サイレントライン:ノアの箱船
帰還したシャウシュッツは共に帰還したレイブンや
友人であるコアやフライレを呼び、
襲撃を生き延びたゲンズィも呼び出した . . .
「シャウシュッツ、一体相手は何をしようって言うんだ?」
「それに、ノアの箱船っていったい何のことだ?」
「 . . . ああ、そうだな。
ノアの箱船の全容までは分からないんだが、
逃亡する際にチラッと見た情報では
ある神話の内容をそのまま再現しようとしているらしい」
「 . . . そうか!!あの神話か!!」
「おいおい、知ってるのかハンク?」
「ああ、あの神話は今のように争いを続ける人間達に
愛想を尽かした神が唯一争いを嫌う人間と
戦乱により住処を失った動物たちを一つの箱船に乗せた後、
神が地上に大雨を降らせた . . . 」
「それでどうなったんだ?」
「その後、大雨により大洪水が発生して地上に残った人間達を
流れさせて、唯一生き残ったのは
箱船に乗った物だけという話さ。」
「 . . . まさか、D機関は洪水を何かに見立てて俺達を
抹殺する気か!!」
「 . . . その通りだ、ゲンズィ。
そして、箱船はD機関、神はD機関総帥
カラード・シュマイザーだろう . . . 」
「そいつが元締だな、シャウシュッツ?」
「ああ、その通りだコア。」
「都合のいい連中だな、シャウシュッツ。」
「ああ、だがこのままやられるつもりはないがな。」
「当たりめぇじゃねぇか!!あの野郎には
リニアキャノンの恨みもあるからな!!」
「 . . . そう言えば、そのリニアキャノンだったけど
2連になってたのはオレの気のせいか?」
「よくぞ聞いてくれましたハンク!!
. . . あれは、奴らがキャノンを攻撃してくれた
おかげで出力が . . . . 」
「はいはい、話がそれるからそこまで。」
「聞けよゴラァ!!」
「なぁ、リリスちゃんの方はどうだいシャウシュッツ?」
「ああ、順調に成長しているよ。
今じゃあ企業からの信頼も急上昇中だ。」
「さすがはシャウシュッツだな。」
「いや、6割方は彼女の才能だろう。
あそこまで凄まじいセンスは見たことがない。」
「もしかしたらお前を超えるかもな。」
「ああ、あり得ない話ではないな。」
「所で、当のリリスちゃんは?」
「今は、依頼を受けているはずだ。」
「忙しい毎日だなぁ。」
「おかげで訓練が滞っている。」
「実戦訓練は十分みたいだけど。」
「まぁな。」
「そうそう、彼女がやってる訓練をオレにも
やらせてくれよ。」
「いいのか、ハンク?」
「いいぜ。どこからでも来いってんだ!!」
「じゃあ、データを転送してやるから機体に乗ってくれ。」
「あいよ。」
カタカタ . . . チュイーン . . . ピッ!!
「データはどうだ?」
「ああ、ばっちり転送されたぜ。」
「じゃあ、始めてくれ。」
「さて、何が出るのかな?」
「戦闘訓練を開始します . . . 」
「おっ!!来た来た . . .何々、距離600から
射撃300発だって?」
「目標 . . . 表示します . . . 」
ガガガガガガッ!!
「へっ、ちょろいもんよ。」
「 . . . 戦闘訓練を開始します . . . 」
「今度はミサイル回避訓練か . . って、
なんだこのホーミング性能は!!」
外のモニターに出ている映像を見てシャウシュッツは . . .
「ハンク、リリスはその訓練で回避率100%
をコンスタントで叩き出してるぞ。」
「いちいちうるせえよお前は!! . . って、うぉ!!」
「それにしても、凄い訓練だなシャウシュッツ。」
「ああ、だが最初からここまでレベルは高くない。」
「と言うことは、彼女の技量で上げていたのか?」
「そう言うことだ、ブレイカー . . . 」
「信じられんな . . . 」
「この野郎 . . . つけあがるなぁー!!」
バガガガガガッ!!
「って、ハンクのヤツ発砲したぞ!!」
「この訓練で目標を破壊するのはマイナスポイント
に加算されます . . . 。」
「あ〜あ、逆上しやがったな . . 」
「ポイント、マイナス500 . . . 」
「 . . . 相変わらず忍耐のないヤツだ . . . 」
「ポイント、マイナス . . . 」
「しかし、ああも正確に回避しながら的確に
攻撃を当てているな。」
「ああ、そう簡単に出来る事じゃあない。」
「とはいえ、破壊しては訓練失敗だがな。」
「訓練結果は . . .ザザー. . ピー . . . 」
「黙れってんだろうが!!このポンコツマシンが!!」
「おいおい、マジギレしてるぞ。」
「大丈夫なのか?」
「マシンを壊さなければいいんだがな . . . 」
「まったくだな . . . 」
「最終戦闘訓練を開始します . . . 」
「シャウシュッツ、今度はぶっ壊していいんだな?」
「ああ、盛大にやってかまわん。」
「ありがとよ . . . 」
「あいつ何をやらかす気だ?」
「余り考えたくないな。」
「目標 . . .」
ズガガガガッ!! . . . バシュシュシュシュン!!
「おいおい、出ると同時に攻撃しやがったぞ!!」
「相当、腹に据えかねているな . . . 」
「どんどん、やられていくぞ . . . 」
「シャウシュッツ、彼女のタイムは何秒だ?」
「30秒だ。」
「で、ハンクは何秒で終わりそうだ?」
「20秒もかからんだろう。」
「あらま。」
「おい、もう終わったらしいぞ。」
「今何秒だ?」
「18秒53だな。」
「速すぎだろ。」
「さて、そろそろオレもでるか . . 」
「対人訓練か?」
「そう言うことだ。」
「なんだ、最後はシャウシュッツかよ。」
「悪いか?」
「いや、エリアルのいいテストになるからな。」
「じゃあ、なおさら本気で行かなくてはならないようだな?」
「じゃなきゃあ、勝てねぇだろ。」
「 . . . 自惚れるなよ . . ハンク?」
「おいおい、シャウシュッツも火がついたらしいぞ。」
「コイツは見物だな。」
「賭けるか?」
「シャウシュッツに1000。」
「 . . . シュミレーションを開始します。」
「ブレイブガンナーか . . .
さぁ、来いシャウシュッツ!!」
「 . . . 行くぞ、ハンク . . 」
ズガガガガッ!!
「ハンクが先制したぞ!!」
「だが、全く当たってない!!」
「ああ、なんて早さだ!!」
「くそ!!何であたらねぇんだよ!!」
「正面ばかり見ているなよ . . . 」
「しまっ!!」
ズシャァァン!!
「ブレードがヒットしたぞ!!」
「これで肩は使えないな。」
「だが、これでハンクの機体も速くなるぞ。」
「機動合戦か . . . 」
「 . . . バックパーツ開放!!
行くぜシャウシュッツ!!」
「その程度でいきがるなぁ!!」
バガガガガガッ!!
「しまった!!直撃か!!」
「もらった!! . . オーバーリミット!!」
「やば!!避けきれねぇ!!」
キュワァァァン . . . ズバワァァァァン!!
「機体損傷度が99%を超えました。
シュミレーションを終了します . . . 」
「シャウシュッツの圧勝だな。」
「ああ、実戦なら確実にハンクが死んでたな。」
「相変わらず恐ろしいヤツだ。」
「ふぇ〜 . . . 」
「だから言っただろう、自惚れるなと . . 」
「さて、そろそろ部屋に戻るか . . . 」
「ああ、そうしよう . . 」
その時、レインが血相を抱えて走ってくる!!
「おいおい、何があったんだい?」
「はぁ、はぁ. . 大変よ!!
リリスが . . . 」
「リリスちゃんがどうしたって?」
「D機関のACに誘拐されたわ!!」
「何だって!!そりゃ本当か!!」
サイレントライン:ノアの箱船 完
作者:ハンクさん
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