外伝:タカとリョウの憂鬱な一日
「よっしゃ 一機撃墜ぃ!!」
蒼い機体がACを一機を焼き尽くした。
「あまり調子に乗るなよリョウ…」
「いいじゃねえかタカ こんなのゲームにもならねぇ」
「人の命をゲーム扱い するなよ…といってもこいつ等はAIだけどね…」
リョウと呼ばれた青年は 長身の金髪でガタイもよかった。
タカと呼ばれた青年(いや 一見すると女性だが)は長い黒髪で緑色の瞳だった。
「AIか… コーテックスの奴ら パイロットの無いAC何ぞ送って来やがって」
「彼らも必死なんだねぇ フフッ…」
この二人のレイヴン
一見噛み合いが悪そうだがコーテックスでは知るもののいない有名なコンビだった。
「ココは一つ 彼らに一泡吹かせてみる?」
物腰軽く タカがリョウに提案を出す。
「おぅ!! そりゃいいぜ!! で…どんなだ?」
「簡単に説明すると 新人レイヴンの試験が今日の0900時に行われるんだって
場所はアヴァロンヒルで 僕たちはその試験に乗じて
新人レイヴンの若い芽を摘み取っちゃうって訳」
「おい タカ! そんなんひどすぎねぇか?
他にもコーテックスに悪戯のメール送るとか
コーテックスにピンポンダッシュとかじゃないのか?」
「リョウ!! 君は体が大きいのに何でそんなことしか思い浮かばないわけ!?」
「お前の頭の回転が速すぎるだけだろッ!!」
「じゃあ とりあえず今日の0830時にいつもの場所で…」
「勝手に決めんなよ タカ!! 大た…ブツッ」
勝手に通信を切ってさっさと帰るタカ…。
そして 0326時なのに
市街地(とはいっても閉鎖地区513とは別物)に一人(一機)取り残されるリョウ…。
―――0830時―――
「タカ!! ホントにあるんだろうなぁ レイヴン試験!」
「ああ ちゃんと確認してきた 抜かりは無い」
―――アヴァロンヒル―――
「って タカ誰もいねぇじゃねえか!! どうなってんだ!?」
「ゴメン…リョウ 試験来週だった…」
「ハァ? マジかよ…」
で一週間後…
「今度こそ合ってるな!?」
「ああ 今度は大丈夫……だと思う(ボソッ」
「なんか言ったか?」
「いや 何も…」
リョウはタカを疑いつつも 彼の後についていく。
―――アヴァロンヒル―――
「おお やってるやってる!!」
「な 僕に任せておけば…」
「一週間も間違ったけどな(笑」
「いいから行くぞッ(///」
しばらくして…
「ねえ リョウ あれMTじゃない?」
「にしても腕がおかしいな…」
「まあ 何にせよ やるしかないでしょ」
「よっしゃあ!! 気合出てきたぜ!」
―――そのころ受験者の一人―――
「なあ これどういうことだよ!! パイロットが乗ってるじゃないか!!」
と ペアの試験官レイヴンに突っかかっていた。
「敵は2機!! ランカーAC ジャックとジョーカー!!」
で あの二人組み
「さっさと狩っちまおうぜ」とリョウ
「そんなに熱くなっては 倒せるものも倒せんぞ」とタカ
「今からオレが お前らを成敗してくれる!!」とMTの青年
しかし その隣のACを見て彼らは後悔した
「あれって…なぁ…タカ…」
「だよね 上級レイヴンだよねぇ」
MTの青年の挑発もまったく聞かずに彼らは固まっていた。
「でもこっちは2機負けるわけが無いッ!!」
「MTの野郎 身の程しらねえで突っ込んできやがった」
ゴォォォォッ
ブレードを振りかざしてきたMTを彼らは散開しつつ避けた。
「そうそう当たるものではない」
得意のステルスで タカは身を隠しMTにロックオンした。
そう得意のミサイルを全て叩き込むために…。
「こいつの左手はヤベエ タカッ!!こいつの腕ACだ!!ブレード持ってやがる」
グレネードを乱射しつつ リョウはタカに報告した。
「その腕も 君がもぎ取ったんだけどねぇ…」
グレネードが運良く命中したようでMTは炎に包まれた。
「じゃあ とどめは僕が貰おうかなぁ…」
そう言うなりタカはミサイルを全弾撃ち込んだ。
「やったね リョウ…」
「よっしゃ!! 新人一人狩った!!」
がそんな優越感に浸っている暇無く黒い影が風のように忍び寄ってきた。
「貴様ら コーテックスに逆らってただで済むと思うな」
静かに だが威圧するように言い放ち同時に月光で切り裂いた。
レイヴンネーム マルスのファルシオンだった。
「Sクラスレイヴン…マルス 恐るべし…」
二人はかろうじて脱出したが ACは原形をとどめていなかった。
このことを境に彼らはこう思った。
<悪いことはするもんじゃないね>
メモ:これは 「新人」のアレンジ版です。
ちなみにタカとリョウは オレの友人がモチーフになっています。
MTの青年はこれから本編で活躍(?)する カズ君でした。
分かりました?
作者:ジェットさん
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