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白昼・・・というにはあまりにも薄暗い空。
しかし、現時刻は真昼の2時、である。
「・・・ハッピバースデートゥーユー・・・」
地上進出時に建てられたレイヴンが集う組織――グローバルコーテックス。
更にその脇に建造された、グローバルコーテックス登録レイヴンが住まう寄宿舎がある。
その1室から、そのもの悲しい歌は流れていた・・・。
「ハッピバースデートゥーユー、
ハッピバースディ、ディア・エーマー、ハッピバースデートゥーユー・・・」
ふぅー
両の頬に煌く筋を表しながら、エマはその歌を終え、小さなケーキに立てられた小さなキャンドルの炎に吐息をかける。
「いぇぇぇええいっ!!」
一息で消えた炎を見とめ、両手を上げて喜びの形を現す。
その瞬間、その頬の筋は煌く粒となって頬から離れ――
「・・・・・・虚しく無いのか?」
「レイヴンが歌ってくれないからじゃないですか!?」
いきり立ってエマは叫んだ。
そもそも事は2日前。
エマのメールにより、カイは取り合えずではあるが、この日のための食料を買うために寄宿舎を出た。
この話は別の話であるので、今は切り離して置こう。
当日、買い物から帰ったカイの見事な調理の腕により、エマの頼んだ食材でケーキができたのである。
そこでエマは今日が誕生日であるという事をカイに話し、歌をうたって欲しいと頼んだのだが、
『俺の仕事はこれで終わりだ。後は1人でやれ』
・・・後の事は、最初に書かれている通りである。
今は小さな食卓を挟むようにようにして、ケーキを食している。
エマは涙を浮かべながら、カイはその小さな食卓の大部分を占めるパソコンに目を配りながら、である。
無論、お互いに言葉は無い。
カタカタというキーボードを打つ音と、租借音のみがその狭い個室を支配している。
「・・・レ、レイヴン・・・」
とりあえずこの雰囲気を明るくするためにも声をかけるエマであるが、
「黙ってろ」
ぐちゃッ
案の定、とでも言える言葉にエマの持っていたケーキが半壊し、テーブルの上へと落下する。
「・・・・・・・・・・・レイヴン」
「片付けてからものを言え。
人の家だぞ」
「うっっるさあああああああああいぃッ!!」
ズガッシャァ
今だパソコン画面から目を離さないカイに、エマが秘伝のテーブル返しをお見舞いする。
「・・・」
無言で左腕だけを動かしてパソコンのテーブル退避に成功するが、先程のテーブルに落ちたケーキとテーブル自身は避けようもなく直撃する。
ズガッ
「っ!」
顔面に直撃し、顔に自らの作ったケーキの残骸を付着させて仰け反る――が、倒れはしないようだ。
「はぁーっ・・・はぁーっ・・・はぁーっ・・・はぁーっ・・・」
肩で荒い息をつくエマを見つめつつ、顔についたケーキをタオルで拭うと、カイが口を開く。
「人に頼んだ物を投げ捨てるな。勿体ないだろうが」
「黙ってくださいなんなんです貴方は!? 人の事はさり気無く無視するクセに自分の時は自分優先で自己中でおまけに私より料理上手いし微妙に短気ですぐ暴力使うような使わないような事したりはぐらかしたり方向音痴だしそれから妙なところでズれてむぐぅっ!?」
少し意味の無い事を入れて一気にまくし立てるエマの口に、自分の食べかけであったケーキを突っ込むカイ。
「今は調べている最中だ。静かにしていろ」
「うっぐ・・・! ゲホ、ゴホッ!
なにするんですかッ!?」
「だから今は黙っていろ」
「そんな事――」
ストン
なおも言い募るエマの首筋に、カイが右手で手刀をきめる。
そのまま崩れ落ちるエマを視認すると、パソコンの重さに左腕が辛くなってきてテーブルを立て直し、邪魔者がいなくなったそれの真ん中にパソコンを置く。
とりあえずエマは邪魔にならないよう配慮し、尚且つ起きた時不機嫌にならないようベッドへと移動させる。
カイが先程から調べているモノ、それは――
先日、エマより送られたアンノーンとの戦闘記録である。
アンノーン――その存在が確認されたのは、つい最近・・・とは言っても2、3年前の事であるが。
最初に接触を果たした企業、と言うよりも被害を受けた企業はミラージュである。
『管理者』という呪縛から解き放たれた人類は、まさに巣から自立する鳥の如く地上へ飛び立った。
その勢いや凄まじく、開拓中は「今すぐにでもこの星は町へと変わる」、などという発言もでたほどである。
しかし。
地上進出を果たした企業に、巨大な難関が待ち受けていたのである。
その1つは――衛生砲。
開拓のために出た大企業、ミラージュの作業班は、一瞬にして消滅した。
各企業にとっては予想だにしなかった出来事だろう。
ミラージュは2回目に派遣した調査班を囮にし、その原因を突き止める事に成功する。
それは、超長高距離からの砲撃である。
地球を回る衛星――それ自体が1個の兵器となっており、それが一定の場所、ラインを経過する何かに砲撃が来るという事である。
しかし他の企業も同じであるが、ミラージュはその領域進出を強く演説し更なる協力者、中小企業を味方につけて勢力を増大していった。
ミラージュは自らの想定したライン−これを一般的にサイレントラインと呼ぶ−から外へ出ぬよう、研究施設や軍事施設の類を作り出した。その他の企業も後に続くようにぞろぞろと建設していき――
ここまでは良かったのである。それから数年後――現在から数えて2、3年前であるが、
サイレントライン付近にある施設が次々と正体不明機によって被害を受け始めたのである。
これが2つ目の難関である。
この状況には流石に企業も撤退を始めるが、破壊されなかった施設の1つ――それを新たなるサイレントラインとして再び、軍事・研究施設を建設していったのである。
こうして、日夜サイレントラインと衛生砲、アンノーンの研究が始まったのである。
(開拓したり研究したり、反対する大企業を襲ったりと・・・忙しい連中だ)
心の中で呟くと、カイはパソコンの画面に目を配る。
アンノーン・・・
「・・・在り得ない機体だな?
重装甲と高機動、高火力・・・並外れただけの技術力では造れるはずも無い」
高機動――とは言っても、推進力が、である。小回りは余り効かないようだ。
とりあえずカイは独りごちると、顎に手を当ててアンノーンの使用する武器を解析する。
大型グレネード・・・かなり反動があるはずだ。しかし、対ショック性能を強化させているおかげかどうかは知らないが、アンノーンの右手は微動だにしない。機体内部には強力なGもかかると思ったのだが、これがAIという利点である。ただ単に小さな衝撃吸収装置を取り付けるだけで済み、その分ジェネレータの容量や装甲の厚さを改造ができるのだから、まさに打って付けである。
そして、この機体で最も注目すべき点は――5連射プラズマライフル。
強力なプラズマライフルを連射させるという事は、現在まで不可能と言われ続けていた。
理由は明確である。一瞬でオーバーヒートを起し、更には爆発するからである。
基本的にプラズマライフルは、相手に与えるダメージは大きいが、そのライフル自身にも熱量負荷は及ぶ。
ライフルにはラジエータも機能されているが、ACのような高性能が積まれているはずもなく、1発1発の間に熱量沈静の作業が行われているのだ。
マシンガンやバズーカにも熱量はあるが、プラズマなどという超高温物質を吐き出している訳ではないので、基本的に連射も可能である。
過去に作られた物に、連射型のエネルギー兵器が存在するが、低出力であり、エネルギーそのものの密度が低く・・・即ち攻撃性能も著しく下がった――そこにあの武器の登場である。
大企業の者が血眼になって調べるのも、当然である。
(この機体1つがハイテクの塊か・・・)
もしも、このアンノーンが殆ど無傷で捉えられれば、大袈裟などではなく、この技術世界に革命が起きるのではないだろうか。
最後に残ったモノがブレード。
高出力ブースターのおかげであろう、その機動力も合間って充分な白兵戦用兵器として使用されている。
イレギュラーナンバーと謳われたムーンライトとまではいかないものの、ある程度の攻撃力はあると見て間違い無い。
このアンノーンとの戦いを有利に運ぶ為には――
圧倒的な攻撃性能と耐久性とでの真っ向勝負により、力で捻じ伏せる。
しかし、これはトレノが使っていたが尽くかわされたので、実用的ではないかもしれない。
単に彼女の命中率が低かっただけかもしれないが。
後は高起動で敵の動きに食いつき、ちくちくと削りとるという方法。ブレードは必須である。
だが、並以上の回避能力が無ければ無理であろう。一撃でも受けて動きが止まればアウトである。
(結局のところ、こいつをやるには相当の腕が必要だと・・・?)
しかし、万能という訳では無い。
自立型ACは生きてはいないのだ。――死んでいる。
予想外の事には完全に対応し切れておらず、一瞬程フリーズする。中堅レイヴン辺りなら、それでも勝手に体が反応するはずだが。機体自体のAIとてもおそらくCランク下位辺りだろう。
よって、見切る事は容易い。正確さ故の避けやすさである。
まあ、厄介な事に変わりは無いのだろうが・・・。
ここで1つの疑問が残る。
何故このようなAIなのか?
これ程の機体や兵器を造れるのならば、現在トップランカー、フォグシャドウ、ゼロ、メビウスリング・・・この程度までのレベルをコピーする事は簡単だと思うのだが。
訳がわからない。
テクノロジーの結晶とでも言うべきこの機体に似つかわしいAIでは無い。
むしろ、有人機として運用した方がずっといい。SLに人が居る可能性はともかく、の話であるが。
「俺の知らない場所で、俺に関わる事が動いている・・・。
なにが起きようとしている? この地上で・・・」
前髪をかきあげながら呟くと、いつも着込んでいる馴染みのコートの内ポケットから、小さな十字架のペンダントを取り出す。
「――アメリア・・・」
カイは再び言葉を零し、十字架を握り締める。
ここ数年、思い出した事も無い妹の顔が、彼の脳裏を過ぎった。
ワアアアァァァァァァ・・・・
「・・・かなり熱があるな・・・」
カイは辺りの歓声とその熱気に、疲れた声を漏らす。
彼の居る場所――アリーナ闘技場の観戦所。
小さな椅子を軋ませるようにして厳しく座る大男や、それとは逆に柔和な女性までもがそのベンチとでも言うべき場所に座している。
アリーナ闘技場の一角に設置されているのだが、天井は無く吹き抜けであり、アリーナでの安全面を思慮した画面での観戦となっている。元は闘技場を囲むようにされていたのだが、とあるレイヴンの戦いの場で、勝敗が決すると同時にアンノーンが乱入。
一撃で勝利したレイヴンのACを戦闘不能にすると、そのまま客席へと突進。
特殊強化ガラスを打ち破ると辺りを火の海にして撤退したのだ。
この出来事によりアリーナ運営局は、「安全面の思慮が足りない」「被害を被る時の予想する範囲が狭すぎる」との指摘を受けて、観客席を移動したのである。・・・まだ造りかけでありそれ故天井が無いのだが。
それによって臨場感は少なからず損なわれたが、それでもアリーナファンによってはさして意味も無いようである。ちなみに映像は空中浮遊型MTによって撮影され、これによって他機体の探知を早め、被害を少なくするという処置を試みたのである。
何故SL付近でも無いこの場所にアンノーンが・・・?
それは今考えるべき事では無い。
今の彼の目的は――
『――さあ、始まります! こォん日のメインイベント・・・!!
アリィィィナァァァァァっ!!』
アナウンサーが景気良く叫ぶ――が、観客の声は聞こえない。
観客席が別なのだから仕方ないではあるが、少し侘しいモノがある。
『ゴホン、・・・失礼。今回の挑戦者はッ!』
一瞬咳払いなどしつつ、アナウンサーが気を取り直したように叫ぶ。
『期待すべき新人レイヴン、実質只の違法改造による卑怯者! カイ・カツラギの行進撃を食い止めたァ、ヴァーナルフラワー選手の、フラッシュバックU!!』
随分な言われようではあるが、これは客を賑わわせる為の実況である。罵詈雑言が出てくるのが丁度良いくらいだ。
話を戻し――ヴァーナルフラワーの新しく駆るフラッシュバックUが闘技場へと上がる。
淡い蒼を散りばめられた、白のボディを基本とする軽量2脚AC。
――カイが戦った時のフラッシュバックとは、正に別の機体がそこに居た。
その武器も変わり、右腕にはCWG-SRF-100スナイパーライフル。左腕にはダガーを装備、バックユニットに最高位のレーダーとCWR-S50――ロケット。
4脚型であった時の外見とは全く違う、スレンダーな機体へと変化していた。
『そしてッ! それを迎え撃つレイヴンとは!?
――そう、あの不死鳥と名高いカロンブライブのファァァァイアーバァァドッ!!』
そして、全身の紅が一際目立つ機体が、闘技場へと上がった。
「!」
挑戦されたレイヴンの名に、カイは愕然とする。
思えば、リトルベアからのメールでこの事を知ってすぐ飛び出したのだが、相手が誰かなどとは確認していなかったのである。
カロンブライブ――現Cクラスランカーの代表である。
これを制すれば、Bランクへの挑戦が可能になる。
しかし。
彼女とカイが勝負した時、彼らのランクはEランク。
ここ数週間でここまで登って来れるのは、相当な実力者のみである。
(・・・・・・ブレイブハート・・・・・・?)
カイは訝しがって、2分割された画面を見る。
アナウンサーの実況の間、2機のACのフレームや武装、エンブレムなどが映し出される。
フラッシュバックUのエンブレムは――花、のままである。
(・・・俺との接触で過去が呼び起こされたのか?)
それ以外の結論は導かれない。
彼女自身が全てを取り戻したというのなら、エンブレムに花など――それ以前にアリーナなどには参加しないであろう。
『レディイイイィイィ・・・・・・GO!!』
カイが考えに耽る内に、戦闘が始まった。
ズギャッ
蒼いブーストを起動させ、白いACが真正面から突っ込む。
カロンブライブのファイヤーバードが熱量特化のライフルを構える中、フラッシュバックUはダガーの刃を灯す。
(・・・ダガー戦をやるとでも・・・? ならばッ!)
銃は無粋と自らもダガーを引き出しブーストをかける。
刹那――
ギャリィッ
短い刃と刃がぶつかり合い、耳障りな音をたてる。
ギムッと音をたててフラッシュバックUを弾くと、カロンブライブの表情に笑みが浮かぶ。
「・・・おもしろいな。女のクセにブレード戦を挑むとは・・・」
『今の時代、差別なんて流行らないでしょ? エクレールっていう女のレイヴンだって居るんだから』
「ふん・・・まだ子供だな」
むくれた女の声にカロンブライブは鼻を鳴らすと、ミドルレンジライフルを構える。
フラッシュバックUの方も後方へとブーストでステップ移動をし、スナイパーライフルを構える。
実際、かなり様になっており、クレスト最新型モデル、OXIの蒼い目が何処か鷹を連想させる。
「・・・」
ごくり、と生唾を飲む。
カロンブライブは、自分に挑戦してくる者の実力を計る・・・この事を最近の楽しみとしていた。しかし、実際のところ彼の眼鏡にかなう者はいない。
彼が期待していた新人レイヴンとて、違法改造だ。笑わせる。
最早自分より上にしかいない――そう感じ取った彼に、再び期待を持たせたのが、ヴァーナルフラワーのフラッシュバックUである。
新人レイヴン相手に格好の的、更には回避運動の練習台とまでされていた彼女の急に戦績が伸び始め、その才能を開花させるようにしてアリーナを勝ち進んだ彼女は、今やBクラスまで届かんばかりではないか。
今から、その実力の程を見極める事が出来る――
カロンブライブは、自らの口元の歪みに気付いていない・・・。
「そろそろ始めるとしようか・・・?」
『いつでもいいわよ、私は』
「良い返事だ・・・ッ!」
カロンブライブはライフルを構え、突進していった。
スナイパーライフル――その長距離戦を想定したレンジと弾速、射撃精度はそこらの武器とは断然違う。
一般発売でも売り上げの高いミドルレンジのライフルとは違い、扱いにくいという欠点があるのだが、単発の威力はミドルレンジを大きく凌駕する。
(当てる・・・!)
ヴァーナルフラワーは心で言うと、ライフルのトリガーを引く。
ズガンッ
しかし、ライフルの銃口から火が吹いた瞬間にはファイアーバードはロックサイトから外れており、お返しとばかりに熱量特化のライフルを連射する。
が――こちらもあっさりとかわされる。
この熱量特化のライフルは、一般のライフルに加えスナイパーライフルと比べても、熱量は圧倒的に上である。連続で受ければ熱暴走は必至だ。
(サイトの小さい機体での近距離戦は・・・!)
フラッシュバックUのブースターを巧みに操り、側面に居たファイアーバードを正面に入れて間合いを取る。
『ふっ・・・そのダガーは何の為にある!?』
「!」
カロンブライブの罵声と共にファイアーバードがミサイルを放つ。
当然の如く平行移動で回避をした瞬間――
ザグッ
「くッ!」
フラッシュバックUの動きに食いついたファイアーバードのダガーが、そのフレームを切り裂きACの活動に必要なゲージをごっそりと削る。
ヴァーナルフラワーが呻いたのはファイアーバードの一連の動きが終了してからの事。
一瞬で斬られたのだ。
(動きが読まれた!?)
『――まだだ!』
「・・・!」
接近戦での戦闘は不利と判断し、OBを起動させようとした左腕が――止まる。
――何の為に逃げる・・・?
たかだか『ゲーム』に、逃げる事は無い――
――行け、お前の――私の押すボタンはそれでは無い・・・。
「・・・無理だな」
誰もが立ち上がって、カロンブライブへ歓声を上げる中、カイは1人椅子に座して腕組みをしていた。
この勝負はほとんど決まっている――何故なら、あの薄い装甲にダガーの一撃を受けたのだ。当たり前のように前頂部はザックリと裂かれ、内部の配線は火花をあげている。
これを受ければ誰もが後方へと撤退するだろう。もしくは牽制をするかも知れない。
が――それでは『勝てない』。
(カロンブライブがCランクの代表を維持してきたのは、偶然や幸運だけじゃない。
その勝負強い勘だ)
確かに、カロンブライブは強運の持ち主だ。しかし、それは世間一般での話である。
実際、彼には洗練された腕がある。その腕でここまで勝ち進み、さらに生まれながらの勝負勘で幾度もの激戦区から帰還してきたのである。
さきほどのブレードとて、近距離戦は不利と思い回避すると踏んだ上での行動である。
その為、容易に接近戦へと持ち込まれたのだ。
例え後方に逃げようが空を舞おうが、結局は同じ事を踏む。
勝つ為には――
カイの考えに賛同するように、フラッシュバックUは動いた。
「終わりだッ!」
カロンブライブは叫ぶ――が、これはただのはったりである。
しかし実際、あの薄い装甲のコアを切り裂かれた状態で、更に切り裂かれればどうなるか。
結果は単純。APが0になるだけである。
今はまだ充分残っているが、本体の動力部がやられるのだ。ただでは済むはずがない。
それに加えてのカロンブライブの言葉である。大抵の者は回避に移る。
今までの奴らはそうしてきた。たまに斬られる奴も居たが。
そして――ダミーであったダガーの回避に成功した後、カロンブライブの構えるロケットにより粉砕されるのだ。
そしてこの女も――
ガキィッ
「っ!?」
唐突な衝撃音に、カロンブライブの考えは止まる。
目の前にはヴァーナルフラワーのフラッシュバックUが。
しかし、ダガーは振られていない。
『・・・まだ』
「!」
冷たい――先程の搭乗者とは思えぬ程の冷徹な声が、回線を通じてファイアーバードのコックピットへと流れ込む。
ズガンッ
「ぐ!?」
左からの衝撃と発砲音に、今度はカロンブライブが呻き声をあげる。
慌ててカメラを回すと、左腕の関節が無残にも引き千切られ、中の伝達コードは散乱している。
それに合わせるように向けられた銃口。
(あの一瞬でライフルをACの関節に!?
この女・・・・・・ッ!)
間合いを取る為に、予め構えていたロケットをフラッシュバックUへと放つ。
ガガガッ
すぐにフラッシュバックUはダガーで斬り払うが、ファイアーバードの体勢を立て直す時間としては充分である。
ズガン ズガン ズガンッ
連続で発射するが、その尽くが見切られ、舞うような回避運動の元であらぬ方向へと消えていく。
「C-2は伊達では無いと!」
『残念・・・C-1だよ』
「くッ・・・!」
カロンブライブの楽しき時間は、消えようとしていた。
「・・・」
カイは今、他の観客と共に立ち上がっている。
ただ違うのはこの熱気の中でも外さない長いコートと・・・
犬歯を剥き、画面を食い入るように見るその形相。
「・・・・・・出てきたか・・・・・・・・・・・・!!」
ただひとつ――
彼の目線には、踊る白い影法師が揺れていた。
『・・・速い!』
「違うよ・・・君が遅すぎるんだよ」
笑みを含んだ口調で−先程とは打って変わって、である−言い放つヴァーナルフラワーの言葉に、焦燥に駆られた者特有とでも言うべきか――ライフルの激しい応酬が始まる。
(ふん、ふん、ふーん、ふーん、ふんふんふーん、ふーふふーん・・・)
心の中で鼻歌など交えつつ、ファイアーバードの放つ弾丸を、刹那の嵐の如き動きでかわす。いつもの事――
彼女は、自らの周りで構成され、起こる事態・状況を音として捉える事ができる。
どんなモノにもリズムがあり、どんなモノでも音楽を見出す事が出来る。絶対音感の持ち主である。
実際、自分のうたっている曲の名など覚えてはいないが、小さい頃に図書館で聞いた、『とても古い曲』の1つだ。コーキョーキョクとかいう単語があったような気がする。たまたまこの弾丸の乱れ飛ぶ空気の音に、それを見出しているだけである。
彼女自身この曲は気に入っていたのだが、すぐに思い出す事が儘ならず、なにかのついでに思い出すぐらいのモノだ。
特に、なにか激しい事が起こる場所では思い出しやすい。
(さすがC-1のカロンブライブ・・・ワクワクするよ・・・)
激しく乱れた弾丸の軌跡が、正しく調和のとれたモノへと変化する――
(どんなに感情が暴走しても、それを押さえ込む腕がある――いいね)
「驚いたよ・・・弾数を気にする余裕なんて、あったんだね」
『ほざけ!』
合間合間にロケット弾が飛来するが、問題無い――『音』に狂いが生じない。
(でも、例え代表であろうと・・・)
踊るような白い影が弾丸の隙間を縫い、ファイアーバードへと急接近する。
(彼ほど楽しい『音』は出してくれないのかな?)
『くぅ・・・!』
さすがに左腕を事欠いたACでの接近戦は完全に諦めたのか、後方へとステップする。
その時に起こる脚部の地面と擦れる鋼の音に、軽く心地よさを感じながら更にファイアーバードへと向かう。
ガコンっ
「・・・」
唐突である。
音が乱れる――
ビーッ
(無粋・・・)
ファイアーバードから射出されたEOのエネルギー弾をかわしながら、ヴァーナルフラワーは思った。
うるさい。
邪魔。
調和が乱れる。
崩れる。
綺麗にできていた『音』の環が。
あまりの不愉快さに、その音を主体にして『音』を見出そうとする――が、無理だった。
ファイアーバードは一定ではなく、バラバラにエネルギー弾を放ち、ポッドを脱着する。
――非常に、不愉快だ・・・
よくよく考えると、どうして自分はここに居る?
何故わざわざこんなゲームに参加しなければならない?
『音』の調和が乱れたせいだろうか。自分の心が赤に染まるのを、はっきりと自覚する。
彼ほどの『音』は出さない。
ただ自分を不愉快にするだけ。
ダメな奴。
ダメな奴。
ダメな奴・・・
(くっ・・・弄ばれているのか? この俺が)
ファイアーバードの攻撃を回避するのみであり、一向に反撃に転じようとしない。
円を描くような緩やかな動きでこちらに近づいたのだが、EOを射出した途端、追撃を止めた。弄ばれているようにしか思えないだろう。普通は。
ましてや、彼女が苛ついているという事も。
接近戦もできずに、ただただ弾丸の頭数を減らすだけ。
面白味も無い、下手な狙撃手がするクレーン射撃のような、ただの・・・
く だ ら な い ゲ ー ム
カロンブライブの頭にこの文字が浮かんだ時、フラッシュバックUがスナイパーライフルを構えた。
「来たかッ!!」
『・・・』
カロンブライブの叫びに返すものは無く、ただただ冷たい気配だけだった。
「おいおい、なんだよあいつは?」
「知るかよ、ただの馬鹿だろ?」
「きっと余裕だからってカロンブライブ様を馬鹿にしているんだ」
「いいぞー! 姉ちゃん、もっとやんな!」
「祝砲は勝ってからにしてほしいものですなァ・・・」
「けっ、今日のアリーナはつまらねえな・・・」
「おらぁっ! ちゃんとやれえ!」
「こっちは高い見物料払ってんだぞー!!」
様々なヤジが画面に向かって飛ぶ。
当たり前だ。
攻撃を避けるだけ避け、更なる行動は馬鹿にしたとしか思えない。
その行動とは――
ライフルの弾丸を、上空へと連射している事だ。
連射速度は遅いが、次々と空へ撃ち放っている。
前述されていないので付け足すが――アリーナにはいくつもの種類がある。
一般的なモノがクロスアリーナ・・・ドームの中で戦うモノである。普通なステージだけあり、特殊な事が行われていないだけあって、大抵は素人が使う。
他の種類としては、視界の悪い森林、高温の溶鉱炉、砂嵐の荒れ狂う砂漠地帯・・・等々様々なステージがある。
アリーナではこういったステージ――戦いの場を管理しており、その場所を指定するのは挑戦者である。
相手よりもランクの低い挑戦者は、相手の不得意なステージ且つ自分が有利に戦いを進めるようなステージを選ぶのである。
今、彼女の選んだステージは、野外の決闘盤――そのようなイメージのあるところだ。
砂漠化の進んだ大地に四角い白色の板を闘技場として置き、その上で戦闘を行う。
上空に行き過ぎ等と言う制限は、当たり前だがない。戦闘領域の方はと言うと、白い闘技場内だけでなく、そこから800mまでなら移動は出来る。
そして、天井が無いという事を強調するように弾丸を撃ち続けるフラッシュバックU。
「・・・」
さすがにこの行為は予想外だったようである。
カイが眉を潜める中、逆上したようにカロンブライブのファイアーバードがライフルから火を放ち、ロケットを打ち続ける。・・・尽くかわされるのだが。
奴がする事だ。ろくな事があるはずが無い――
しかし、例え奴でもファイアーバード相手によけ続ける事などできるのか?
カイの予想を裏付けるように、カロンブライブの攻撃は激しさを増すだけでなく、フラッシュバックUに直撃スレスレまでの弾丸を放つ。
命中率が上がっている――さらにフラッシュバックUは上空に弾丸を放ち続けているが、時折腕を下げている。当たり前である。
いくら鋼と言えど、それなりの重量のあるスナイパーライフルを持ち続ければオーバーヒートを起す。腕を下げる度、その重さに引かれるようにしてフラッシュバックUの動きも鈍り――
(・・・・・・!)
カイの頭脳に閃くモノがあり・・・
次の瞬間、カイの閃いたモノは、完全に当たっていた。
ビシッ
『・・・』
小さな音と衝撃。
それと共に少し削られるAP。
「・・・まだ遊ぶつもりか?」
『・・・』
「黙っていられるのも今の内だぞ・・・!」
ズガン
今度は直撃。
それなりの衝撃がコックピットブロックに伝わったはずだ。しかし、声を上げるに至らない。
『ふふっ・・・』
「どうした? 何が可笑しいッ!」
ドガァッ
ロケットの直撃――この脆い装甲では無視できないダメージのはずだ。
しかし、ヴァーナルフラワーは笑う。
「ちっ・・・いい加減にしろ!」
『――いい加減にするのは君の方だよ・・・』
「・・・!?」
バギ
重い音と共に、ファイアーバードのライフルの銃筒に穴が穿つ。
「なんだと・・・!」
『ふふふ・・・』
笑いながら前進するヴァーナルフラワーのフラッシュバックUから、ファイアーバードは後方へとブーストで移動する。
訳の分からない攻撃を喰らうわけにはいかないからだ。
正体の分からない攻撃ほど恐ろしいモノは無い――それは、カロンブライブにとって戦場で学んだ最初の事である。
『もう、君の負けだよ・・・大人しく降参した方がいいかもね?』
「何を意味の解せない事を!」
『じゃあ、これは?』
フラッシュバックUのダガーを一閃させる。もちろん、その刀身で当たる範囲等では無い。
――が。
びゅっ
「!?」
突然飛来した黄金の閃きに、カロンブライブが慌てて回避を行う。
(ブレード光波!?)
思った直後、
メギィッ
この音と共に。
自らのACの装甲が引き千切れるのを感じた。そしてその時、あの発砲の意味がわかったのは遅すぎたぐらい後だった。
そして、彼の脳内に冷たい言葉がこびり付く。
『――ブレイブハートっていう名前・・・覚えててね?』
試合終了後。
カロンブライブはアリーナ運営局の責任を持って、病院へと輸送された。
「・・・おもしろく無かった・・・。
彼はもう、死んじゃったのかな・・・?」
シミひとつ無い、真っ白な天井を眺めて呆けたように呟く。
ヴァーナルフラワー――いや、ブレイブハートが座っている場所は、アリーナ闘技場の休憩室だ。
レイヴンは互いにここで顔の見合わせをしたり、アリーナをきっかけとして僚機の依頼をしたりする。
しかし、この場にはブレイブハートしかいない。他の試合の予約が無いせいである。
ブレイブハートは大抵、騒音溢れる街中が好きなのだが、こういう場所も嫌いでは無い。
とりあえずブライブハートは熱い体を冷やす為に、対衝撃用スーツのシッパーを下ろし、ランニングシャツに浮かんだ汗の跡を見て溜息をつく。
そのままパタパタと自らの手で風を送り――
ギイィ
自分達以外に、このくだらないゲームに参加する者は居ないはずだが。
そう思いながら、相変わらず不愉快な音をたてて開く扉に目を向ける。
そこに立っていたのは、全身に影を落としたような――簡単に言うと黒尽くめの男、いや、少年が立っていた。
奇妙である。この少年とは面識など無い――ましてや、今会うのが初めてであるはずなのにも関わらず、その少年からは殺気とでも言うべきモノがたっている。無表情ではあるが。――先程戦った、カロンブライブとか言う奴の親族だろうか?
「・・・・・・ブレイブハートだな」
怒気さえ含んだその声――いつ聞いても良い『音』だ。
「違うよ・・・ボクの名前はヴァーナルフラワーだよ」
「ヴァーナルフラワーなら自分の事を私と言う」
「ふーん・・・」
さしたる興味も無く−実際そうなのだが−ブレイブハートが気だるい返事を返す。
まじまじと少年を見つめるが、記憶に無い。会った事は無いはずだ。
ならばどうして自分のレイヴンネームを知っている?
知っているのなら会った証拠だ。
もちろん、アリーナの相手では無く、ミッションで、であるが。
「俺を忘れたようだな・・・」
「面識は無いと思うよ? 忘れるも何も」
多少ウザくなり、投げやりに答えると対衝撃用のスーツを脱ぎ、確か――という勘で、ヴァーナルフラワーのロッカーを探り当てる。
そこにあった長袖の白い服を取り出すと、そのままそれを着る。
多少暑かったが、どこぞの知らない男に肌を見られるのは嫌いである。当たり前の事だが。
しかし――どこかで聞いた事のある響きを、少年の声質の中に見出す。
「・・・君、名前は?」
「――カイだ」
「・・・良い名前だね・・・」
口元にうっすらと微笑を浮かべ、下から覗き込むようにしてブレイブハートが言う。
「俺は思わんがな?」
「・・・」
その言葉にデジャヴュを感じ、顔をしかめる。
この少年は――?
「・・・まってよ、今思い出すから」
「・・・勝手にしろ」
とても良い響きを持つ少年の声――とろけるような笑みを浮かべて、彼女は右手の人差し指を上げる。
指揮者のように。
「・・・」
「ふんふんふんふん、ふーんふふーん・・・違うかな?」
人差し指を振りつつその言葉を吐くと、ブレイブハートは自らの顔を左手で抑える。
相変わらず笑みは崩れないが。
「ふん、ふんふん、ふーふん、ふんふんふん・・・これもちょっと違うなァ・・・」
1人鼻歌をしながら指揮者の如くその指を振るう姿は、はっきり言って異常である。
「君のイメージ・・・似てるモノは多いけど、どれも違う・・・君は、誰?」
「・・・俺は俺だ。それ以上でも以下でも無い。・・・他に何がある?」
「そうだろうね・・・? 君は・・・君は・・・」
首をゆっくりと回して骨を鳴らすと、カイを真正面から捉える。
「ゴメンね。まだ、思い出すのには時間がかかりそうだよ」
「なら、いい。今の内はな。
だが・・・アリーナかミッションで会う時、それがお前の最期だ・・・」
「・・・」
少年に言われて、頭がぼうっとする。
陶酔するような心地良さ・・・間違いない。
この少年は――
「・・・・・・なァ・・・んだ・・・君だったんだ・・・・・・」
ブレイブハートが言葉を捻り出した時、すでに少年はいなくなっていた。
体全体に痺れがはしる。
「生きてたんだ・・・。ゴメンね? もう、アリーナで会う事は無いよ・・・。
楽しみが後回しになるだけ、ボクはぞくぞくするんだよ・・・?」
数日後。グローバルコーテックスからヴァーナルフラワーという名のレイヴンは、完全に抹消された。
Code:08 be over.
後書
ちわーっス、出前屋ですぅー(爆
えーとですね、今更ながらに思ったのですが、
レイヴンネームで苗字まで入れるって、・・・・・・おかしくね?
はい、これは完全に作者のミスで。後ろから1000発マシンガンやら連射式プラズマライフルやら撃たれても仕方が無い事です。更にあげるならばというより元からなのですがそれでも上げよう!! 題名の英語、文章間違ってね? なんて思うソコの貴方!!
素晴らしい・・・もちろんあってはならない作者のミスです。
ヂツは・・・英語嫌いでして、あはは(大汗
まあ、形から入るという事でやったんですけどねー。とりあえず、次回作からはもう、なんつーかもっとマシな感じに使用しよーとおもいやすからもういいじゃねーか、許してやれよ!!(ナニ;
・・・むっ、何だねちみは!? ちょ、ちょっと待つんだ! なんだそのグレネードとプラズマキャノンっつーかもう、その姿見ただけで小鳥達が死んでゆくよーな禍々しい武器はッ!? は、はやまるなッ・・・平和的な解決策ををを・・・・・・ッ!!
天誅という名の制裁
???「ふっ・・・安威沢め・・・とっととこの俺様を出さないからこうゆう目にあうのだ・・・」
調整中
やっほーぅ、ボク、安威沢、ボク、安威沢。
ふっ・・・こんなモンだろ。
今の上にあるヤツは、作者の心の中での妄想だ。気にしないでくれ。
それはさて置きこの俺様・・・もとい、ボクが話を進めよう。・・・後書を読んでいる読者なら、ボクの正体に気付いているかも知れないが。
まず最初に、キャラクター紹介。・・・1人だけだがな。
DATA 04
レイヴンネーム ブレイブハート
本名 ?
身長161cm
体重 52kg
年齢28
特徴・性格
一言で、分かり易く言うのなら、彼女は変わり者である。
表の世界との接点を
切り離し、完全に裏の世界へと溶け込む。
街道を歩くのは彼女の趣味であるが、自分自身の隠れ家があるため彼女の顔を知る者はいなかった。
アリーナに行かずに裏家業を続けていたのも、そこから自分の情報を出さない為――である。依頼を受ける時も変調機を取り付け、更にボク等の呼び方をしている為に彼女の性別さえ分かる者はいなかった。勿論、依頼を受ける時もACでのメール通達のみである。
裏の世界で生きるだけあって、彼女の技術力は凄まじい。依頼での成功確率は99%。この1%は、カイとの戦いによるモノである。
カイを戦いへの道へと投じさせた者の内の1人。
(偽)作者コメント
けっ、この女のせいで俺様達は・・・!?(・・; げふんげふん! あー、さて、どんな話だったっけな? まあとりあえず、作者のボクとしてはこのキャラは嫌いです。なんか嫌いですとにかく嫌いです。・・・こんなモンでいいだろ?
ちなみにヴァーナルフラワーが記憶喪失なのになんで年齢を知っていたかというと、グローバルコーテックスでは登録のさい血液検査をするんだな、これが。それで本人の年齢に踏まえ、過去の犯罪歴等を調べるんだ。レイヤードに居た頃は、赤ん坊が生まれるたんびに血液検査さ。犯罪してもな。(恐らくではあるがきっぱりと。
DATA 02
種類 AC
機体標識 レイヴン:ヴァーナルフラワー・ブレイブハート固有
ネーム フラッシュバックU
機体特徴・性能等
白が基本のスレンダーな軽量機。
持ち前の機動性を駆使して相手の攻撃を回避、その後隙が出来た敵を攻撃・・・という機体である。
ダガーもそれなりの威力があり、機体構成のアセンブルとしては纏まったモノとなっているが、クセがある為、作者自身は使いづらい。
軽量機であるため、作者の友人等高起動戦を得意としている者にとっては出来が良いそうだ。
勿論、機体はスナイパー型であるが左腕にはダガーを装備し、そつなく白兵戦をこなす。OBを搭載している為、友人からの接近・遠距離戦の能力が向上していると思うのは作者の気のせいだろうか?
作者が扱う時にはスナイパーライフルと左腕にミドルレンジライフルのダブルトリガーで扱い、EO型のコアでとにかく敵機の攻撃をかわしつつ当てる事に専念している。・・・と言ってもネクサスでの構成であるが。作者としては中量機が扱いやすい。ちなみに記すと、オラクルが作者には一番あっているようだ。
パーツ構成
頭部パーツ CHD−09−OXI
コアパーツ MCL−SS/RAY
腕部パーツ CAL−44−EAS
脚部パーツ MLM−MX/077
ブースター CBT−FLEET
FCS VREX−ND−2
ジェネレータ CGP−ROZ
ラジエータ RMR−SA44
インサイド NONE
エクステンション CSS−IA−64S
バックユニット CWR−S50 MRL−SS/SPHERE
右腕武装パーツ CWR−SRF−100
左腕武装パーツ CLB−LS−3771
オプショナルパーツ
ECMP L−AXL LFCS++ E−LAP
組み立てるよりもこのサイトでパーツを調べればわかりますが、お情けのエクステンションが着いている以外は、完全に防御力を捨てています。
イメージとしてはNEXUSのヴィクセンというACですが。
とりあえず試してください。
作者の場合はアリーナで、ミステリーから勝ち進み(かなりキツかったのですが)フォグシャドウで止まりました。友人は全制覇したのですが、作者はロックオンサイトの上下に梃子摺っています。皆様もこれでアリーナ制覇を目指してみないでしょうか?
ちっ・・・ボクのACは・・・!?
ABCノウタッテオモシロイヨネ?
アー、ゴホン。さて、ここらへんでお別れだ。
次は小説の中で会おうじゃぁないか!!
じゃっ。
・・・・・・完全犯罪の為にひとつ、富士の樹海に持って行こうか? この操り人形・・・。
あらゆる意味での完結。
作者:安威沢さん