サイドストーリー

サイレントライン:真の目的
ダンダンダンダン!! . . . ボシュゥン!!

「ふぅ、これでおおかた片づいたな . .  」

「レイブン、目標の全滅を確認しました。
 帰還しましょう。」

「ああ、これから輸送機に信号を送るよ。」

若きレイブン、ゲンズィは今日も無事に依頼を
遂行させ帰路につく . .

「おっ、やっと来たな . . . あとは
 ハンガーに機体を固定して . . . 」

ヒュウゥゥゥ . . . バガァァン!!

「なっ!!輸送機が!!」

「 . . . レイブンを確認 . .  排除する。」

「くそ!!こいつらか、最近レイブンを襲撃してるのは!!」

バシュウウゥゥン!!

「バズーカなど!!」

ダンダンダン!!

「機体損傷度10%未満 . . . 戦闘を続行する . . 」

「くそ!!ハンドガンじゃ効かないか!!」

バシューン!! . .  ボオォン!!

「うわ!!当たったか!! . . .  いけぇぇー!!」

ボシュシュシュ!! . . . ガァン!!ズズーン!!

「損傷度40%を突破!!戦闘パターンを変更します . . . 」

「んっ?動きが変わったな . . . しまった!!接近戦か!!」

ガシュ!!ズバァ!!

「ちっ!!だがこの程度で!!」

ガシュン!!ズバワァン!!

「損傷度60%を突破!!これ以上の戦闘は
 無意味と判断、離脱します!!」

「 . . . 逃げられたか . .  ってどうすんだよ!! 
 輸送機無くなったじゃねぇか!!
 これじゃ帰れねえよ!!」

「レイブン、今さっき輸送機が発進しました。 
 数分後に到着予定です。」

「ふぅ、一時はどうなるかと思ったぜ . . . 」

「レイブン、無事か?」

「ああ、この通りピンピンしてるぜ。」

「了解だ、すぐに格納する。入ってくれ」

D機関によるレイブン襲撃事件は増加の一途をたどり、
今回襲撃されたレイブン「ゲンズィ」も
その一人だった . . . .

「おいシャウシュッツ、また被害者が出たみたいだぞ。」

「ああ、聞いているよハンク。たしかゲンズィという
 レイブンじゃあなかったか?」

「ああ、やっこさん腕がいいおかげかなんとか
 生き延びたらしいぜ。」

「 . . . そこなんだよな。」

「はぁ?何のことだ?」

「なぜ奴らは、最後にとどめを刺さないんだ?
 オレの記憶では、標的は確実に狩ると言う
 信条がある組織なんだが . . . 」

「ダメージがでかすぎたのか?」

「いや、少なくても退避するぐらいの
 余力が有るんなら刺し違えても
 倒そうとするはずだ。
 現に、以前ディードリットと交戦したとき
 確実に俺達を抹殺出来たはずなのに、
 見逃してくれた . . . これはかなり
 奥が深い話なのかもしれん . . 」

「どうだろうね . . . だが、その話を
 聞いていると、だんだんとおかしな事が
 どんどん浮かんでくるぜ。」

「ああ、だが相手の目標が見えない今は
 慎重に行くべきだな。」

「そうだな . . 」

ピピッ!!

「おっ?依頼か?」

ピッ

「レイブン、緊急の依頼です。
 先に依頼を受けたレイブンが救援を
 求めています!!
 至急、救援に向かってください!!」

「了解!!シャウシュッツ、向こうから
 来たようだぜ!!」

「ああ、オレもソリッドランサーで出る!!」

格納庫に向かったシャウシュッツは見慣れない機体を
そこで目にする . . .

「この機体は . . . ?」

「ああ、レッドバスターの後継機に新しく
 作った機体さ!!」

「ほう、名前は何と言うんだ?」

「エリアルガンナー . . お前の
 ブレイブガンナーの流れを取り入れた
 第三のガンナーさ!!」

「 . . . 道理で、ハッキングされた後が
 あったと思ったら、そう言うことか . . 」

「悪りぃ悪りぃ、まぁ減るもんじゃあないし . . 」

「 . . . 取り敢えず、出撃するぞ!!」

「了解!!」

一方、救援を求めているレイブン達は
一体のACに翻弄され、苦戦していた

「くそ!!なんであんなに早く動けるんだ!!」

「わからんが、相当腕が立つのは確かのようだ。」

「そうだな、ブレイカー . . . 」

「 . . . やはり、オレを満足させてくれる相手は
 シャウシュッツだけなのか?」

「くっ . . . つけあがるな!!」

ガガガガッ!!

「ナッツ!!無駄撃ちするな、反撃できなくなるぞ!!」

「そうは言ったって、このままじゃじり貧負けだぞ!!」

「確かにそうだが、救援が来るまで防御に徹した方がいい!!」

「 . . . 救援か . . ならばここで小休止といこうか. . . 」

「なに!! . . . ずいぶんと余裕かましてくれるじゃねぇか!!」

「落ち着け、ナッツ . .  」

「 . . . 所詮、貴様らがどうあがこうとオレの
 勝ちは決まっている . . そうだろう?」

「くっ!! . .  分かったよ!!」

「 . . . 賢明な判断だ . . .
 (おそらく来るのはシャウシュッツだろう、
  少しは楽しめると言うことか . . .)」

「 . . . あの野郎、舐めやがって!!」

「ナッツ、相手が動かない今のうちに機体をチェックしておけ、
 増援が来たときにすぐ動けるようにな . . . 」

「ああ、そうだな。」

 . . . . . . .

「ハンク、機体の方はどうだ?」

「ああ、前より装甲は薄いけど
 機動性が上がってるから、逆に性能はいい。」

「そうだろうな、なにせブレイブガンナーのデータを
 使った機体だからな . . . 」

「嫌味はよせよ . . . それより、あの機体って
 殆ど格闘戦重視のプログラムだよな。」

「ああ、基本的に零距離での戦闘が目的だからな。」

「あんな薄い装甲でか?」

「必ずしも正面ではないがな . . . 」

「なるほどね . . . 」

「お二人さん、そろそろ着きやすぜ。
  . . . なんだあのえぐれた地面は!?」

「 . . . 警戒した方がいいみたいだな . . 」

「ああ、じゃあ行こうぜシャウシュッツ。」

「 . . . 輸送機 . . 増援か!!」

「やっと来たか、待ちくたびれたぜ!!」

「 . . . ソリッドランサー . . シャウシュッツか!!」

「大丈夫か、お二人さん?」

「ハンクか?ああ、大丈夫だ。」

「こっちも、なんとかな . . 」

「待ちくたびれたぞ、シャウシュッツ。」

「 . . パニッシャー . . カーライルか . . 」

「そうだ、以前は不覚をとったが
 今度はそう簡単にはやられんぞ。」

「ああ、そうでなくてはここまで来た意味がない。」

「ふっ、そうこなくてはな!!」

バガガガガガッ!!

「うぉ!!先手必勝かぁ?」

「機体を変えた分、動きがいいな!!」

「さすがはシャウシュッツ、そう簡単に当たらんか . . . 」

「こなくそー!!」

バガァァン!!

「ナッツ!! . . こっちも反撃だ!!」

ズバワァァン!!

「ここいらで、エリアルガンナーのお披露目とでも行きますか。」

ガシュ!!ボシュシュシュシュン!!

「三体同時攻撃 . . . 当たるわけには!!」

「ちっ!!やる!!」

「 . . . エリアルの意味、教えてやろうか?」

「ん? . . 何!!」

ズガァァン!!

「なに!!直撃?どういうことだ?」

「エリアル . . 空間の名を冠し、その名通り
 3次元攻撃が得意な機体さ!!」

「そうか!!垂直ミサイルに水平ミサイルの組み合わせか!!」

「そりゃあ、避けづらいわけだ。」

「 . . . いい機体を作ったな、ハンク。」

「ソリッドランサーには負けるけどな。」

「 . . . そうか、やはり制限付きでは
 お前達には勝てないようだな . . . 」

「やっとその気になったか . . カーライル . . 」

「今までのは手加減してたのか?」

「どうやらそうらしいな、ナッツ。」

「 . . . 戦闘機能制限、レベル3まで解除。
 システム、オールグリーン . . . 」

「ん? . . . 気迫が違うぞ!!」

「ああ、これが全力のヤツなのか?」

「いや、まだ力はセーブしているが
 それでも十分驚異だ!!」

「 . . . さて、第2ラウンド開始と行くか . . 」

「来るぞ!!」

ドガガガガガッ!!

「うぉ!!動きがまるで違う!!」

「速い!!」

「どうした!!所詮はその程度なのか!!」

ガガガガッ!!

「 . . .  余り調子に乗るなよ、カーライル?
  . . . 戦闘プログラム . . .
 コード:ソードマスター起動」

ガシュン!! . . . ズバワァァ!!

「なんだあのブレードは!!」

「月光の倍以上はあるぞ!!」

「オーバーリミットか?だが、あれは瞬間に発動させる技じゃあ . . 」

「ハンク、これはブレードにエネルギーを集中させただけだ。
 オーバーリミットの半分程度の威力しかない . . . 」

「なかなか面白い芸を持っているじゃあないか、シャウシュッツ?」

「ゴタクはそれだけか?」

「なに!!いつの間に!!」

ズバワァァァァン!!

「なんて早さだ!!見えなかったぞ!!」

「ああ、幻覚じゃあないよな?」

「コード:ソードマスター . . コイツは
 機動力と格闘戦を意識したシステムだ。
 ソリッドランサーに秘められた特殊コードさ。」

「凄ぇ、これなら勝てるんじゃないか?」

「 . . . そう、思い上がっては困るな?」

「なに!!まだ生きてやがるのか!!」

「さすがにしぶといな . . . 」

「 . . . 確かに効いたよ。だが、不完全な機体では
 今のオレにはかなわん。 . . そうだろう、シャウシュッツ?」

「 . . . だからどうしたと言うんだ?
 今ここでソリッドランサーを発動させてもいいんだぞ?」

「ふっ . .  だが、これでおおかたの目的は達成したよ。
 礼を言うぞ、レイブン達 . . . 」

「どういうことだ!!」

「 . . . ノアの箱船 . . . これが我らの目的だ。
 また会おう、レイブン。」

「あっ!!消えるぞ!!」

「くっ!!逃げるのか?」

「 . . . 空間転移だ、追っても無駄だ。」

「くそ!!まんまと逃げられたか!!」

「 . . . ノアの箱船か . . まさか!!」

「シャウシュッツ、何か知ってるのか?」

「ああ、思い当たる節がある。
 だが、取り敢えずは帰還しよう。
 話はそれからだ . . . 」

         サイレントライン:真の目的 完
作者:ハンクさん