ファントム 第五話 責務
パソコンの緊急をしらせるコールが鳴る
「どうしたんだい?」
「では、本題に入ります。緊急の依頼です。
クレストの管轄しているセクション366が何者かによって
襲撃されています。クレストの部隊も応戦しているのですが
ほとんどがやられてしまったようです。
そこでレイヴン、すぐに向かって援護にまわってください。」
「わかった」
僕はガレージのACに乗り込む。
そしてローダーにACを積み込む
数分後、目標の地点に到着した。
ローダーからACを下ろす
「ゲートを開放します。注意してください」
ゲートを開けるとそこには何機ものMTやACの残骸が
転がっているだけだった。
そしてその中に見覚えのある赤い機体
レッドドリーマーだった。
『よぉ・・・アンタD→Aだよ・・・な・・・?』
『生きてたのか・・・』
『ああ・・・まぁ、見ての通り動けないけどな・・ハハ・・』
『この様はいったいどうしたんだ?』
『さぁ・・・な・・・オレもワケわかんねーよ・・・ただ
ACのようでACじゃなかった・・・それだけは言える。』
『そうか・・・』
『気を付けろ・・・』
『わかってるよ・・・」
そして僕はフィアに通信をいれる。
「フィア、僕が乗ってきたローダーをコッチによこしてくれ
そしてレッドドリーマーをのせていったん引き返してくれ」
『了解しました』
『悪いな・・・』
そして僕は前に進んだ。
『だ・・・誰か助けてくれ!!』
僕の目に飛び込んできたのは異形な姿をしたACだった。
まるで何かに寄生されているような
『レイヴンか!助けてくれ!』
僕はグレネードを放つ
それが異形の姿をしたACに直撃し、反動で吹き飛ぶ
『今の内に逃げるんだ』
『恩に切る、レイヴン!』
そしてMTは去っていった
『さて・・・始めようか・・・・』
『グ・・・ギョ・・・D・・・・A・・・』
『コイツ・・・僕の名前を・・・』
異形の姿のACがゆっくりと近づいてくる。
『ディー・・・・エー・・・・ウォォォォォ!!!!』
そして急に飛び掛ってくる
ブースターでバックする
さっきまで僕が居たところは深くえぐれていた。
「チッ・・・・」
グレネードを連射する
そのACは全弾を軽く避ける
『レイヴン!そのACはインザストです!』
「インザストだって?ヤツは前回のミッションで撃破されたはずじゃ・・・」
インザストの頭パーツにはグロテスクな大きく見開かれた目がついていた。
そして右手には刃のような物、左手にはまるで植物のつるのような物が
うごめいていた。
だが、肩にわずかに見えるエンブレムがインザストだという事を
証明していた。
自分のレーダーをよく見ると全く反応していなかった。
すなわち、ヤツは機械であって機械でない。
そんな存在に変化していた。
インザストの左手のつるがのび、グレネードとチェインガンを破壊する。
「な・・・!?」
そしてインザストが僕の前に立ちはだかる。
「絶対絶命ってヤツかな・・・・」
今度こそ僕は死を覚悟した。
『レイヴン!退避してください!』
「それはできないな・・・コイツは僕を狙ってる
僕が逃げてもどこまでも追ってくるだろう。そしてコイツは僕しか倒せない」
『何を根拠にそんなことを・・・』
「悪いね・・・フィア・・・僕が死んだときにはナナミを頼むよ」
『レイヴン!・・・』
僕は通信システムを切る
そうでもしないとフィアは聞かないだろう
僕は死んでもかまわない。
僕が死んでも誰かが悲しむ事はない。
だから僕は今、自分がすべき事をする。
今ヤツを倒すことが僕の責務それだけだ。
『さて・・・再戦だ・・・・』
『D・・・・・A〜〜〜〜〜〜〜!!』
刃が僕の機体の右手に向かってくる。
回避する間もなく僕の右手は破壊される
僕は横にスライドしてブレードを振る
赤い閃光がインザストを切り裂く
だがほとんど効いていなかった。
「もう・・・ダメかもね・・・」
そう言って僕は微笑んだ。
「ゴメン・・・ナナミ・・・フィア・・・」
インザストの刃がコアを貫く。
作者:クリムゾンベルセルクさん
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