彼は、怒鳴る! いつもこうだ! 「オイ!!」 その時いっつも思うんだよね! 『ビッ・クッ・ター』って・・・ 遠くても、近くても いつも決まった位置、決まった声で、 「オイ!」 「オイ!!」 「オイ!!!」 でも、ひとつ・・・ひとつだけ決ってない事があるんだよね。 ・・そう。言う時間、彼はどんな時も ランダムにこう言う。 「オイ!」 ・・・ってな。 そんな彼も、ひとつだけ、「すげぇー」って尊敬できることがあるんだよね。 それはいつものように歩いてたとき 彼は、食器を持って、階段を駆け上がっていた。 そして僕にこう言った。 「この食器、かたしてくれないか?」 「いいですよ!」 「あ、ありがとう。・・すごい助かる・・。」 ・・・!!? (彼にほめられたのは昨日の授業以来だったが。しかし、彼は授業でしかほめない。これは偶然?) 心はこの出来事を認めなかった。 しかし、頭は認めざるを得なかった。 彼はよく怒る。でも、彼のセリフを聞いたとき 『いいひと?』と、思った。 それは、いつも怒っている彼が言ったセリフだったからこそ、うれしかったのかもしれない。 |