!!』
アンチロウ「あんたに言われた通りにここまで来たぜ、、、」
エース『それでいい。あとは戦うのみ、、、!!』
アンチロウ「ああ、、やろうか!!」
――READY GO――
アンチロウ『オオオオ!!』
一声雄たけびを上げるとアンチロウのAC「アキレア」が突撃を開始した。
エース『そうやすやすと先手は譲ってやれん!』
それに対しエースはオーバード・ブーストを発動し、一気に距離を詰める。
そして0距離になった瞬間、二機はブレードを発動し、その場でぶつかりあった。
アンチロウ『く、やらせん!』
エース『押されている!?密度の差か!!』
アキレアが装備しているのはCLB−LS−3771、
ブレードというよりダガー並みの範囲しかないが、それだけの範囲にMOONLIGHT以上のエネルギーを凝縮した化け物並みの威力を誇る。
アンチロウ『とった!!』
エース『これしきで!!』
押し切られると判断したエースが引いたのを見て、終わらせようとアキレアが距離を詰める。だが、アキレアは一転して上空へ飛び上がった。
数秒後、
ズズ、、、ン
至近距離でアルカディアが放ったグレネードが目標を失い、アリーナの壁を揺らしていた。
エース『あれを避けるか、、、』
アンチロウ『油断や慢心は命取り、だな。』
誰に言うわけでもなくそう呟くとアルカディアも飛翔、滅多に見られない空中戦を開始した。
アルカディアがチェインガンで足を止めようとするとアキレアの動きが激しさを増し、全てを避ける。
アキレアがミサイルで打ち落とそうとするとアルカディアがオーバード・ブーストを発動し、逃れる。
それは地上に降りても変わらず、観客がいつしか騒ぐことも忘れ、アリーナが静寂に包まれた頃、二人の武器はブレードだけになっていた。
エース『ハァ、ハァ、どうやら』
アンチロウ『ゼェ、ゼェ、これで終わりのようだな。』
息も絶え絶えに二機はブレードを構え、オーバード・ブーストを発動した。一秒にも満たない時間で二機の影が重なり合う。
そして、アルカディアの左腕が宙を舞った。
『、、、そ、そこまでーーーー!!!勝者はチャレンジャー・アンチロウ!!今ここに、アリーナの新たな王者が誕生しました!!!』
ウ、ウオオオオオーーーー!!!!!!
会場を声援が揺らす。それは勝者に贈られるものではない。二人の英雄に与えられたものだった。
エース『負け、か。』
アンチロウ『勝った、のか?』
エース『お前が、王者だ。』
アンチロウ『サンキュー、エース。』
エース『一つだけ教えろ。あの時、私はお前の間合いの一歩手前にいたはずだ。何故とどいた?』
アンチロウ『あんたならそうすると思った。超一流だからな。だから、ブレードの耐久限界ギリギリまでエネルギーを注ぎ込んだ。』
エース『私の敗因は覚悟だったというわけか。完敗だ。』
いまだ鳴り止まぬ声援のなか、エースは静かにその身を引いた。ここは敗者のいるべき場所ではないそう言い残して。
エース「もうアリーナですることはないな。さすがにすぐには辞められんだろうが。」
アイ 「お疲れ様でした。残念ではありましたが、いい試合でした。」
エース「ありがとう。」
アイ 「こんな時になんですが、リア・クリスティーから緊急の依頼が入っています。」
エース「彼女から?用件は?」
アイ 「ラゴウを助けて、、、と。」
エース「予備のACを用意しろ!!」
アイ 「了解!」
あとがき
本編主人公だしちゃいました。
まともな皆様方なら主人公には二脚中量級だろ!!と、お怒りになるかもしれませんが、そこはイレギュラーですので。
ちなみにアキレアは花の名前で、花言葉は戦い、勇敢という意味があります。
『アキレア』
カラーリングは黒を基調としたコールドメタル。全距離に対応でき、それぞれの武器に相手を倒せるだけの性能がある。
ジェネレーターとラジエーターはお好みで。
頭部 MHD−MM/007
コア CCM−00−STO
腕部 CAM−14−DUSK
脚部 CLB−33−NMU
ブースター CBT−01−UN8
インサイド 無し
エクステンション CWEM−R20
右肩装備 MWM−S42/6
左肩装備 MWC−LQ/15
右腕装備 MWG−XCB/75
左腕装備 CLB−LS−3771
作者:ミストさん
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