白銀の死神(序章)
ここは地下の世界。
すべてが管理者によって支配、統合されていた。
だが、あるACにより、外への扉が開かれた。
しかし、そのACはすでに引退しており、もうACを操ることはなかった。
これはそのACに助けられた『少年』の物語り。
少年が、いた。
いつものような平凡な、朝だった。
名はレイン・クロスイーター。
レインとよばれていた。あるとき、友人といつものように遊んでいた。
レイン「今度はこっちにいってみようぜ!!」
友人「おう!!」
・・・いつもと変わらないことだった。それまでは。
ここは研究所。シリンダーが大量においてある。
少年の趣味はここにこっそり忍び込んで、こっそり本を読むこと。
だが、今日は違った。いつもよりも数十倍静かなのだ。
そのことを知り、やったと思いレインは友人もつれてきてしまった。
友人は無類のAC好きで、格好いいACには目がなかった。
なにやら外からACのブースト音が聞こえる。銃弾の音も。
その友達が「AC?ACか?いってみよう!!」といった。
レインは仕方がなくついていかされた。
友人が警報機もついていないのをいいことに、窓際にまで来ていた。
楽しそうにACバトルを見ている。だが、それは間違いだったのだ。
本物のACバトルとは、生きるか死ぬかの境目である。
間違ったら死、なのだ。
相手は、黒塗りで、肩にはビットを入れている玉状のものつんでいた。
レインはふと、危険を感じ、
レイン「ちょっと・・危ないよ?戻ろうよ・・・。」
ということをいったが友人は聞かず、
「うっわーすげーみろよあれ。ビットだぜ〜。」
とかをいっている。そこでおとなしく帰っていればよかったのだ。
相手のACは「管理者」の部隊。人を殺すのなんて、ACには造作もない。
「管理者」の部隊がこちらに気づき、上に上がってくる。
友人はそのことをうれしそうに見ていた。
「うわ〜ACをこんな間近で見るのはじめてだー」
といいつつ。
その時であった管理者の部隊は、ブレードを振った。
友人が目の前で蒸発したレインは、慌てふためいている・・・。
だが、レインにはわかる事がひとつだけあった。
次は自分だ・・・・・。
管理者の部隊がブレードを振り下ろす・・・・。
だが、レインに来るはずのブレードはこなかった。
その前に。ほかのACがブレードで叩き切ったからだ。
そして、そのACはいう。
「ボウズ!!何でこんなところにいるんだ!!あぶないぞ!!あたらなかったか?」
と必死に機体の中から言っている。
「とりあえず・・・・そうだな。ウチにこい。なんもないけどな。」
ACの手のひらに載せてもらって、そのACの自称「基地」と呼ばれるところにきた。
MTを後ろで引きずっていたが、両足がなくなっていた。手はないらしい。
レインは怖かった。とても。友達も一人、殺された。だがこの人はそのことを知らない。
そのひとは、顔立ちは整っていて、笑顔がよく似合いそうな人物だった。
そしてその人が言った。
「いや〜よかったな〜殺されなくて。1回ブレードで切られたみたいだったけど平気だったか?」
レインが言う。
レイン「僕は・・・平気です・・・。でも・・・友達が・・・友達が・・・!!」
「そうか・・・・。それは残念だったな・・・。」
その人も残念そうに言う。
「ちょっと外にいってくる。まってろな。ボウズ。」
レイン「え?ちょっと・・・。まってよ!!」
レインは追いかけた。が、途中でやめた。あの人は後ろを向いてないていた。
そのとき、後ろで作業をしていた60台半ばの人が一人、歩いてきた。
「ボウズ。あいつぁ人を守れなかった事を後悔してるんだ。ああ見えても小心者でねぇ・・・。」
レインはその人を責めようと思っていたが、攻めなかった。自分で自分をせめているのだから。
さらに、このところアリーナで順調に勝ち上がっていく人物だとも、どんなミッションでも
人を殺さないやり方をしていることも聞かされた。
レインはそんなレイヴンは見たことがなかった。そして、レイヴンが泣くところももちろん
見たことはなかった。レインはこんな人がすべてのレイヴンになればいいと。
その日は、その人に慰められながら、家に帰った。
その日は親に怒られた。次の日は、帰ってこない友人の親の元へといき、事情を話した。
その人とともに。その人はレインをかばってくれた。「その子が死んだのは私のせいです」と。
親はその人を責め立てた。泣き喚いていた。
その人も泣いていた。
その次の日からは、『基地』へ遊びにいくようになった。
ACの機体の説明や、少しACに一緒に乗せてもらったりもした。
レインはどんどんACが好きになっていった。
実質、レインは今はクレストやミラージュの社員なんかより、AC乗り(レイヴン)にあこがれていた。
レインはレイヴンになる決意をした。運動、勉強、操作など、真剣に取り組んだ。
金をため、レイヴンになる権利はある。
そして、グローバルコーテックスからの、運動力、筆記テストをパスし、
残るは実技テスト「ACによるテスト」のみとなる。
用件は、MTの全機破壊である。もちろん相手はCOMによってプログラミングされており、
さほど内容は難しくなっていないはず・・・だった。
作者:シズさん
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