サイドストーリー

地上編第二話 一時の安息
???「、、、、、、どこ?」

ラゴウ「お?起きたか、ケイト。」

ケイト「ケイト、、、誰?」

ラゴウ「お前の名前さ。」

ケイト「それもだけどそうじゃない。アンタ、誰?」


すぱぁぁぁん!!


リア 「親に向かってそんな口のきき方するんじゃありません!!」

ケイト「誰だよ?アンタも。」

リア 「リア・クリスティー、あなたのお母さんよ。で、こっちがお父さんのラゴウ。」

ケイト「昨日の実験が終わってない。」

リア 「もうそんなことをする必要は無いのよ。」

ケイト「オレも失敗作なのかよ?」

ラゴウ「成功も失敗も無い。お前の身柄は俺たちが預かったということだ。」

リア 「なによ!?その言い方は!?」

ケイト「わかった。じゃ、言う事聞く。」

ラゴウ「こういう言い方でもせんと話が進みそうに無いからな。」

リア 「ハァ、、、相当な問題児ね、これは。」

ケイト「オレ、どうすればいい?」

ラゴウ「とりあえずは、、、そうだな。普通の生活を学べ。俺たちが普通かどうかはわからんが。」

リア 「その前に!お母さんっていってごらん?」

ケイト「なんで?」

ラゴウ「俺たちがお前の育ての親という事になるからだ。俺のことは、、、」

ケイト「わかった。父さん。」

リア 「母さんは?」

ケイト「、、、、、、、、、、、」

リア 「か・あ・さ・んは!?」

ケイト「、、、、、、、、、、、、、、、、、、母さん」

リア 「なんだか扱いに差があるわね、、、ま、いいか。これからよろしくね?ケイト。」

ラゴウ「ま、何も考えずにしていればそのうち慣れるだろう。」

ケイト「うん。」


こうして、三人の複雑な生活が幕を開けた。そのころ、


整備士「こいつぁいい加減スクラップに出したらどうだい?」

アンチロウ「んな事言わねーでさぁ。頼むよ?ガストのおっさん。」

ガスト「その名前で呼ぶなってんだ!あのな、、、ざっと見てみただけで修理不可能な部品がノートいっぱい見つかったんだぞ?
新品に買い換えた方が安上がりだよ。」

アンチロウ「今アキレアを買い換えるとなると赤字なんだよ。ツヴァイもオーバーホール中だし、、、だから頼む!!違法でも何でもいいから!!」

ガスト「んなこと言われてもさ、、、んー、わかった!しょうがねえ、こうしよう。いいか?
今回の代金はうちの方で立て替えとく。で、金が入ったら少しずつでも払え。それでいいな?」

アンチロウ「サンキュー、おっさん!!恩にきるぜ!!」

ガスト「だからって、依頼の選り好みなんかすんじゃねぇぞ!!」

アンチロウ「わーかってるって!じゃ!!」

ガスト「ったく、あのレイブン崩れといいあいつといい、ろくな奴がきやしねぇ、、、」


伝説のレイブンは金に困っていた。


???『ワシだ!調べはついたんだろうな!?』

ラゴウ「は、確認が取れている全てのレイブンを調査してみましたが、怪しい者はおりませんでした。
クレストあたりが作ったAI搭載機の暴走という線もありますが?」

???『AIがあれだけの性能を発揮すると言うのか!?馬鹿らしい!!』

ラゴウ「ですが、【管理者】のこともあります。あながち無いとは言い切れません。」

???『むぅぅ、よし、わかった!ならその線で調査を進めろ!!いいか!あの研究には莫大な金がかかっているんだ!なんとしても探し出し、排除しろ!!』

ラゴウ「、、、わかっております、、、では。ふぅ、、、、クッ、ええい!クソが!!」

ケイト「何怒ってんの?」

ラゴウ「赦し難い奴がいるだけだ。」

ケイト「ふーーん、、、殺せばいいのに。」

ラゴウ「殺すまでも無い。いつか裁きの時は来る。どんな悪人にも、な。(そうだ、俺もいつかは、、、)」

リア 「その前に言葉使いを注意なさいよ、、、」


ビーー  ビーー   


ラゴウ「通信?またか、、、」

リア 「どうしたの?」

ラゴウ「クレストのお誘いさ。大の企業がしつこいことだ、、、」

ケイト「潰す?」

ラゴウ「どうやって?」

ケイト「地下のAC使って。」

リア 「!!ど、どうしてそれを、、、」

ラゴウ「グリッド・レーダーか、、、」

リア 「え?」

ケイト「オレの頭の中に埋め込まれてる力の一部。でもわからない。父さんはどうしてそれを知ってんの?」

ラゴウ「、、、、、、、、、」

ケイト「父さんも同じ?」

リア 「な、何言ってるのよ?そんなわけ、、、」

ラゴウ「そうだ。俺もお前と同じ、強化人間だ。」

リア 「ちょっと!!」

ラゴウ「構わん。隠したところで意味が無い。」

ケイト「わからない。どうして父さんは自由にしてるの?強化人間に自由は無いってプロフェッサーが言ってた。」

ラゴウ「なんだと?そのプロフェッサーとか言う奴は男か?あの研究所にいたのか!?」

ケイト「違う、女。通信でしか見たこと無い。あの研究所にはいなかった。」

リア 「どうしたって言うのよ?血相変えて、、、」

ラゴウ「エグザイルの奴も同じことを言っていた。強化人間に自由など無い、と。」

リア 「それじゃ!?」

ラゴウ「それだけじゃ判断できん。偶然の一致ということもあるしな、、、」

ケイト「オレの質問に答えてない。」

ラゴウ「何故自由にしているのか?だったか。そうだな、俺が望んだから、かな。」

ケイト「望めば自由になれるの?」

ラゴウ「望みはあくまで思いに過ぎない。それを叶えるためには力と、意思が必要になる。
意志なき力は凶器にしかならず、力なき意思は憧れにしかならない。」

ケイト「わからない。」

ラゴウ「いつかわかる日が来るさ。必ず、な。ま、それ以前に常識の範疇で望みを持つようにな。」

リア 「あはは、、、(あなたがそれを言う?大企業相手に喧嘩売らなきゃ叶わないような望み持ってるあなたが)」



第三話へ続く





あとがき
日常会話のみ、戦闘なしの文となりまして、一話共々非常に短いSSです。
もうホントに、ごめんなさいm(_ _)m
作者:ミストさん