アストラ
「レイブン、先日のミッション中出くわしたキサラギのものと思われるACのデータがでました」
「ん?そうか・・」
「どうしましたレイブン?」
ゼルは不思議そうな顔をして話始めた
「いや、あのACのパイロットどこかで見た気がして調べてみたんだが面白い事がわかってな」
「どんなことですレイブン?場合によってはコーテックスの上層部に報告しなければなりません」
「あぁ。あの女の名はシフォイ・アストラ。数十年前までクレストや
ミラージュといった大企業と争うほどの力をもったアストラ財閥の令嬢だ」
「アストラ?原因不明の本社崩壊により、なくなってしまったあの?」
「あぁ、だがアストラ家の人間が生きているとは・・」
「どういうことです?」
「アストラ家のものはみな崩壊寸前に輸送機で脱出しているんだが、飛行途中に
何物かによって撃墜されているんだよ。輸送機に乗っていたのはパイロットも
合わせて23人。そして確認された遺体も23・・。生きているハズがないんだよ
彼女はな・・」
「運よく助かったとか・・、何かの間違いなのでは?」
「あぁ、その線もあたってみたが・・。どうやらその可能性は・・。っ!そうか!そういうカラクリか!」
「どうしたんです?レイブン?」
謎が解けたかのようにゼルは話しだした
「あの時、事故調査をしたのはアストラの役員連中なんだが、その役員連中は
今も現役で、ある企業で働いている・・。」
「まさか・・。」
「そう、現キサラギだよ。よく考えてみればキサラギの資本は旧アストラのものが
90パーセントを越えているという話しを聞いたことがある。」
「では、彼女は・・。」
「あぁ、もとから死んでなんていなかったんだ」
「レイブン、しかしなんで役員達は嘘の報告を・・」
「あぁ、それは分からないな。だがアストラには崩壊前に妙な噂が流れていてな」
「どんな、噂です?」
「あぁ、アストラは『何か』と戦っているとな・・」
「何か?なんですかそれは?」
「ハハッ。それがわかったら苦労はしないさ。」
「今回の話しはコーテックスの上層部には報告させてもらいますよ、レイブン?」
「あぁ、好きにしてくれ・・。これから、かなり面倒臭くなりそうだからな」
「また、かったるくなりそうだ・・。」
『アストラ』完
作者:ユビキタスさん
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